会長挨拶

第65回日本心臓病学会学術集会
会長 宮崎 俊一
近畿大学医学部循環器内科学 教授
大阪府済生会富田林病院長

 第65回日本心臓病学会学術集会を2017年9月29日(金)〜10月1日(日)に、大阪国際会議場において開催させて頂きます。わが国の臨床心臓病学を率いてきた歴史ある本学術集会を開催できますことを大変光栄に思っております。
 本学術集会は"臨床心臓病学のジェネラリティとスペシャリティ"をメインテーマとしました。近年、カテーテルインターベンションや不整脈の非薬物治療などの心臓病学領域における高度に専門性が必要となる領域が確立してきました。このような流れは心臓病診療における基本的な素養となるべき領域にも波及しており、例えば心臓病の救急診療が救急専門医によって施行されている施設も増えていることは心臓病専門医にとっては看過できないことと思っています。逆にガイドラインの普及に伴い基本的診療が明確化した反面、診療が画一化してしまい個別の症例に対してジェネラルな知識と経験が十分でないために臨機応変に対応できない循環器医も増えていると思われます。そこで本学術集会では心臓病診療の基本に立ち返り、ベッドサイドの診察技術を含めた診断法の全般的教育から高度に専門性が必要な領域にいたるまでの連続的な診療レベルにおいて、ジェネラリティが必要な領域とレベルを見直して、併せてスペシャリティが必要な領域の基盤部分を明らかにしたいと思っています。このような意図をもってプログラムを策定し、参加者が自らの診療内容を見直す機会となるように企画いたします。もちろん、例年と同様にシンポジウム、ジョイントシンポジウム、コントロバーシー、ビジュアルワークショップ、教育講演、チーム医療セッション(メディカルスタッフセッション)、モーニングレクチャーなどを企画し、心臓病学会の重要なミッションである臨床教育のセッションも豊富にそろえて、医療面接や身体所見の取り方などの基本的な研修から、画像診断、侵襲的診断・治療手技、集中治療をはじめとして循環器専門医が体得するべき事項を様々なプログラムで研修してもらいたいと思っています。
 坂本レクチャーはCentro Cuore ColumbusのAntonio Colombo先生にご講演いただきます。その他、海外から多くの先生方に特別講演、ジョイントシンポジウムなどをお願いしています。
 第65回の本学術集会が心臓病に関係する方々の充実した研鑽の場、また素晴らしい出会いの場となりますよう鋭意準備をして参りますので、多数の皆さまのご参加をお待ちしております。