第67回日本心臓病学会学術集会

プログラム

坂本レクチャー

9月14日(土) 10:50~11:50 第1会場

Imaging in Clinical Trials to Transform Cardiac Care

座長
伊藤 正明 (三重大学大学院医学系研究科 循環器・腎臓内科学)
演者
John Gorcsan Ⅲ
(Division of Cardiology, Washington University in St. Louis, USA)

会長講演

日本心臓病学会のさらなる発展にむけて

9月14日(土) 13:30~14:00 第1会場

座長
中野 赳  (三重大学名誉教授、第52回学術集会会長)

三重大学と日本心臓病学会

演者
伊藤 正明 (三重大学大学院医学系研究科 循環器・腎臓内科学)

パネルディスカッション

日本心臓病学会のさらなる発展にむけて

9月14日(土) 14:00~15:00 第1会場

座長
萩原 誠久 (東京女子医科大学 循環器内科)
伊藤 正明 (三重大学大学院医学系研究科 循環器・腎臓内科学)
Keynote Message
萩原 誠久 (東京女子医科大学 循環器内科)
平山 篤志 (大阪警察病院 心臓センター)
パネルディスカッション
  1. 学術集会での魅力ある企画内容
  2. 循環器・心臓病領域で、特徴な学会活動の展開
  3. 学会員の減少への対応
  4. 学会活動における国際化・英語化をどうするか
コメンテーター
坂田 泰史 (大阪大学大学院医学系研究科 循環器内科学)
平山 篤志 (大阪警察病院 心臓センター)
大西 勝也 (大西内科ハートクリニック)
眞茅 みゆき(北里大学看護学部 看護システム学)

栄誉賞受賞記念講演

9月13日(金) 14:30~15:10 第1会場

日本における循環器疾患のエビデンス創出

座長
萩原 誠久 (東京女子医科大学 循環器内科)
演者
小川 久雄 (国立循環器病研究センター)

教育賞受賞記念講演

9月13日(金) 16:30~18:00 第6会場

座長
小室 一成 (東京大学大学院医学系研究科 循環器内科学)

Clinical Cardiologistを育てる

演者
岩永 史郎 (埼玉医科大学国際医療センター 心臓内科)

仲間と作り上げる教育プログラム

演者
室生 卓  (倫生会みどり病院心臓弁膜症センター内科)

特別講演

9月13日(金) 10:10~10:40 第6会場

1. Exercise and Prevention of CV Disease: How much Exercise for What Benefit?

座長
矢野 雅文 (山口大学大学院医学系研究科 器官病態内科学(第二内科))
演者
Benjamin D. Levine
(Institute for Exercise and Environmental Medicine, Texas Health Presbyterian Hospital Dallas and the University of Texas Southwestern Medical Center, USA)

9月13日(金) 10:40~11:10 第6会場

2. 閉塞性肥大型心筋症に対する外科的治療の再評価と最前線

座長
小野 稔  (東京大学医学部附属病院 心臓外科)
演者
Hiroo Takayama
(Columbia University Division of Cardiothoracic and Vascular Surgery, USA)

9月13日(金) 11:10~11:40 第6会場

3. 新しいガイドラインに基づいた特発性心室不整脈の診断と治療

座長
池田 隆徳 (東邦大学大学院医学研究科 循環器内科学)
演者
Takumi Yamada
(Division of Cardiovascular Disease, University of Alabama at Birmingham, USA)

9月14日(土) 10:50~11:20 第2会場

4. How to manage cardiovascular complications during cancer chemotherapy
(がん化学療法による心毒性のマネジメント)

座長
代田 浩之 (順天堂大学大学院医学研究科 循環器内科学)
演者
Kazuaki Negishi
(Faculty of Medicine and Health, The University of Sydney, Australia)

9月14日(土) 11:20~11:50 第2会場

5. 心臓カテーテル治療の進歩と展望

座長
伊藤 浩  (岡山大学大学院医歯薬学総合研究科 循環器内科学)
演者
Mamoo Nakamura
(Smidt Heart Institute, Cedars-Sinai Medical Center, USA)

9月14日(土) 9:40~10:10 第11会場

6. An Overview of the 6th World Symposium on Pulmonary Hypertension (WSPH)

座長
福田 恵一 (慶應義塾大学病院 循環器内科)
演者
Gérald Simonneau
(Paris Sud University, France)

9月14日(土) 14:10~14:40 第2会場

7. Heart Failure: A Glimpse into the Future

座長
小室 一成 (東京大学大学院医学系研究科 循環器内科学)
演者
Paul J. Mather
(University of Pennsylvania, Philadelphia, PA, USA)

9月15日(日) 9:00~9:30 第6会場

8. Brugada syndrome, an electrical disease or a cardiomyopathy?

座長
萩原 誠久 (東京女子医科大学 循環器内科)
演者
Pieter G. Postema
(Academic Medical Center, Amsterdam University Medical Centers)

ミート・ザ・エキスパート

9月13日(金) 15:50~16:20 第4会場

1. 成人先天性心疾患および周産期診療において広がる不整脈治療のニーズ:
日米のエキスパートに聞く

座長
Takumi Yamada
(University of Alabama at Birmingham Division of Cardiovascular Disease, USA)
演者
石津 智子 (筑波大学 臨床検査医学)
神谷 千津子(国立循環器病研究センター 産婦人科)
ミニレクチャー
Takumi Yamada
(University of Alabama at Birmingham Division of Cardiovascular Disease, USA)

9月13日(金) 16:30~17:00 第9会場

2. bicuspid valve associated aneurysm

座長
伊藤 久人 (三重大学 心臓血管外科)
コメンテーター
木村 直行 (自治医科大学さいたま医療センター心臓血管外科)
演者
Hiroo Takayama
(Columbia University Division of Cardiothoracic and Vascular Surgery, USA)

9月14日(土) 9:40~10:10 第3会場

3. Interventional cardiologistの未来像

座長
山本 真功 (豊橋ハートセンター)
演者
Mamoo Nakamura
(Smidt Heart Institute, Cedars-Sinai Medical Center, USA)

9月14日(土) 16:50~17:20 第6会場

4. Twitterの活用:心臓病診療の新たなスキル

座長
水野 篤  ((財)聖路加国際病院心血管センター 循環器内科)
演者
Kazuaki Negishi
(Faculty of Medicine and Health, The University of Sydney, Australia)

教育講演

9月13日(金) 10:10~10:40 第9会場

1. 血管炎症候群の診療ガイドライン―バージャー病について―

座長
磯部 光章 (日本心臓血圧研究振興会附属 榊原記念病院)
演者
古森 公浩 (名古屋大学大学院医学系研究科 血管外科)

9月13日(金) 10:40~11:10 第9会場

2. 非侵襲的画像診断・予後予測におけるAIの有用性

座長
國本 聡  (川口市立医療センター)
演者
中西 理子 (東邦大学大学院医学研究科 循環器内科学、
東邦大学医療センター大森病院 循環器内科)

9月13日(金) 11:10~11:40 第9会場

3. NCD/JCVSDを用いた外科内科の連携

座長
諸井 雅男 (東邦大学医療センター大橋病院 循環器内科)
演者
本村 昇  (東邦大学医療センター佐倉病院 心臓血管外科)

4.

9月13日(金) 8:30~9:00 第10会場

座長
山本 一博 (鳥取大学医学部 病態情報内科)
上村 史朗 (川崎医科大学 循環器内科)

JC Casesの刊行状況と,英文症例報告の重要性

演者
山本 一博 (鳥取大学 医学部病態情報内科、JC Cases Editor-in-Chief)

採択される症例報告と採択されない症例報告の違い

演者
上村 史朗 (川崎医科大学 循環器内科)

9月13日(金) 14:50~15:20 第9会場

5. リードレスペースメーカの功罪

座長
栗田 隆志 (近畿大学医学部 心臓血管センター)
演者
佐藤 俊明 (杏林大学医学部 不整脈先進治療学研究講座)

9月13日(金) 15:20~15:50 第9会場

6. 重症虚血肢に対する再生医療

座長
室原 豊明 (名古屋大学医学部 循環器内科)
演者
井上 晃男 (獨協医科大学 心臓・血管内科)

9月13日(金) 15:50~16:20 第9会場

7. 弓部大動脈瘤に対するTEVARの適応の現実

座長
小松 誠  (大阪暁明館病院 循環器内科)
演者
大木 隆生 (東京慈恵会医科大学 外科学講座 血管外科)

9月14日(土) 9:10~9:40 第9会場

8. 性差医学・医療の現状

座長
福本 義弘 (久留米大学医学部 内科学講座 心臓・血管内科部門)
演者
天野 恵子 (野中東晧会 静風荘病院)

9月14日(土) 9:40~10:10 第9会場

9. 虚血評価の新展開 ―Quantitative Flow Ratio (QFR) ―

座長
井上 晃男 (獨協医科大学 心臓・血管内科)
演者
大塚 雅人 (荻窪病院 心臓血管センター 循環器内科)

9月14日(土) 10:10~10:40 第9会場

10. ステントグラフトは急性B型大動脈解離の治療を変えたか?

座長
高山 守正 (榊原記念病院)
演者
石橋 宏之 (愛知医科大学 外科学講座 血管外科)

9月14日(土) 10:50~11:20 第9会場

11. 弁膜症としての心房細動

座長
尾辻 豊  (産業医科大学 第2内科学)
演者
阿部 幸雄 (大阪市立総合医療センター 循環器内科)

9月14日(土) 11:20~11:50 第9会場

12. IMPELLA補助循環用ポンプカテーテルの現状と期待

座長
澤 芳樹  (大阪大学大学院医学系研究科 心臓血管外科学)
演者
絹川 弘一郎(富山大学医学部 第二内科)

9月14日(土) 14:40~15:10 第9会場

13. 最新の弁膜症カテーテル治療について

座長
福井 寿啓 (熊本大学医学部附属病院 心臓血管外科)
演者
桒田 真吾 (聖マリアンナ医科大学 循環器内科)

9月14日(土) 15:10~15:40 第9会場

14. 心臓植込みデバイス感染の診断とその対応

座長
清水 渉  (日本医科大学大学院医学研究科 循環器内科学分野)
演者
庄田 守男 (東京女子医科大学 循環器内科)

9月15日(日) 9:00~9:30 第5会場

15. 循環器のインターベンションに関する欧米の常識と日本の現実

座長
中川 義久 (滋賀医科大学 循環器内科)
演者
香坂 俊  (慶應義塾大学医学部 循環器内科)

9月15日(日) 9:30~10:00 第5会場

16. 血管内イメージング徹底活用:ACSの成因から治療方針の決定まで

座長
平山 篤志 (大阪警察病院 心臓センター)
演者
樋熊 拓未 (聖マリアンナ医科大学 循環器内科)

9月15日(日) 10:00~10:30 第5会場

17. 心サルコイドーシスの診断と治療

座長
石坂 信和 (大阪医科大学 内科学Ⅲ)
演者
磯部 光章 (日本心臓血圧研究振興会附属 榊原記念病院)

トピックス

9月13日(金) 9:30~10:00 第4会場

1. 心臓病に随伴する後天性フォンウィルブランド症候群の実態

座長
後藤 信哉 (東海大学医学部 内科学系)
演者
堀内 久徳 (東北大学加齢医学研究所 基礎加齢研究分野)

9月14日(土) 13:30~14:00 第5会場

2. 起立不耐症の過去、現在、未来―慢性疲労症候群患者の中核症状として

座長
井阪 直樹 (博仁会村瀬病院)
演者
三羽 邦久 (ミワ内科クリニック)

9月14日(土) 13:30~14:00 第7会場

3. 腸内細菌と循環器疾患

座長
梶波 康二 (金沢医科大学 循環器内科学)
演者
山下 智也 (神戸大学大学院医学研究科 内科学講座 循環器内科学分野)

会長特別企画

原点を学び未来を創る

1. レジストリー研究をACS診療に活かす

9月13日(金) 8:30~10:00 第3会場

座長
木村 剛  (京都大学医学部附属病院 循環器内科)
安田 聡  (国立循環器病研究センター 心臓血管内科)
CREDO-Kyoto AMI Registryからの知見
演者
塩見 紘樹 (京都大学 循環器内科)
急性冠症候群におけるImaging-guide PCIの実施率と真の有用性:
KICS,J-MINUETレジストリーの検討
演者
山下 享芳 (熊本大学医学部附属病院)
実臨床における急性心筋梗塞後の抗血小板療法および虚血、出血イベント:
多施設急性心筋梗塞レジストリ(JAMIR)からの知見
演者
本田 怜史 (国立循環器病研究センター 心臓血管内科)
急性心筋梗塞患者における大動脈弁狭窄症の予後への影響(三重ACS registryからの 報告)
演者
水谷 花菜 (鈴鹿中央総合病院 循環器内科)
我が国のレジストリからみたACS診療の歩みと今後の課題
演者
香坂 俊  (慶應義塾大学医学部 循環器内科)
座長のことば
過去数十年の間、急性冠症候群(ACS)に関する様々な臨床研究が行われ、エビデンスが報告されてきた。その結果を元にガイドラインが作成され、ACS患者の診療は大きく変化してきた。ランダム化比較試験はエビデンスレベルの高い研究とされ、これまでのエビデンス構築に果たしてきた役割は大きい。しかし、エビデンスやガイドラインに基づいた診療が実際の臨床現場でどのように行われ、どのような結果をもたらしているかについての検証も同様に重要である。ACSのエビデンスの多くは欧米人を対象とした研究によるものであり、体格や遺伝的背景、医療環境の異なる日本人において欧米のエビデンスをそのまま適応できるかどうかについても確認する必要がある。レジストリー研究は実臨床の情報を得るのに有用であり、疾患の診断、管理、治療に関するリアルワールドデータを収集し、解析することで現状の医療の問題点、改善点を明らかにすることができる。更に近年日々生産される電子化された診療情報を疾患レジストリーへとリンクすることも可能となっている。レジストリーも変化してきており、ACSに代表される循環器疾患の「知識の生成」について討論したい。

2. 進化した心臓MRI心筋組織評価を語る

9月13日(金) 10:10~11:40 第3会場

座長
佐久間 肇 (三重大学医学部附属病院 放射線科)
前川 裕一郎(浜松医科大学 内科学第三講座)
最新のMRI心筋組織評価法で何が見えるか?
演者
大田 英揮 (東北大学大学院医学系研究科 先進MRI共同研究講座)
Native T1 mapping法による非造影での心筋障害検出の展望
演者
後藤 宏樹 (東千葉メディカルセンター 循環器内科)
心筋組織性状からみた心筋虚血評価
演者
中森 史朗 (三重大学大学院 循環器腎臓内科)
急性心筋梗塞患者における急性期細胞外容積分画と予後の関連
演者
石山 将希 (三重大学大学院医学系研究科 循環器・腎臓内科学)
心サルコイドーシスをマッピングで診る
演者
谷口 泰代 (兵庫県立姫路循環器病センター 循環器内科)
心房細動合併心不全患者における心臓MRIによる心筋組織性状評価の意義
演者
加藤 真吾 (神奈川県立循環器呼吸器病センター)
座長のことば
心臓MRI検査では、シネMRI、造影剤T1 mapping、T2強調画像MRIとT2 mapping、負荷・安静時心筋血流MRI、遅延造影MRI、造影後T1 mappingなどが行われ、心筋組織性状を様々な側面から多元的に診断することが可能となり、予後予測における有用性も集積されている。この中で、心筋組織評価において遅延造影MRIの果たした役割は大きく、DCMにおける心筋中層線維化は患者の予後、特に不整脈死のリスクと密接な関連を有することが知られている。遅延造影MRIは心筋線維化の非常に優れた診断法であるが、びまん性線維化の検出や、線維化の定量的評価が難しい問題があった。T1 mappingを用いると、造影前の組織固有のT1値から組織性状を推定できるだけでなく、造影前後の心筋と左室内腔血液のT1値を測定し、細胞外容積分画(extra-cellar volume:ECV)を定量的に計測することができる。T1マッピングはFabry病や心アミロイドーシスの診断に不可欠であるだけでなく、DCMやHCM、高血圧やASによる肥大心などの心筋組織性状評価に広く用いられている。最近ではfeature tracking法が急速に進歩し、通常のシネMRIから心筋ストレインマップを得ることができるため、心筋組織性状と心筋ストレインを総合的に把握することが可能になっている。

3. 循環器医が考える糖尿病管理の未来像

9月13日(金) 8:30~10:00 第8会場

座長
野出 孝一 (佐賀大学医学部 循環器内科)
桑原 宏一郎(信州大学医学部 循環器内科)
合併症予防を見据えた薬剤選択の将来像
演者
三木 隆幸 (札幌医科大学医学部 循環器・腎臓・代謝内分泌内科学)
Evidence-based and tailored medication in type 2 diabetes
演者
田中 敦史 (佐賀大学医学部 循環器内科)
糖尿病合併慢性心不全管理におけるSGLT2阻害薬を取り入れたOptimal Regimenの再考 - CHANGE trial
演者
栁川 恭佑 (大阪労災病院 循環器内科)
急性冠症候群症例において血糖変動は重要な予後規定因子である
演者
岩橋 徳明 (横浜市立大学附属市民総合医療センター 心臓血管センター)
座長のことば
糖尿病は動脈硬化性心血管病(ASCVD)および心不全の重要な危険因子であり、糖尿病管理のゴールは当然血糖マーカーであるHbA1Cの低下のみでなく、ASCVDや心不全の発症を抑制し、健康的なQOLの維持と寿命の延長となるべきである。しかし比較的最近まで厳格な血糖管理による2型糖尿患者での心血管イベント抑制、心不全発症抑制、死亡抑制を示す明確なエビデンスは得られていなかった。加えて、心不全に関しては、糖尿病合併症としてあまり強く認識されていなかったという現実もあった。このような状況の中で、近年、2型糖尿病患者におけるSGLT2阻害薬の心血管イベント、心不全入院、心血管死の抑制効果、GLP1受容体作動薬の心血管イベント、心血管死抑制効果を示す大規模臨床研究の結果が報告された。特にSGLT2阻害薬の心不全発症抑制効果は、2次予防のみならず、1次予防に相当する2型糖尿病患者においても幅広く認められることが明らかとなった。GLP1作動薬の心血管イベント抑制効果についても同様により幅広い2型糖尿病患者層に対する効果が期待されつつある。現在、SGLT2阻害薬やGLP1受容体作動薬の心血管イベントおよび心不全抑制メカニズムについて検討が加えられており、これらは同時に糖尿病におけるASCVDおよび心不全の発症機序とその予防、治療に対する新たな視点を導入することに繋がるであろう。本シンポジウムではこのように新たな時代に突入した糖尿病管理に関するトピックスについて、循環器医として基礎的、臨床的視点の両者から議論を深めたい。

4. 慢性心不全看護認定看護師の役割と将来像

9月13日(金) 10:10~11:40 第12会場

座長
吉川 勉  (日本心臓血圧研究振興会 榊原記念病院)
林 亜希子 (北里大学病院 看護部/
北里大学看護キャリア開発・研究センター)
慢性心不全看護認定看護師を中心とした心不全の多職種連携と地域連携の構築
演者
矢崎 善一 (佐久総合病院佐久医療センター 循環器内科)
多職種介入
演者
秋庭 拓生 (公益財団法人日本心臓血圧研究振興会附属榊原記念病院 看護部)
心不全外来における看護師の役割
演者
中野 直美 (慶應義塾大学病院 看護部)
特定行為研修を修了した慢性心不全看護認定看護師としての自施設での取り組み
演者
森 真由子 (川崎医科大学附属病院 循環器・呼吸器センター病棟)
地域連携 住み慣れた地域で慢性心不全患者を支える
演者
富山 美由紀(のぞみハートクリニック)
心不全患者のQOLを高める緩和ケアに向けて
演者
菅野 康夫 (神奈川県警友会 けいゆう病院 循環器内科)
座長のことば
慢性心不全看護認定看護師は一期生の誕生から7年が経過し、現在約400名が全国で活動している。ここ数年の間に心不全医療、患者を取り巻く環境は変化し、認定看護師に期待される役割も拡大・変化しつつある。SHDに対するTAVIやMitra Clipといった低侵襲のカテーテル治療が導入され、特に高齢心不全患者の治療の選択肢が広がった。緩和ケア・ACPも注目され、患者・家族の意思決定支援がますます重要となり、多職種連携は必要不可欠である。また、脳卒中・循環器病対策基本法が成立し、循環器病の予防や、stage A・Bの予備軍への心不全発症予防への介入も重要視されている。さらには、超高齢多死社会を迎えつつあるわが国において、病院中心の医療から地域・在宅への移行が進められている。地域包括ケアシステムの中での地域連携、在宅療養支援の強化が求められ、また厚生労働省が制定した特定行為研修制度の推進により、2020年度からは認定看護師教育に特定行為研修を統合した「新たな認定看護師教育」も開始される予定である。本セッションでは、このような変化の中で「多職種連携」「地域連携」「意思決定支援」「緩和ケア」「心不全予防」「特定行為研修」をキーワードに、慢性心不全看護認定看護師の役割を今一度振り返り、変わりゆく環境の中で認定看護師がどうあるべきか、その将来像を考える機会としたい。

5. 心臓のロボット支援手術

9月13日(金) 16:30~18:00 第2会場

座長
小林 順二郎(国立循環器病研究センター 心臓血管外科)
天野 篤  (順天堂大学医学部附属順天堂医院 心臓血管外科)
日本におけるロボット心臓手術の歩みと将来像
基調講演
北村 惣一郎(国立研究開発法人 国立循環器病研究センター)
ロボット心臓外科手術の現状
演者
石川 紀彦 (ニューハート・ワタナベ国際病院 心臓血管外科)
国立循環器病研究センターにおけるロボット心臓外科手術
演者
藤田 知之 (国立循環器病研究センター 心臓外科)
ロボット心臓血管外科手術におけるチームワーク
演者
中村 喜次 (千葉西総合病院 心臓血管外科)
低侵襲ロボット支援心臓手術
演者
下川 智樹 (榊原記念病院 心臓血管外科/
帝京大学医学部附属病院 心臓血管外科)
座長のことば
現在本邦ではロボット支援手術機器として、ダヴィンチ・システムが広く導入され、保険診療として前立腺癌の手術治療に用いられている。心臓外科手術においては、2018年4月に胸腔鏡下弁膜症手術が、新たに保険償還され、多数例で安全性を期するため、全例のNCD事前登録を行うことと、ロボット心臓手術関連学会協議会」を設置して、学会との協力体制のもとに施設・術者の認定や教育を行うことで、ロボット支援下僧帽弁形成術は施行する施設と症例数が徐々に増加している。この手術は通常のMICSによる僧帽弁形成術と、セットアップに関しては同じところもあるが、手技そのものは、ロボット手術支援機器を用いるという点において、変更する必要があると考えられる。また、手術を成功させるためには、患者へのシステムのドッキングやインストルメント交換、触覚の無い遠隔操作という点において習熟しないと難しいところも多い。ロボット支援下心臓手術は術者とチームの協力が重要で、術者のトレーニングはもちろんのこと、patient side surgeon、看護師や臨床工学技士、麻酔科を含めたチーム作りとトレーニングが重要であると思われる。保険償還後1年以上経過した現時点での、本邦での心臓のロボット支援手術の現状と問題点、そして将来の展望を明らかにしたい。

6. 脂質異常症に対する治療介入の原点と未来を考える

9月13日(金) 14:50~16:20 第5会場

座長
代田 浩之 (順天堂大学大学院医学研究科 循環器内科学)
倉林 正彦 (群馬大学大学院医学系研究科 循環器内科)
遺伝性疾患と遺伝学に学ぶ脂質治療
演者
川尻 剛照 (金沢大学医薬保健研究域医学系 循環器内科学)
包括的脂質異常症治療で予後改善を目指すーわが国から発信する脂質異常症治療のエビデンス
演者
岩田 洋  (順天堂大学大学院 医学研究科 循環器内科学)
心血管イベントの残余リスクに対するHDL 機能改善療法
演者
三浦 伸一郎(福岡大学医学部 心臓・血管内科学)
Beyond LDL-C, Beyond Statin
~ PPARα修飾薬およびエゼチミブを中心に~
演者
塚本 和久 (帝京大学医学部 内科学講座)
Non-LDLcリスクへのアプローチ -EPA製剤の役割-
演者
渡邉 哲  (山形大学医学部 内科学第一講座)
座長のことば
プラバスタチン(メバロチン®)が登場したのが1989年(平成元年)であり、シンバスタチンによる二次予防試験(4S)が発表されたのが1994年(平成6年)、そして、2000年(平成12年)にはアトルバスタチン(リピトール®)が登場し、積極的脂質低下療法時代の幕開けとなった。スタチンの大規模ランダム化比較試験(RCT)のエビデンスはどれも画期的であり、スタチンによるLDL-C低下療法によってLDL-Cは「The lower, the betterである」とのコンセプトが生まれた。日本のMEGA studyが2005年11月、ダラスでのAHAのLate Breakingで発表され、日本人の一次予防でもプラバスタチン群が冠動脈疾患を33%も低下させることが報告され誰もが衝撃を受けた。また、ハーバード大学のRidkerらが行ったCANTOSによってIL-1βによって誘導される炎症が動脈硬化の基本的メカニズムの一つであることが示された。さらに、エゼチムブやPCSK9阻害薬により、「Even lower, even better」が証明された。しかし、一方でこうした強力なLDL-C低下療法にもかかわらず、心血管死を含めて心血管イベントリスクは残存することから、この残余リスクへの対策が急務となっている。IVUSを用いた前向き臨床試験、Genome wide association study(WGAS)やMendelian randomization(MR)studyなどによって高トリグリセライド、高non-HDL-C、高Lp(a)などが、真に動脈硬化の原因であることが証明され、また、高用量のエイコサペント酸エチル(EPA)をスタチンと併用することが高TG血症をもつ患者の心血管リスクを25%(p<0.0001)も低下させることが示された(REDUCE-IT)。
本シンポジウムでは、スタチン登場後30年の節目に当たり、LDL-Cそしてbeyond LDL-Cを、基礎と臨床の両面からDiscussionし、新たな治療標的と治療戦略を探りたい。

7. 冠攣縮研究と診療の原点と未来

9月13日(金) 16:30~18:00 第5会場

座長
富田 泰史 (弘前大学大学院医学研究科 循環器腎臓内科学講座)
海北 幸一 (熊本大学大学院生命科学研究部 循環器内科学)
冠攣縮性狭心症 Overview
演者
奥村 謙  (済生会熊本病院 循環器内科)
冠攣縮とRhoキナーゼ活性
演者
高橋 潤  (東北大学 循環器内科学)
冠攣縮性狭心症と遺伝子
演者
富田 泰史 (弘前大学大学院医学研究科 循環器腎臓内科学講座)
冠攣縮性狭心症ガイドライン -現状と今後の展望-
演者
海北 幸一 (熊本大学大学院生命科学研究部 循環器内科学)
冠攣縮誘発負荷試験を再考するー次世代の若き循環器科医への継承と警鐘
演者
末田 章三 (愛媛県立新居浜病院 循環器内科)
座長のことば
冠攣縮に関する研究と診療は、泰江らをはじめとする本邦の研究者によってその黎明期が始まった。冠攣縮を発症機序とする冠攣縮性狭心症(異型狭心症を含む)の疾患概念が確立され、過換気負荷試験ならびにアセチルコリン負荷試験などの冠攣縮の誘発が、確固たる診断的手法として世界に先駆けて実施された。カルシウム拮抗薬による治療・予防の有効性も数多く報告されている。一方、冠攣縮の機序について、血管平滑筋の過収縮と血管内皮機能不全が主たるメカニズムとされ、着実にその機序解明が進んでいるものの、カルシウム拮抗薬抵抗性の難治性冠攣縮性狭心症や冠攣縮が関与している突然死、冠微小血管攣縮、冠動脈ステント留置後の冠攣縮など、未だ解決されていない臨床的課題も多い。今後も本邦の多くの研究者が冠攣縮の発生機序の解明や治療・予防の改善において世界をリードする研究、診療を推進していくべきであるが、冠動脈インターベンション全盛である昨今において、冠攣縮の存在は軽視されている傾向がある。本会長特別企画では、冠攣縮研究と診療の原点をみつめ、その重要性を再認識するとともに、冠攣縮研究の現状、人種差を紐解く遺伝子研究の展開、冠攣縮性狭心症の診断・治療に関するガイドラインの現状と今後の展望などを包括的に議論したい。とくに若い循環器内科医に向けて虚血性心疾患における冠攣縮の臨床的意義を再認識していただく一助としたい。

8. 日常臨床に活かす心筋ストレイン解析

9月13日(金) 14:50~16:20 第6会場

座長
大倉 宏之 (岐阜大学大学院医学系研究科 循環病態学)
土肥 薫  (三重大学大学院医学系研究科 循環器・腎臓内科学)
臨床研究に活かす心筋ストレイン,
現在の最新のエビデンスと当院での新しい研究の 試み
演者
船橋 伸禎 (千葉大学大学院医学研究院 循環器内科学)
Stage A心不全患者におけるGLSの役割
演者
田中 秀和 (神戸大学大学院 循環器内科学分野)
診断に活かす局所心筋ストレイン解析
演者
楠瀬 賢也 (徳島大学 徳島大学病院 循環器内科)
3次元スペックルトラッキング法による左房リザーバー機能指標は心血管イベント発症予測因子として付加価値を有する
演者
江波戸 美緒(昭和大学藤が丘病院 循環器内科)
左室pressure-strain曲線解析による慢性心不全の予後予測
演者
清水 雅人 (横浜南共済病院 循環器内科)
座長のことば
2000年代初旬にスペックルトラッキング法が登場し、ストレイン計測を用いた心筋機能評価に関する臨床研究は急速に進歩しました。ストレインに関連する研究の発展に伴い、様々な疾患・病態に対する知識も深まり、心臓病学の発展に寄与しました。現在、心エコー図法を用いたストレイン計測が日常診療にも普及するようになり、診断や病態理解のみならず、心血管イベントのリスク管理、予後推定、がん治療におけるスクリーニングやモニタリングなど、幅広い領域で活用されております。本セッションでは、各施設の取り組み、新たな技術の活用法、更には将来展望についても紹介していただき、活発な議論に繋げたいと思います。

9. 心血管病における再生医療

9月13日(金) 16:30~18:00 第8会場

座長
福田 恵一 (慶應義塾大学病院 循環器内科)
家田 真樹 (筑波大学医学医療系 循環器内科)
ダイレクトリプログラミングによる心臓再生
演者
家田 真樹 (筑波大学医学医療系 循環器内科)
多能性幹細胞を用いた心筋再生:霊長類を用いた前臨床試験
演者
柴 祐司  (信州大学 医学部再生医科学教室)
ヒトiPS細胞由来の超高純度心筋組織球を用いた再生医療の現状と今後の展望
演者
遠山 周吾 (慶應義塾大学医学部 循環器内科)
小児心不全に対する再生医療
演者
王 英正  (岡山大学病院 新医療研究開発センター)
虚血性心筋症に対する自己骨格筋筋芽細胞シート移植の長期成績
演者
甲斐沼 尚 (大阪大学大学院 医学系研究科 心臓血管外科)
座長のことば
近年のバイオテクノロジー研究の発展は目を見張るものがあり、こうした先端技術を臨床医学の領域に応用しようという流れは日々加速している。こうした潮流は臨床医学を大きく変革することが期待される。山中伸弥教授が開発したiPS細胞もヒト疾患の病態解明や再生医療に応用されようとしている。既に網膜の脈絡膜細胞は加齢黄斑変性症に、ドパミン作動性神経細胞はパーキンソン病の治療に応用され、現在臨床治験が進んでいる。これに対し、心血管領域では難治性重症心不全に対し、ヒト再生心筋細胞を利用した再生医療が臨床応用直前の段階になっている。現在臨床応用されている領域に比較すると、心臓領域の再生医療は破格に多い細胞を必要とすることや、移植の技術的な問題もあり、その難易度は極めて高いものがある。しかし、この領域にはさまざまな優秀な研究者が揃っており、多くの課題を克服している。また、近年では線維芽細胞複数の遺伝子を導入することにより、直接心筋細胞を分化誘導する方法も開発されており、この領域の発展も期待される。本シンポジウムでは、この領域の代表的なトップランナーの先生方にお集まり頂き、その現状と今後の展望をお話頂く予定である。

10. これからの遠隔医療と遠隔診療

9月13日(金) 14:50~16:20 第11会場

座長
掃本 誠治 (熊本市立植木病院/熊本大学)
青沼 和隆 (筑波大学 循環器内科)
サイバニクスが拓く未来の遠隔医療の形
基調講演
山海 嘉之 (筑波大学、CYBERDYNE株式会社)
日本遠隔医療学会の取り組みについて
基調講演
長谷川 高志 (特定非営利活動法人日本遠隔医療協会)
在宅の重症心不全患者の呼吸状態をモニタリングして悪化を予測する
演者
麻野井 英次(大阪大学国際医工情報センター 慢性心不全総合治療学共同研究講座)
遠隔診療を用いた難病肺高血圧症診療「どこでも専門医:NAPTEC」の試み
演者
田村 雄一 (国際医療福祉大学医学部 循環器内科)
僻地における心臓カテーテル治療の遠隔治療指導について
演者
佐藤 明  (筑波大学 循環器内科)
災害時の超音波エコーによる遠隔診断について
追加発言
掃本 誠治 (熊本市立植木病院)
座長のことば
遠隔医療・診療は、これまで離島や無医村地域などのいわゆる医療過疎地域の診療支援や災害時、救急時における情報共有に焦点があてられてきたが、インターネットやスマートフォンなどのIT機器の発達や、予防医療重要性の認識向上により、広く住民を対象とする医療形態として医療を大きく変化させる可能性がある。
例えば、救急時に地域中核病院の専門医と診療所を結ぶ医師間の遠隔画像診断いわゆるD to D遠隔医療はこれまでも行われてきたが、主治医と患者を結ぶ遠隔診療のほかに一般住民とを結ぶ健康相談などの遠隔医療相談なども含まれる。
更にはIOTを利用し、地域中核病院と遠隔医師不足地域の病院とを高速ネットワークで結び、遠隔地病院における心臓カテーテル治療等を、書き込み可能な画像ソフトと音声を用いて、ハブ病院から遠隔指導するシステムを用いた、遠隔治療サポートの試みも開始されている。
平成30年度診療報酬改定により認められたオンライン診療は遠隔医療を持続させる手段としては重要だが、遠隔医療・診療は、医療、介護、あるいは健康増進の予防等のどのような場面で何が可能で、どのような有益性があるのか、その有益性は患者、医師、医療機関、社会にどのような影響を与えるのか、本セッションでは遠隔医療、遠隔診療の現状と課題を議論することで、今後の医療の方向性を示せれば幸いである。

11. 冠動脈瘤を原点から知る

9月14日(土) 8:00~9:30 第12会場

座長
石原 正治 (兵庫医科大学 循環器・腎透析内科)
三谷 義英 (三重大学大学院医学系研究科小児科学)
冠動脈瘤に関するOverview: definition, epidemiology, etiology, management, prognosis
演者
山口 淳一 (東京女子医科大学)
冠動脈瘤と心筋梗塞 -数値流体力学解析からの考察-
演者
宮崎 要介 (山口大学医学部附属病院)
川崎病冠動脈後遺症に対する冠動脈インターベンション
演者
横井 宏佳 (福岡山王病院 循環器センター)
Congenital
演者
杉山 央  (東京女子医科大学 循環器小児・成人先天性心疾患科)
IgG4関連心血管病変―冠動脈瘤・冠動脈周囲炎の視点から―
演者
坂本 愛子 (東京大学 循環器内科、保健・健康推進本部)
座長のことば
日常の診療の中で、冠動脈造影検査時に「冠動脈瘤」に時に遭遇し、最近では冠動脈CT、MRI検査の機会に発見されることも知られる。しかし、その画像所見、病因は多様であり、予後も不明な点も多く、侵襲的治療の決定など管理上のピットホールとなる。
一般人口において、冠動脈瘤の発生率と病因は、その定義、年齢、人種により異なるが、欧米の成人を主とする冠動脈造影検査、剖検例の報告で、1.4-5.3%の発生率と報告される。主な病因として動脈硬化性50%、先天性30%、炎症性15%(川崎病、高安病、全身性ループスエリテマトーデス等)が挙げられるが、他に遺伝性結合組織病(マルファン症候群、Ehlers-Danlos症候群)、全身性症候群(ヌーナン症候群、ウィリアムズ症候群)、外傷性(胸部外傷、カテーテル治療)などが報告される。また、先天性冠動脈瘻との鑑別も問題となる例がある。
本企画では、冠動脈瘤の原点に立ち返り、その定義と病因・疫学も含んでオーバービューを行い、最も代表的な動脈硬化性、日本で多い川崎病性、時に見られる先天性、比較的稀な炎症性・結合組織病・全身性症候群に伴う例について、その画像所見、臨床像、診療方針、予後などについて議論し、今後の診療の糧としたい。

12. 未来型医療を創る心臓病のビッグデータ

9月14日(土) 14:40~16:10 第12会場

座長
小川 久雄 (国立循環器病研究センター)
山崎 力  (国際医療福祉大学)
急性心筋梗塞のレジストリー事業:
JACSS(Japanese Acute Coronary Syndrome Study)とKACE(Kumamoto Acute Coronary Events)
演者
小島 淳  (川崎医科大学 総合内科学3)
循環器領域でのビッグデータからの知識の生成;JROADからのReal world data解析
演者
安田 聡  (国立循環器病研究センター)
カテーテルアブレーション全例登録プロジェクト(J-ABレジストリ)
演者
山根 禎一 (東京慈恵会医科大学 循環器内科)
診療・生体情報の統合的集積・データベース構築とそれを利用したゲノム・バイオマーカー研究
演者
今井 靖  (自治医科大学循環器内科学部門・臨床薬理学部門)
ビッグデータ/AI医療利活用の現状と未来
演者
湯地 晃一郎(東京大学医科学研究所 国際先端医療社会連携研究部門)
座長のことば
1990年代に一気に広まったEBMに沿って、循環器領域では、比較的大規模の集団データを活用した疫学研究、臨床試験、メタアナリシスによるエビデンスが蓄積され、それが今日の心臓病治療の基盤をなすに至っている。一方で、non-responder、有害事象など、エビデンスという名の集団利益が、必ずしも個々の患者の幸福に繋がらないこともあらためて明確となり、personalized medicineの必要性が強調されることとなった。
近年の医療の進歩は、莫大な診療情報、ゲノム、エピゲノム、プロテオーム等々のオミックス情報に支えられているといっても過言ではない。加えて、循環器領域では、種々の画像情報、ペースメーカー、ICDなどを含むデバイス情報も満ち溢れている。こういったビッグデータの医療への活用が最も期待される疾患が、心臓病ではないだろうか。AIを代表とする情報処理技術の革新的な進歩がそれを後押しすることになるであろう。ビッグデータを取り巻く課題の範囲は、収集、選択、保管、検索、共有、転送、解析、可視化等多岐にわたる。これらの課題を一つひとつ克服することが「未来型医療」の創生に繋がる。
脳卒中や心臓病などへの対策を強化する「循環器病対策基本法」が昨年12月の臨時国会で成立し、今年中に施行される。法律に基づき、国と都道府県が対策推進基本計画を策定し、予防や医療体制の整備、登録など総合的な対策に着手する。このことも心臓病のビッグデータ作成を後押ししてくれるものと期待している。

13. 近未来の開業医像の方向性

9月15日(日) 10:40~12:10 第11会場

座長
大西 勝也 (大西内科ハートクリニック)
横山 広行 (横山内科循環器科医院)
心臓CT/MRIの臨床応用-心臓特化型イメージングクリニックの試み
演者
寺島 正浩 (医療法人社団CVIC 心臓画像クリニック飯田橋)
患者本位の質の高い心不全診療が行える循環器専門クリニックを目指して
演者
三原 裕嗣 (四日市内科ハートクリニック)
在宅医療において医師に求められること
演者
山本 英世 (はなまる在宅クリニック)
心不全患者の多様性に応える―予防から看取りまで―
演者
弓野 大  (医療法人社団ゆみの)
サービス力向上がクリニックにもたらすもの
演者
北井 珠樹 (ハートフルクリニック 北井内科)
座長のことば
従来、クリニック開業医はかかりつけ医として期待されており、現在の実地診療におけるかかりつけ医としての機能は、今後ますます充実していく方向に進むであろう。一方、老齢化社会が進むにつれ、外来機能が病院からクリニックに大きくシフトしていく中、多様なクリニック像が求めれるのも事実である。循環器クリニックも、病診連携ではなく、診診連携として、非循環器クリニックやさらには循環器クリニック同士でも、連携することが近未来のクリニック像ではないかと考える。このような観点から、それぞれ独自の専門性を打ち出すクリニックも増えてきている。透析クリニックとして開業している腎臓内科医のように、循環器疾患を持つ患者の多様なニーズに対応すべく、クリニックも多様であることが望まれる。例えば、心不全患者の看取りを中心としたクリニックは、高齢化社会では、今後ますます活躍が期待される。大きなチームとして活動しているクリニックもあれば、小さな規模で活動しているクリニックもあり、在宅医療は地域地域の特性を生かした個性が望まれる。心臓リハビリに力を入れたクリニックは健康寿命延伸のために重要である。画像解析を中心としたクリニックは、新しい診診連携の形を提供してくれる。このように、既存の循環器クリニックの機能に加え、新しい試みをされているクリニックから、その試みとそのノウハウ、さらには未来の可能性を紹介いただく。

14. ACS診療の時間軸に沿ったチーム医療の役割

9月15日(日) 13:50~15:20 第5会場

座長
木村 一雄 (横浜市立大学総合市民医療センター)
藤田 英雄 (自治医科大学附属さいたま医療センター)
来院後の治療の前に何が求められるか
演者
中山 尚貴 (公立大学法人 横浜市立大学附属市民総合医療センター 高度救命救急センター)
新しい国循の循環器救急に対する取り組み
演者
田原 良雄 (国立研究開発法人 国立循環器病研究センター 心臓血管内科)
急性心筋梗塞に対する経皮的冠動脈インターベンションにおいて救急車内モニター心電図のST変化が来院バルーン時間に与える影響
演者
中橋 卓也 (高岡市民病院 循環器内科)
大分のクラウド心電図伝送システムの現状
演者
油布 邦夫 (大分大学医学部附属病院 循環器内科)
三重 ACS registry からのメッセージ(これまで解ったこと、そして今後の展望)
演者
栗田 泰郎 (三重大学医学部附属病院 循環器内科)
Door to Unloadの概念と期待
演者
田邉 健吾 (三井記念病院)
小倉記念病院におけるD to B短縮に向けたチーム作りおよび環境
演者
白井 伸一 (小倉記念病院 循環器内科)
当センターにおけるACS診療の実際
演者
坂倉 建一 (自治医科大学附属さいたま医療センター 循環器内科)
座長のことば
急性冠症候群(ACS)は時間と共に病態・予後が変化することから、とりわけST上昇型心筋梗塞(STEMI)においては全虚血時間の短縮は治療目的の大きな柱であり “Time Is Myocardium”と表現される。これまでDoor to Balloon Time(DTBT)短縮の重要性は広く認識され、施設内での多職種によるチーム医療が数多く実践されてきた。さらに近年、発症からの時間(Onset to Balloon Time: OTBT)短縮の重要性において心電図を軸とする救急搬送から始まるプレホスピタル領域からの施設内外を越えたチーム医療、さらにはImpella®など新技術の導入で心原性ショック例におけるDoor to Unload Time(DTUT)短縮の重要性など新たな医学的知見も加わり、いまだ発展途上である時間軸医療はその目的・方法論を含めて検討をかさね、経験や実証とともに推進されるべきものとなろう。
そこで、本セッションでは、ACS診療の時間軸に沿ったチーム医療は「何を目的とし」、今後「何が重要」で「何をすべきか」、更に「どのような職種」が「どのような役割」をもってチームビルディングをしていくか、先進的な取り組みを実践されている施設からの発表をいただき、今後のありかたや方向性について議論を深めたい。

全身を診る・心臓をみる

1. HFpEF診療における治療ターゲットを再考する

9月13日(金) 10:10~11:40 第2会場

座長
南野 哲男 (香川大学医学部・医学系研究科 循環器・腎臓・脳卒中内科学)
岸 拓弥  (国際医療福祉大学福岡保健医療学部)
HFpEFの疾患プロセスにおける左室リモデリングとは
演者
長友 祐司 (防衛医科大学校 循環器内科)
HFpEFにおける微細な左室心筋の組織性状変化をみる
演者
大森 拓  (三重大学病院 循環器・腎臓内科学)
HFpEF治療ターゲットにおける睡眠呼吸障害について再考する
演者
義久 精臣 (福島県立医科大学附属病院 循環器内科、心臓病先進治療学講座)
SGLT2阻害薬はHFpEF治療薬になり得るか?
演者
田中 秀和 (神戸大学大学院 循環器内科学分野)
HFpEFにおける代謝性因子の関わり-PURSUIT-HFpEF研究からの知見-
演者
彦惣 俊吾 (大阪大学 循環器内科)
HFpEF患者の性差による臨床的特徴の検討
演者
野間 貴久 (香川大学医学部附属病院 循環器内科)
座長のことば
LVEFの保たれた心不全である「HFpEF」に対する薬物療法として、死亡率や臨床イベント発症率の低下効果が前向き介入研究で明確に示されたものはない。したがって、現段階では、心不全症状を軽減させることを目的とした負荷軽減療法、心不全増悪に結びつく心血管系併存症(心房細動、高血圧、冠動脈疾患、肺高血圧など)と非心血管系併存症(糖尿病、CKD、貧血、COPDなど)に対する治療法を行うことが基本となっており、HFpEFの病像をより細かく解析し、ヘテロな疾患を解きほぐしていく取組みが求められている。それに応えるように、HFpEFを対象とした大規模なデータベース研究、SGLT2阻害剤などの薬剤介入試験、疾病管理プログラム・包括的心臓リハビリテーションによる予後改善効果の検証が進んでいるようである。さらに、HFpEFを診療する際には、HFpEFと定義して思考停止に陥ることなく、どの臓器がなぜ不全になっているかを考え、治療ターゲットが何かを個別の症例で見極めることが不可欠である。そこで本企画では、「HFpEF」、「治療ターゲット」、「再考」を敢えてキーワードとした。HFpEFに分類される心不全患者において、心臓・腎臓・神経体液性因子・内分泌代謝異常や基礎疾患、様々な病態修飾因子について、さらにはその知見に基づく治療ターゲットについて、各領域のエキスパートに現状のレビューと具体的な展望を大いに語っていただき、HFpEFの診療で日々苦悩する現場の医療関係者へのナッジとなるようなセッションにしたい。HFpEFの深層に挑んでいる多くの関係者からの応募を期待する。

2. 膠原病患者の心血管疾患を管理する

9月13日(金) 10:10~11:40 第5会場

座長
前村 浩二 (長崎大学大学院医歯薬学総合研究科 循環器内科学)
中島 亜矢子(三重大学医学部附属病院 リウマチ・膠原病センター)
関節リウマチの心血管疾患UPDATE:
日本人の関節リウマチ患者で心血管疾患に注目する必要があるのだろうか?
演者
原岡 ひとみ(日本大学医学部附属板橋病院 血液膠原病内科学講座)
膠原病患者にみられる肺高血圧症の管理
演者
桑名 正隆 (日本医科大学 アレルギー膠原病内科学)
循環器医からみたCTD-PAHの診断と治療
演者
波多野 将 (東京大学大学院医学系研究科 重症心不全治療開発講座)
抗リン脂質抗体と血栓症
演者
渥美 達也 (北海道大学大学院医学研究院 免疫・代謝内科学教室)
座長のことば
膠原病は、種々の臓器に炎症や障害をきたす『全身性』の自己免疫性疾患である。膠原病では、疾患自体により、また治療薬等の影響により、心筋・弁、大血管・末梢血管・肺循環、さらには不整脈や血栓など循環器系にさまざまな病変をきたし得る。一方、循環器系はその中枢である心臓から末梢に至るまで、酸素と栄養素、炎症・免疫にかかわる細胞や液性因子を運ぶ重要な道であるのみならず、すべての臓器のバランスを制御する司令塔であり、循環器疾患はまさに『全身性』疾患である。近年、膠原病と循環器の双方が関わるさまざまな疾患において、診断・治療は進歩し、そして医療者は専門的知識を持していることが要求されるようになった。診療科スタッフが協力したチーム医療により、より良い治療・安全性の確保が求められている。膠原病医は免疫抑制療法、循環器医は侵襲的治療ができることがそれぞれの強みである。しかし、現時点では、診療科間でのチーム医療体制が形成されている施設は必ずしも多くはなく、両診療科の利点が十分生かされているとは言い難いのが実情であろう。
今回、会長特別企画枠で本シンポジウムが開催される。膠原病と循環器の双方にとって、現在重要かつホットな疾患(群)である『心筋障害』『肺高血圧症』『血栓症と抗リン脂質抗体』を取り上げた。それぞれ第一人者の膠原病医、循環器医の先生方に、各疾患について双方の立場からご講演をいただくこととした。本シンポジウムが、お互いの診療科の立場や利点を理解して連携し、明日からの診療に役立てる機会となると確信している。

3. 心臓病における睡眠時呼吸動態と治療介入

9月13日(金) 8:30~10:00 第6会場

座長
渡辺 昌文 (山形大学医学部附属病院 内科学第一講座)
木原 康樹 (広島大学大学院医歯薬保健学研究科 循環器内科学)
心不全における睡眠時呼吸不安定性の病態生理
演者
麻野井 英次(大阪大学国際医工情報センター 慢性心不全総合治療学共同研究講座)
チェーン・ストークス呼吸のパターンの違いと陽圧呼吸療法の有効性
演者
葛西 隆敏 (順天堂大学大学院医学研究科 循環器内科・心血管睡眠呼吸医学講座)
HFrEF症例におけるASV no responder症例を事前予測する因子の検討
演者
高間 典明 (群馬大学 循環器内科)
心不全に合併する睡眠呼吸障害管理
演者
義久 精臣 (福島県立医科大学附属病院 循環器内科 心臓病先進治療学)
座長のことば
薬剤耐性(AMR)が世界的な問題となっていることを受け、院内感染対策や抗菌薬適正使用の推進が求められている。循環器領域の難治性感染症として、感染性心内膜炎、人工弁感染、グラフト感染などが挙げられるが、デバイス治療の進歩・普及に伴い、今後、デバイス感染や集中治療領域での感染症も大きな課題になってくると思われる。ICU/CCU/NICUにおける感染対策の取り組み、口腔ケアの取り組み、各種デバイス感染対策、心臓手術部位感染対策、循環器領域における抗菌薬適正使用、CHDF施行時の抗菌薬の投与設計など、循環器領域の感染関連の課題も多い。本シンポジウムでは、「心臓病における感染制御チームの役割」をテーマに、循環器領域の感染対策を発展させていくための機会にできればと考えている。循環器診療に関わる医師に加え、感染制御チーム(ICT)/抗菌薬適正使用支援チーム(AST)活動を行っている医師・看護師・薬剤師・臨床検査技師等からの視点も踏まえ、幅広く議論したい。

4. 周産期と心臓病:周産期心筋症

9月13日(金) 10:10~11:40 第10会場

座長
池田 智明 (三重大学大学院医学系研究科 産科婦人科学教室)
白石 公  (国立循環器病研究センター 教育推進部)
周産期心筋症の臨床
演者
神谷 千津子(国立循環器病研究センター 産婦人科)
周産期心筋症に対する心臓MRIの応用の可能性
演者
二井 理文 (三重大学 産婦人科)
循環器内科の‘産科診療’へのかかわり方 ~周産期心筋症ハイリスク症例における産科 との連携
演者
小板橋 俊美(北里大学医学部 循環器内科学)
モデル動物を用いた周産期心筋症発症機序の解明
演者
大谷 健太郎(国立循環器病研究センター研究所 再生医療部)
座長のことば
周産期心筋症は、心疾患既往のない女性が、妊娠から産後に心機能低下に伴い心不全を発症する、未だ原因不明の心筋症である。わが国の全国調査における推定発症率は、1/15,553分娩と決して多くはないが、約1割の患者が最重症化(死亡もしくは心移植待機)しており、主な母体死亡原因の一つである。しかしながら、半数以上の患者は、比較的短期間に心機能が正常範囲まで回復しており、類似の病態である拡張型心筋症とは異なる点でもある。
周産期心筋症は、他に心機能低下を惹起する原因を認めないときに診断される「除外診断病名」である。そのため、「heterogeneousな疾患群」であり、心機能予後の差異は、疾患背景が異なるためとも考えられる。日本の全国調査では、妊娠高血圧症候群を背景とした患者では、心機能正常化率が高い一方、国際的遺伝子解析研究では、患者の15%に拡張型心筋症関連遺伝子変異を認め、変異陽性患者の慢性期心機能は、変異陰性患者に比較して有意にことが判明している。
近年、基礎実験を基に、血管障害物質など病因についての報告が相次いでいる。これら、最新の基礎研究や臨床研究に関する知見、疫学、鑑別診断と治療法、そしてわが国初の診療ガイドラインの概要説明など、周産期心筋症を深く掘り下げる内容にしたい。

5. 最新の感染性心内膜炎診療

9月13日(金) 14:50~16:20 第3会場

座長
江石 清行 (長崎大学 心臓血管外科)
泉 知里  (国立循環器病研究センター 心臓血管内科)
感染性心内膜炎ガイドラインオーバービュー
演者
中谷 敏  (大阪大学大学院医学系研究科 保健学専攻)
感染性心内膜炎診断における18F-FDG PET/CTとガリウムシンチグラフィ~18F-FDG PET/CTは優れているのか?~
演者
天野 雅史 (国立循環器病研究センター 心臓血管内科)
感染症医の立場から見た感染性心内膜炎
演者
光武 耕太郎(埼玉医科大学国際医療センター 感染症科・感染制御科)
活動性感染性心内膜炎の手術時期
演者
大北 裕  (高槻病院 心臓・大血管センター)
歯科領域における感染性心内膜炎予防に対するアプローチ
演者
仲野 和彦 (大阪大学大学院歯学研究科 口腔分子感染制御学講座)
感染性心内膜炎と間違えやすい全身疾患
演者
三宅 誠  (天理よろづ相談所病院 循環器内科)
座長のことば
感染性心内膜炎は、菌血症、血管塞栓、心障害など多彩な臨床症状を呈する全身性敗血症性疾患である。
まさに「全身を診て」、診断・治療を進めていくことが要求される心臓疾患である。最近、多職種からなるハートチームで診療を行うことの必要性が強く勧められているが、感染性心内膜炎こそ、ハートチームによる多面的なマネージメントが必要となる。
画像診断の進歩は目覚ましいが、人工弁症例などいまだに診断に難渋する症例があり、また抗菌薬投与下の症例や特殊な原因菌による、血液培養陰性例での細菌学的診断など、診断面でも、多くのトピックスが存在する。心外合併症に対する手術時期や適応の決定、心臓以外の処置を優先すべきかなどについても、議論の残るところである。
さらに予防に関しては、日本のガイドラインでは欧米のガイドラインとは異なる立場を示している。歯科医との連携の重要性にも触れており、そのような側面からも、感染性心内膜炎を考える必要がある。
このセッションでは、患者の予後改善のための、早期診断・早期治療、さらに発症予防の観点から、感染性心内膜炎について再度見直し、広い分野にわたって議論をしたい。

6. 透析患者のトータルマネージメント

9月14日(土) 8:00~9:30 第8会場

座長
大屋 祐輔 (琉球大学医学部 循環器系総合内科学)
田村 功一 (横浜市立大学医学部 循環器・腎臓・高血圧内科学)
腎臓病の克服を目指して―腎疾患対策検討会報告書と日本腎臓病協会への期待―
演者
柏原 直樹 (川崎医科大学 腎臓・高血圧内科学)
維持血液透析患者における受診間血圧変動性と予後との関連について
演者
森本 聡  (東京女子医科大学 高血圧・内分泌内科)
透析の有無における急性冠症候群患者の予後の比較検討
演者
髙﨑 亮宏 (三重大学医学部附属病院)
透析患者における体液シフト ~心不全患者での考察~
演者
小西 正紹 (横浜市立大学附属市民総合医療センター 心臓血管センター)
急性心不全の発症病態から初期治療を考える
演者
相澤 直輝 (医療法人おもと会 大浜第一病院 内科)
座長のことば
世界的に増加しつつある慢性腎臓病(CKD)、そして透析・移植が必要なまで進行し、不可逆的とされる末期腎不全は、それ自体、および病態連関機序により引き起こされる高血圧、脳心血管病と相まって、社会が求める健康寿命の延伸にとっての大きな障害となっている。また、日本透析医学会の調査では、2017年末の状況では、慢性透析患者の死亡原因は、多い順から心不全、感染症、悪性腫瘍、脳血管障害であり、心不全が24%で最多である。そのような状況下、2018年7月には厚労省と日本腎臓学会など関連団体からは、今後、少なくとも10年間の日本の腎疾患対策の基本となる「腎疾患対策検討会報告書~腎疾患対策の更なる推進を目指して~」が発出され、「CKDを早期に発見・診断し、良質で適切な治療を早期 から実施・継続することにより、CKD重症化予防を徹底するとともに、透析患者及び腎移植患者を含むCKD患者のQOLの維持向上を図る」ことが全体目標とされた。特に透析患者では心血管合併症のリスクが著しく増加し、例えば、日本透析医学会からは「血液透析患者における心血管合併症の評価と治療に関するガイドライン」などが発表されている。一方、保存期CKDでは動脈硬化と密接に関連している血圧、糖脂質代謝、尿酸代謝などの危険因子の管理・治療の意義についての透析患者におけるエビデンスは必ずしも十分ではなく、またカルシウム・リン代謝や腎性貧血の管理・治療の意義についても十分に明らかにされていない。このような現況のもと、本セッションでは、腎疾患対策検討会報告書の概要の紹介、透析患者の心血管病予防管理に関連する最近の話題の提供をしていただく予定である。

7. 高齢心不全患者のトータルマネージメント

9月14日(土) 14:40~16:10 第2会場

座長
南野 徹  (新潟大学大学院医歯学総合研究科 循環器内科)
大石 充  (鹿児島大学 心臓血管・高血圧内科学)
このおじいさん,おばあさんをどうしよう? ~そもそも心不全なの?~
演者
柏村 健  (新潟大学大学院 先進心肺血管治療学講座、新潟大学医歯学総合病院 循環器内科)
高齢左室収縮能保持性心不全(HFpEF)患者における左房機能の重要性
演者
山本 英一郎(熊本大学医学部附属病院 循環器内科)
栄養と介護の観点からみた高齢者心不全管理:CHART-2研究からの知見
演者
坂田 泰彦 (東北大学循環器内科学)
高齢心不全における筋消耗規定因子の解明:サルコペニアを標的とした心不全治療の開発に向けて
演者
矢野 俊之 (札幌医科大学医学部 循環器・腎臓・代謝内分泌内科学)
高齢者の心不全管理における心臓リハビリテーションの意義
演者
平敷 安希博(国立長寿医療研究センター 循環器内科部)
高齢心不全患者にチームで挑む ~多職種介入の重要性~
演者
窪薗 琢郎 (鹿児島大学大学院医歯学総合研究科心臓血管・高血圧内科学)
座長のことば
人生100年時代を迎えるとともに、心不全パンデミックの時代が訪れようとしている。特に高齢化が進むことによって、収縮障害を伴わない非代償性心不全(HFpEF)の発症率が増加しており、社会問題化している。HFpEFの病態生理機構は未だ不明であるが、高齢者心不全患者においては、高血圧などによる血管障害、糖尿病・メタボリック症候群をはじめとした代謝障害、心房細動に代表される不整脈など、様々な全身性疾患が合併していることから、これらの疾患が基本病態となっていると考えられている。実際、最近のNature誌に、高カロリー食とNO合成阻害薬を組み合わせたプロトコールによる新たなHFpEFマウスモデルが発表されたことから、HFpEFの病態生理には全身性の疾患(特に小胞体ストレス異常)が関与していることが明らかとなった。さらには高齢者特有のフレイル・サルコペニアといった全身的な問題も心不全治療に大きく関係する。このような問題点もあり、現時点において高齢者のHFpEF患者に対する薬物治療は利尿薬に限られており、抜本的な治療方策がたてられていない状況である。そこで本シンポジウムでは、高齢者心不全の早期診断やその予防、治療や再発抑制の方策を含めた幅広い観点からその議論をすることで、「理想的な高齢心不全患者のトータルマネージメントとは何か?」について明らかにしたい。

8. 劇症型心筋炎に立ち向かう

9月14日(土) 15:50~17:20 第8会場

座長
絹川 弘一郎(富山大学大学院医学薬学研究部 内科学第二講座)
今中 恭子 (三重大学大学院医学系研究科 基礎医学講座 修復再生病理学分野)
画像で診る!劇症型心筋炎
演者
森脇 啓至 (三重大学医学部附属病院 循環器内科)
ここが分かれ目!劇症型心筋炎の予後
演者
奥村 貴裕 (名古屋大学医学部附属病院 重症心不全治療センター)
ECMOを用いた劇症型心筋炎の治療戦略
演者
肥後 太基 (九州大学大学院医学研究院循環器内科学)
IMPELLAを用いた劇症型心筋炎に対する治療介入
演者
中本 敬  (大阪大学大学院医学系研究科 循環器内科学)
補助循環デバイスをいつ始めて,いつ止めるか
演者
今村 輝彦 (シカゴ大学 循環器内科)
座長のことば
劇症型心筋炎は結果論の診断名であり、初期診断で劇症化するかどうか判断することは困難である。このセッションでは急性心筋炎の初期診断について危険な兆候をいかに見逃さないか、画像診断で有用なものは何か、などを議論したい。また診断に欠かせない心筋生検とその解釈、鑑別すべき他の病態について病理の専門的見地からディスカッションいただく。さらに劇症化した場合に必須なVA-ECMOのシステム構成とタイミング、ECMO離脱可能な指標、併用する薬物治療の可否についても論じたい。その一方で、VA-ECMOをいたずらに長引かせることは臓器障害を不可逆的に悪化させてしまうので、さらに強力な補助循環可能な施設に搬送する時期についても検討を要する。そして、高度専門施設においてVA-ECMOのシステムをどう変更するのが良いか、IMPELLAの出番はあるのか、左室ベントをいかに活用するか、VV-ECMOの併用はどうするか、など論じることは尽きない。その中で少数ながら長期化して体外設置型へ移行することもあり、その中で離脱可能な症例はあるし、一方で植込型LVADへのブリッジ移植待機まで見据えることも必要である。上記のような流れを想定して、多数の公募をお待ちしております。

9. 心・腎・貧血連関の解明はどこまで進んだか?

9月15日(日) 9:40~11:10 第2会場

座長
増山 理  (独立行政法人 地域医療機能推進機構 星ヶ丘医療センター)
三浦 哲嗣 (札幌医科大学医学部 循環器・腎臓・代謝内分泌内科学)
心・腎・貧血連関と鉄代謝
演者
内藤 由朗 (兵庫医科大学 内科学循環器内科・冠疾患科)
虚血の有無における心不全のBNPと貧血の関係
演者
富永 光敏 (富士市立中央病院 循環器科)
心不全と心腎連関における髄質集合管バソプレシンV2受容体の役割
~ BOREASADHFレジストリ解析結果より~
演者
丹野 雅也 (札幌医科大学附属病院 循環器・腎臓・代謝内分泌内科)
General populationにおける早期腎障害と左房形態ならびに機能との関連;三次元心エコーによる検討
演者
中西 弘毅 (東京大学医学部附属病院 循環器内科)
臨床医から見た心腎連関―CKD患者の心血管イベント予防のために何が必要?―
演者
石井 秀樹 (名古屋大学 循環器内科)
座長のことば
イスラエルのSilverbergらは、心・腎・貧血連関(Cardio-renal anemia syndrome)という概念を2002年に提唱した。心不全、腎不全、貧血が互いに悪影響を及ぼしながら負のスパイラルを描いて患者の予後を悪化させていく、という概念である。この概念が提唱され、心不全の病態における貧血の重要性が広く認識されるようになり、そのメカニズムや治療介入について新たな知見が見出されてきた。心臓と腎臓は血圧や体液調節において密接な関係があり、一方が障害されると他方も障害されることが多いが、貧血はその両方に影響を与える。この貧血の成因には、エリスロポエチン産生障害、慢性炎症のほか複数の機序の関与が示唆されている。貧血は心不全患者の予後規定因子であるが、なぜそうなのか、治療介入すべきなのか。心・腎・貧血連関が提唱されて十数年経過するが、心・腎・貧血連関の解明はどこまで進んだのか。本セッションでは、心・腎・貧血連関について最新の知見の共有と革新を目標にディスカッションを行いたい。

10. わが国におけるCardio-Oncologyの広がり

9月15日(日) 8:00~9:30 第3会場

座長
大手 信之 (名古屋市立大学大学院医学研究科 心臓・腎高血圧内科学)
中谷 敏  (大阪大学大学院医学系研究科 保健学専攻)
数字で読み解く心血管病を合併したがん患者のNew Epidemic
演者
大倉 裕二 (新潟県立がんセンター新潟病院 腫瘍循環器科)
がん治療関連心機能障害における当院の現状と多職種連携チームの取り組み
演者
河野 美穂子(国立病院機構 九州がんセンター)
CardioOncologyの現状と未来 - 当院データと本邦における多施設共同研究への発展 -
演者
杉村 宏一郎(東北大学 循環器内科学)
CTRCDの予防,早期発見におけるGLSの可能性
演者
田中 秀和 (神戸大学大学院 循環器内科学分野)
薬剤性心筋症早期診断を目指した非侵襲的心筋組織性状評価法
演者
中森 史朗 (三重大学大学院 循環器腎臓内科)
がん関連静脈血栓塞栓症の診療実態と臨床転帰について:COMMAND VTEレジストリーから
演者
坂本 二郎 (天理よろづ相談所病院 循環器内科)
座長のことば
分子標的薬をはじめとした新規がん治療薬の開発によってがんの治療成績が向上し、高齢者人口の増加とあいまっていわゆるがんサバイバーが増えている。以前より、アントラサイクリン系薬剤の心毒性や放射線治療後の動脈硬化や拡張障害などが知られていたが、それに加え治療薬の心血管毒性に基づくがん治療関連心機能障害(cancer therapeutics-related cardiac dysfunction、CTRCD)が問題となってきた。この問題にアプローチするのがCardio-Oncologyと呼ばれる学際領域であり、ここでは腫瘍専門医と循環器内科医のみならず、看護師、薬剤師との連携が必須である。さらにCTRCDを早期に検出する手法として心エコー図検査が注目されており、検査部門との協力も欠かせない。米国に遅れること約10年、わが国では2011年に初めてがんセンター内にCardio-Oncology部門が設立され、また2017年には腫瘍循環器学会が設立されるなどしてこの分野の診療、研究の必要性が徐々に認識されてきている。しかし知識不足、マンパワー不足のために、いまだ十分な体制が整備されているとはいいがたい。本セッションでは多職種連携が必要とされるCardio-Oncologyにおいて、CTRCDについての啓発活動、実態調査、発症予測についての研究、早期発見のための手法の開発とその効果など基礎的、臨床的な取り組みを紹介いただき、この分野の発展に資するものとしたい。

11. 心臓病における感染制御チームの役割

9月15日(日) 8:00~9:30 第4会場

座長
高瀬 凡平 (防衛医科大学校病院 集中治療部)
田辺 正樹 (三重大学医学部附属病院 感染制御部)
循環器領域における微生物検査
演者
中村 明子 (愛知医科大学病院 感染制御部 感染検査室)
補助循環装置使用下における抗菌薬適正使用
演者
山崎 大輔 (三重大学医学部附属病院 感染制御部/薬剤部)
循環器領域における感染対策の基本
演者
新居 晶恵 (三重大学医学部附属病院 感染制御部)
集中治療室の感染制御における看護師の役割
演者
野島 亜紀 (防衛医科大学校病院 集中治療室)
歯科医師の視点から見た循環器領域における感染制御
演者
村上 馨  (防衛医科大学校病院 歯科口腔外科)
座長のことば
近年心臓病と呼吸障害との関係が注目され、様々な視点からその解析が行われている。その結果、睡眠時無呼吸症候群と夜間高血圧、発作性心房細動、急性冠症候群、突然死、慢性心不全などについて一定の理解が得られてきている。とりわけ、慢性心不全のような肺うっ血、心拍出量減少、循環時間延長、あるいは交感神経興奮などの病態因子が複雑に関連する生体内環境では、呼吸の不安定性が容易に誘導されることが示され、呼吸障害が心不全患者から快適な睡眠を奪うばかりか増悪や再入院の契機となっていることが解明されてきた。それら対象者に対するASVを中心とする機械的呼吸補助介入の有効性が本邦の研究者から多く報告されている一方で、患者生命予後をむしろ短縮するとの国際的研究結果も示され、どの患者にどのように機械的補助を導入するべきなのかについては明確な結論が得られていない。本企画においては、慢性心不全における呼吸障害の病態生理を概括しながら現在の知見を整理し、今後求められる視点の方向性を共有したい。

12. 進化する心アミロイドーシスへのアプローチ

9月15日(日) 10:40~12:10 第4会場

座長
近森 大志郎(東京医科大学 循環器内科学分野)
矢野 雅文 (山口大学大学院医学系研究科 器官病態内科学)
心アミロイドーシスの最新の診断方法及び治療
基調講演
小山 潤  (丸子中央病院 内科)
進化する心アミロイドーシスへのアプローチ
基調講演
泉 知里  (国立循環器病研究センター 心臓血管内科)
心アミロイドーシスの早期診断のために知っておく3つのポイント
演者
高潮 征爾 (熊本大学医学部付属病院 循環器内科)
アルツハイマー病患者における心機能障害
演者
藤原 理佐子(地方独立行政法人 秋田県立病院機構 秋田県立循環器・脳脊髄センター 脳心血管病診療部)
中高年におけるドミノ肝移植の心機能に与える影響
演者
宇宿 弘輝 (熊本大学医学部附属病院 中央検査部)
座長のことば
心アミロイドーシスはかつては拘束型心筋疾患の代表例であったが、比較的稀で、診断しても治療法がなく予後も不良であった。ところが、多発性骨髄腫の化学療法の発展、特にボルテゾミブの臨床応用によりAL型心アミロイドーシスの予後の改善が報告されるようになった。一方、高齢者に多いトランスサイレチン(TTR)型心アミロイドーシスにつては骨シンチグラフィによる非侵襲的な診断精度の向上が報告されると、収縮能の保持された心不全(HFpEF)には10~20%の頻度でTTR型心アミロイドーシスが存在することが報告されるようになった。このため、日常臨床ではHFpEFとして取り扱われることが多い肥大心の鑑別においても、Fabry病とともにTTR型心アミロイドーシスの鑑別診断が注目されている。さらに、昨年報告されたATTR-ACT試験においてtafamidisの有効性が実証された。このため、治療を念頭に置いた心アミロイドーシスの早期診断が強調されるに至っている。
以上より、本シンポジウムでは心アミロイドーシスのアプローチに焦点を当て、本疾患を疑う臨床像と診断法(プロセス)のアップデートを行う。さらに、一般的治療および原因療法を含めた治療法の進展を発表し、心アミロイドーシスのマネジメントがどのように進化しつつあるのかについて討議を深める。

シンポジウム 【徹底討論】

1. 長期持続性心房細動に対する治療戦略

9月13日(金) 14:50~16:20 第7会場

座長
山下 武志 (心臓血管研究所)
庭野 慎一 (北里大学医学 循環器内科)
直接抗凝固薬時代の心房細動治療の臨床的実情
演者
堺 浩之  (さかい医院)
洞調律を期待できる症例を判別できるか
演者
深谷 英平 (北里大学医学部 循環器内科学)
洞調律化を目的とする治療の臨床成績
演者
山下 省吾 (東京慈恵会医科大学附属病院)
洞調律化を求めない症例における薬物治療戦略
演者
篠原 徹二 (大分大学医学部 循環器内科・臨床検査診断学講座)
安定して通院する超高齢心房細動患者は本当に安定しているのか?
~緩やかなる3つのリスク~
演者
鈴木 信也 (心臓血管研究所付属病院 循環器内科)
座長のことば
心房細動に対する非薬物治療は、近年医用工学の発展とともに目覚ましい進歩を遂げた。その治療成績、および安全性は確保され、本邦では毎年数万人規模でカテーテルアブレーションが行われる現況になっている。発作性心房細動で確立されたアブレーションの方法は、やがて持続の比較的短い持続性心房細動でもほぼ同等の有効性が示されるに至っているが、現在の限界はその先にある。長期持続性心房細動になると、患者背景の多様性もあいまってその治療成功率は大きく低下してしまう。この病態に対して、さまざまなアブレーション法が試行錯誤的に行われてきたが、いまだ決定打を欠くというのが実情である。この残された課題は、いますべての不整脈医にとってオープンかつチャレンジングな、古くて新しいテーマである。本シンポジウムでは、現況のオーバービューから、新しい着想に基づいた将来構想まで広く発表を公募したい。

2. 末期腎不全患者の心臓病に挑む

9月14日(土) 15:50~17:20 第4会場

座長
赤阪 隆史 (和歌山県立医科大学 循環器内科)
長谷 弘記 (医療法人財団青葉会青葉病院)
血液透析患者の不整脈管理と突然死
演者
長谷 弘記 (医療法人財団青葉会青葉病院)
維持透析患者の心・弁膜病変:
三重県での多施設前向き登録研究からわかったこと
演者
土肥 薫  (三重大学大学院医学系研究科 循環器・腎臓内科学)
透析患者の冠動脈形成術後の血栓性および出血性イベントの発生予測におけるPARIS scoreならびにCREDO-Kyoto scoreの有用性の検証
演者
田中 一樹 (東京女子医科大学病院)
末期腎不全患者の冠動脈治療戦略
演者
栗田 泰郎 (三重大学大学院医学系研究科 循環器内科)
座長のことば
透析患者に高率に認められる冠動脈疾患が保存期CKDの段階で既にほぼ完成していることが報告されて20年を経過した。しかし、透析患者では保存期CKDや非CKDと比較して様々な点で大きく異なっていることも明確になってきたが、透析患者の特性に関しての認識が未だ不十分であるのが現状である。例えば、血液透析患者では致死性不整脈や心房細動の発症頻度が高率であるにも係わらず、ICD植込が予後改善効果を認めないこと、患者の高齢化に伴って大動脈弁狭窄症を筆頭とした弁膜疾患が急増しているにも係わらず、十分な治療がなされていないこと、冠動脈形成術後に自然発症型CESや出血性合併症が高頻度に発症すること、ステントの改善によって再狭窄は減少したものの非CKDの水準まで達していないのが現状である。
そこで、本シンポジウムでは透析患者の特性に焦点を絞って、より適切な治療方法や冠動脈形成術後の血栓症・出血性合併症を如何にして予測することが可能なのかなどの点に関して徹底的な討論を期待している。

3. レジェンドとU-40が語る心不全診療の将来像

9月14日(土) 15:10~16:40 第6会場

座長
和泉 徹  (恒仁会新潟南病院 循環器内科学)
谷口 達典 (大阪大学大学院医学系研究科 循環器内科学/バイオデザイン学共同研究講座)
U-40心不全ネットワーク立ち上げから5年を振り返って考えること
演者
大石 醒悟 (兵庫県立姫路循環器病センター 循環器内科)
U-40心不全ネットワークという枠組みで行う臨床研究
演者
末永 祐哉 (順天堂大学付属順天堂医院 循環器内科、
順天堂大学大学院医学部研究科 心血管睡眠呼吸医学講座)
U40世代が考える心不全合併心房細動に対するカテーテルアブレーションの可能性と 展望
演者
佐藤 宏行 (手稲渓仁会病院 循環器内科)
心臓核医学検査を用いた心不全診療の将来像
演者
千村 美里 (大阪大学大学院医学系研究科 循環器内科学)
心不全緩和ケアの普及を本気で考える
演者
柴田 龍宏 (久留米大学病院 心臓・血管内科)
座長のことば
心不全はあらゆる心疾患の終末像であり、高齢化に伴いその患者数は著しく増大している。そして、その心不全診療もこの数十年の間にそれ自体の概念が変遷するだけでなく、様々な新規治療デバイス、画像診断法、緩和医療など様々な医療が生まれてきた。
U40心不全ネットワークは、2013年に設立された、「心不全」に興味を持つ日本の40歳以下の医師達が集うグループである。「臨床」、「教育」、「研究」を3つの柱に据え、現場の最前線で医療に携わる若手医師達が中心となって、日々研鑽を積んでいる。「臨床」、「教育」に関しては、年に一度のフェローコースを実施し、分野ごとのエキスパートによるレクチャー、活発な症例検討を行いながら、各施設の治療方針などについて議論を行っている。また「研究」に関しては、当ネットワーク発の多施設前向き心不全レジストリであるREALITY-AHF研究を実施し、全国の施設の若手を中心に、海外の医学雑誌をはじめとしてすでに数著の論文が輩出されている。本セッションでは、U40心不全ネットワークにおけるこれまでの取り組みや、各分野における新進気鋭の若手医師の臨床・研究を共有し、これまで日本の循環器医療に長らく関わってきた循環器医療界のレジェンドとディスカッションすることで、今後の日本におけるU40心不全ネットワークの可能性について模索したい。

4. 三尖弁閉鎖不全症の病態と治療

9月14日(土) 15:50~17:20 第7会場

座長
新保 秀人 (三重県立総合医療センター 心臓血管外科)
瀬尾 由広 (名古屋市立大学大学院医学研究科 心臓・腎高血圧内科学)
三尖弁閉鎖不全症の病態と治療
演者
泉 知里  (国立循環器病研究センター 心臓血管内科)
一次性三尖弁逆流の病態
演者
石津 智子 (筑波大学 臨床検査医学)
経カテーテル三尖弁治療の適応と初期成績
演者
大野 洋平 (東海大学医学部内科学系循環器内科学)
僧帽弁逆流に対する弁形成術時のおける機能性三尖弁逆流に対する外科的介入と右室 機能の改善
演者
岡田 行功 (倫生会みどり病院 心臓弁膜症センター)
三尖弁閉鎖不全症に対する新たな治療戦略とUp Grade形成術
演者
江石 清行 (長崎大学病院 心臓血管外科)
座長のことば
三尖弁閉鎖不全は頻繁に遭遇する弁膜症であり、左心系疾患に併発することが多い。特に僧帽弁疾患や左室機能不全による二次的な肺高血圧に生じた右心不全によって発症し、心房細動の合併が閉鎖不全増悪を助長することが知られている。このため、内科的な治療でコントロールを試みることが多く、左心系の重症弁膜疾患に併発しない限り、積極的に手術介入が行われることは少ない。そして右心不全は左心不全に比較して症状が乏しいため、その間に他臓器不全が進行して手術機会を失うこともある。近年、右心不全の予後への影響が注目されるようになり、三尖弁閉鎖不全への関心も非常に高まっている。しかし、未だ侵襲的介入については躊躇されるケースも少なくないことから、本セッションでは、三尖弁閉鎖不全の病態について、その臨床的な重要性についてレビューを行ったうえで、治療方針の決定から治療方法について取りあげる。特に三尖弁閉鎖不全の単独治療介入について、一般成人例ならびに成人先天性疾患においても焦点を当てる。また、僧帽弁閉鎖不全で応用が開始されたカテーテル治療が、将来三尖弁閉鎖不全の治療法としても期待されおり、手術介入との適応の違いや海外での成績を紹介する。このように、注目すべき三尖弁閉鎖不全に関する話題を取り上げる本セッションを通して、病態把握や治療方針決定の一助となる情報共有ができることを期待したい。

5. 重症急性心筋梗塞に挑む

9月15日(日) 10:40~12:10 第5会場

座長
上妻 謙  (帝京大学医学部 循環器内科)
宮崎 俊一 (大阪府済生会富田林病院)
重症心筋梗塞の治療よりも重症心筋梗塞を発症させないための戦略が重要
演者
上田 恭敬 (国立病院機構大阪医療センター 循環器内科)
急性心筋梗塞による心停止患者の治療
演者
篠内 和也 (国立病院機構大阪医療センター 循環器内科)
急性心筋梗塞症の治療の現状と今後の課題~当院での症例から考える~
演者
上野 雅史 (近畿大学 医学部 循環器内科)
急性心筋梗塞に伴う心原性ショックに対する循環補助:VA-ECMOの限界とImpellaの初期成績
演者
安田 聡  (国立循環器病研究センター 心臓血管内科)
急性心筋梗塞に伴う左室流出路狭窄ー心室中隔穿孔,乳頭筋不全ともう一つの収縮期 雑音を生じる急性心筋梗塞の機械的合併症ー
演者
尾崎 和幸 (新潟大学大学院医歯学総合研究科 循環器内科学分野)
Impellaを用いた重症心筋梗塞治療
演者
中田 淳  (日本医科大学付属病院 心臓血管集中治療室)
座長のことば
従来、集中治療の領域においては急性心筋梗塞を筆頭に様々な循環器系疾患に対して循環器内科医が対処していた。一方、近年になり救急専門医の登場によって循環器内科医が活躍する場が減少しているように思われる。恐らく、急性心筋梗塞に対してPCIによる再灌流療法が普及した結果、短期間で退院する症例が増加したことが主な理由ではないかと思われる。このために循環器専門医といえどもIABPの経験がなかったり、心不全に対してSwan-Ganzカテーテルを用いて治療したことがないといったことを見聞きするようになった。確かにPCIによる予後改善は明かであるものの、右室梗塞や機械的合併症例などの治療に難渋する症例も存在する。そこで本セッションでは自施設の経験を踏まえて治療困難な重症例に対して、どのように対応すべきかを発表して頂く。実際には循環管理だけでなく呼吸や脳循環、感染症などへの対応も必要となるが、一般救急医と循環器内科医が集中治療の現場でどのように業務を実施していくのかも経験を含めて発表して頂きたい。さらに循環器救急および重症例への対応について若い循環器内科医が十分なスキルを得るためには、どのような工夫が必要かも併せて議論したい。

6. 僧帽弁閉鎖不全治療の最前線

9月15日(日) 10:40~12:10 第9会場

座長
江石 清行 (長崎大学病院 心臓血管外科)
中谷 敏  (大阪大学大学院医学系研究科 保健学専攻)
僧帽弁閉鎖不全の病態を描出,定量し,治療の効果を評価する
演者
尾長谷 喜久子(長崎大学 心臓血管外科)
手術支援ロボットを使用した僧帽弁手術
演者
中村 喜次 (千葉西総合病院 心臓血管外科)
僧帽弁形成術後における心房性僧帽弁逆流の再発は,左室後壁の内方へのbendingと僧帽弁後尖のtetheringに関連する
演者
高野 真澄 (福島県立医科大学 集中治療部)
機能性僧帽弁閉鎖不全症(FMR)に対し,とことん心室治療を図った"Dual Repair"の試み
演者
米田 正始 (医誠会病院 心臓血管外科)
MitraClipの現状と課題および新しいTMVRへの期待
演者
大野 洋平 (東海大学医学部内科学系循環器内科学)
座長のことば
僧帽弁閉鎖不全症は一次性、二次性に分けられる。近年、その病態理解が進歩し二次性閉鎖不全症ではventricular tetheringのみならずatrial tetheringといった概念も出てきた。さらには不整脈を起こしやすい僧帽弁逸脱症の一群があること、およびその特徴も知られるようになってきている。治療法の進歩も著しい。従来は二次性閉鎖不全症の一部に行われる薬物治療やCRTなどを除いては、僧帽弁形成術や僧帽弁置換術といった外科的治療が主体であったが、低侵襲性を求める現在ではハイリスク症例を対象にカテーテルを用いて前後弁尖をクリップで留め逆流をコントロールする治療法が広く行われるようになってきている。また外科的治療においても小切開手術のみならずロボットを用いた手術を行う施設が増えてきた。さらに諸外国では、どんどん開発される新しいデバイスを用いてのカテーテルによる僧帽弁形成術や僧帽弁置換術も行われており、これらは近い将来わが国にも導入されると予想されている。本セッションでは僧帽弁閉鎖不全症の病態に基づいた種々治療とその治療成績を紹介いただき、その効果と問題点を整理するとともに、将来の展望についてディスカッションしたい。

7. 心疾患合併ハイリスク妊娠の管理

9月15日(日) 10:40~12:10 第12会場

座長
丹羽 公一郎(聖路加国際病院心血管センター 循環器内科)
神谷 千津子(国立循環器病研究センター 産婦人科)
心疾患合併ハイリスク妊娠の管理~産科の立場から~
演者
池田 智明 (三重大学 産科婦人科)
心疾患合併妊娠に麻酔科医が貢献できること
演者
田中 基  (名古屋市立大学大学院医学研究科 麻酔・集中治療医学分野 周産期麻酔部門)
ヘパリンを用いた抗凝固療法を行った妊婦症例の検討
演者
小板橋 紀通(群馬大学医学部附属病院 循環器内科)
大動脈拡張女性の妊娠リスクの検討
演者
堀内 縁  (国立循環器病研究センター)
肺高血圧症と妊娠・出産管理
演者
桂木 真司 (榊原記念病院 産婦人科)
座長のことば
先天性心疾患の治療成績の向上や、遺伝性循環器疾患の診断率の増加、母体の高年化などを背景に、心疾患合併妊娠数は増加傾向にあり、わが国においては、器質的心疾患女性の妊娠は総妊娠の0.5~1%、不整脈を含めれば2~3%に及ぶとされる。「心疾患をもっているから、妊娠・出産は不可」と一律に禁止されていた時代は過ぎ、多くの心疾患を持つ女性が、妊娠・出産を比較的安全に行えること、その反面、一部の病態では非常にリスクが高いことも分かってきた。
妊娠中には、ダイナミックな体液循環の変化のみならず、血液学的、呼吸機能的、内分泌学的、自律神経学的な変化をきたす。心疾患合併女性においては、基礎疾患にこのような変化が加わることによる事前の妊娠リスク評価、カウンセリングや、妊娠した際の多職種連携による診療体制の構築が重要な課題である。
わが国や欧米のガイドラインでは、妊娠がハイリスクもしくは非常にハイリスクとなる疾患や病態として、肺高血圧症、流出路狭窄、重症心機能低下、大動脈拡張を伴うマルファン症候群、チアノーゼ性心疾患、機械弁置換後、Fontan術後、右室体心室などが挙げられている。本セッションでは、広い領域の専門的立場から、このようなハイリスク心疾患合併妊娠の管理をめぐる問題を提起していただき、ハイリスク妊娠の症例検討を交えながら討論したい。

シンポジウム 【症例から深く学ぶ】

1. 肺高血圧症の難渋症例から学ぶ診療のキーポイント

9月13日(金) 10:10~11:40 第4会場

座長
先崎 秀明 (北里大学医学部附属新世紀医療開発センター)
瀧原 圭子 (大阪大学キャンパスライフ健康支援センター)
コメンテーター
木岡 秀隆 (大阪大学大学院医学系研究科 循環器内科)
福島 裕之 (東京歯科大学 市川総合病院 小児科)
複数の病態関与が疑われ肺高血圧の治療方針決定に苦慮した抗ARS抗体症候群の一例
演者
世良 英子 (大阪大学大学院医学系研究科 循環器内科学)
肺静脈閉塞症の関与が疑われた肺高血圧症の一例
演者
佐藤 徹  (三重大学医学部附属病院 循環器内科)
免疫抑制療法の選択と調整に難渋した全身性エリテマトーデスに伴う重症肺高血圧症の一例
演者
山口 智大 (大阪市立大学大学院医学研究科 循環器内科学)
治療方針・薬剤選択/使用量に難渋した,重症右心不全・低心拍出による透析困難・失神を合併した透析関連5群肺高血圧症の一例
演者
小村 直弘 (横浜市立大学附属病院 循環器内科)
座長のことば
肺高血圧症は、かつては有効な治療薬のない難病として知られていたが、我が国においても2005年以降、相次いでエビデンスのある有効な経口肺血管拡張薬の使用が広がり、治療可能な疾患として変貌を遂げている。しかしながら肺高血圧症の病因は多岐にわたるとともに、その発症にはさまざまな要因が関わっているため、確定診断や鑑別診断に難渋する症例が少なくない。肺高血圧症の発症および病態進展には遺伝的要因や環境要因等が関与し、その全容解明には未だ多くの課題が残されている。さらに、第5群には未だ「詳細不明な多因子のメカニズムによる肺高血圧症」として、さまざまな疾患群が含まれている。肺高血圧症は早期診断・早期治療介入が重要であるだけでなく、病態に応じた治療法を選択するためにも、発症機序に応じた個別化医療の実現を目指す必要がある。
本シンポジウムでは診断および治療に難渋する症例提示を通じて、肺高血圧症の新たな発症機序について理解を深めるとともに、病態に基づいた適切な治療法についても総合的に議論したい。

2. Swan-Ganzカテーテルを見直し、診療に役立てる

9月13日(金) 16:30~18:00 第4会場

座長
猪又 孝元 (北里大学北里研究所病院 循環器内科)
藤本 直紀 (三重大学医学部 循環器・腎臓内科学)
コメンテーター
坂本 隆史 (九州大学病院 循環器内科)
辻 明宏  (国立循環器病研究センター 心臓血管内科 肺循環部門)
ミニレクチャー
藤本 直紀 (三重大学医学部 循環器・腎臓内科学)
頻脈を合併した急性重症心不全に対する心拍数コントロールの意義
演者
小林 茂樹 (山口大学大学院医学系研究科 器官病態内科学)
肺腫瘍血栓性微小血管症の診断にSwan-Ganzカテーテルが有用であった一例
演者
佐藤 徹  (三重大学医学部附属病院 循環器内科)
大動脈弁位人工弁置換術後に繰り返し右心不全をきたした収縮性心膜炎の一例
―Swan-Ganzカテーテルの意義を再考する―
演者
岩崎 陽一 (東京医科大学病院 循環器内科)
左室収縮能保持性心不全(HFpEF)患者における肺高血圧症(PH)合併の意義について
―Swan-Ganzカテーテルを用いた検討―
演者
山本 英一郎(熊本大学医学部附属病院 循環器内科)
座長のことば
Swan-Ganz(SG)カテーテルは、経静脈的に比較的容易に挿入でき、心内圧、心拍出量、混合静脈血酸素飽和度等を測定できることから、心疾患患者の治療方針の決定や循環動態の管理上、有用であると以前から考えられてきた。しかし、1990年代後半から2000年前半にかけて、ICU入室中の重症患者におけるSGカテーテルを用いたルーチンの血行動態持続モニタリングが患者の予後を改善させず、むしろ、悪化させる可能性もあることが報告された。最新の日米の心不全ガイドラインでは、患者ごとにSGカテーテルの適応を決めることが推奨され、非代償性心不全患者においてルーチンのSGカテーテルの使用は避けるべきとされている。
急性・慢性心不全、心膜疾患、肺高血圧などを有する患者の治療において、SGカテーテルによる血行動態評価が重要な役割を果たすことも多い。最近の心不全患者を対象とした米国の報告では、2007年以降、SGカテーテルの使用は、高度心不全治療を行う大規模病院や認定教育病院では増加していること、SGカテーテルを用いた治療により院内死亡率は減少傾向にあること、も報告されている。本セッションでは、身体診察や非侵襲的評価に加えSGカテーテルを用いた血行動態評価が治療方針の決定や効果判定に非常に有用であった症例を取り上げ、それらを共有することにより、今後の急性・慢性心臓病患者の診療に役立てることを目的とする。

3. 全身血管病の複雑病変をどう治療するか?

9月14日(土) 10:20~11:50 第5会場

座長
伊苅 裕二 (東海大学医学部内科学系 循環器内科学)
山岸 正和 (大阪人間科学大学)
コメンテーター
横井 宏佳 (福岡山王病院 循環器センター)
坂田 憲治 (金沢大学附属病院 循環器内科)
複数の動脈硬化性疾患を合併し治療順序決定に苦慮した高齢者の1症例
演者
飯田 修  (関西ろうさい病院 循環器内科)
非動脈硬化性血管疾患を識る
演者
河原田 修身 (育和会記念病院 循環器内科)
多発性動脈硬化病変に対して集学的治療後の慢性期に出血性合併症をきたした症例からの考察
演者
篠崎 法彦 (東海大学医学部 循環器内科)
31年にわたるあらゆる環境器集学的治療により生存し得た重症家族性高コレステロール血症の一例
演者
多田 隼人 (金沢大学附属病院 循環器内科)
座長のことば
血管を一つの体系として考えた時に一臓器の一病変だけに限定していると考えるよりも、全身の血管病の一つしてとらえることが大切です。動脈硬化も全身に多発していることの方が一般的であり、冠動脈だけの病変であることの方がわずかであろうと思われます。一方、下肢動脈に対する動脈硬化性疾患では予後不良にもかかわらず、あまり医療者からも考慮されることが少なく二次予防においても未だ不十分な対応であることも問題です。
さらに、全身血管病変の発症・進展においては、背景となる全身疾患の存在を念頭におくことが重要です。この際、全身疾患として、遺伝性疾患、代謝性疾患、変性疾患など多領域に及ぶ関連疾患が想起されます。また、臨床病型として発症します血管病についても、局在や重症度に差異がみられ、一括して論じることは困難と思われます。本セッションでは全身血管病として発症します諸疾患につきまして代表例を提示して頂き、主として治療的立場から診断、治療、予後などについての議論を深めたいと思います。

4. 心不全の発症・予防を意識して心房細動に向き合う

9月14日(土) 15:50~17:20 第3会場

座長
平光 伸也 (平光ハートクリニック 循環器内科)
中村 真潮 (陽だまりの丘なかむら内科)
コメンテーター
松川 龍一 (福岡赤十字病院 循環器内科)
鈴木 博彦 (名古屋第二赤十字病院 循環器内科)
発作性心房細動を発見するための上室期外収縮の心電図判読
演者
大島 一太 (大島医院)
心不全パンデミック時代に地域の循環器医療を支える ー循環器開業医の役割ー
演者
三宅 省吾 (三宅クリニック)
当院における心不全合併心房細動例の臨床的特徴と治療実践~家族,地域,社会的因子との関わり合いの視点から~
演者
小田倉 弘典(土橋内科医院)
細菌性肺炎,消化管出血による入院を繰り返す高齢心房細動合併心不全症例:高齢心房細動患者における心不全入院の予後と危険因子
演者
竹内 素志 (医療法人社団 竹内内科・循環器科)
高齢心房細動症例から学ぶプライマリ循環器診療 ~プライマリ現場で何ができるか?日常臨床を再考する~
演者
田中 健二郎(田中内科循環器内科クリニック)
座長のことば
高齢化社会を迎え、心不全患者の増加は社会的問題となっている。一方、心房細動も高齢者の増加とともに増加しており、今後最も重要な循環器疾患のひとつになると考えられる。高齢者においては心不全と心房細動が併存している患者が多く、心不全患者の約40%に心房細動を合併していると言われている。心不全患者は、左心房の伸展や交感神経の活性などから心房細動を発症しやすくなる。一方、心房細動では心拍数が増加して左房機能が減弱するため、心不全を発症しやすくなる。実際に心房細動と最も強い相関のある危険因子は心不全である。心房細動患者を外来で診るときには、心不全の発症を想定しながら、診察を進める必要がある。
本セッションでは全国で活躍されている開業医の先生方から実際に診療された症例を提示いただき、日常臨床で遭遇する様々な問題について議論したいと考えている。心房細動を心不全の発症や増悪の危険因子として捉え、心不全の発症予防を目指した心房細動治療が行えるようになるために、聴衆の皆様と深いディスカッションを展開したいと考えている。

5. 2次性高血圧症の診断と治療

9月14日(土) 14:10~15:40 第5会場

座長
北村 和雄 (宮崎大学 内科学講座 循環体液制御学分野)
岡本 隆二 (三重大学大学院医学系研究科 病態制御医学講座 循環器・腎臓内科学)
コメンテーター
大屋 祐輔 (琉球大学医学部 循環器系総合内科学)
丸橋 達也 (広島大学大学院医系科学研究科 循環器内科学)
原発性アルドステロン症の症例から学ぶACTH負荷試験の有用性
演者
北 俊弘  (宮崎大学 医学部内科学講座循環体液制御学分野)
冠動脈疾患における原発性アルドステロン症のスクリーニングとMR活性
演者
福間 長知 (高崎健康福祉大学 薬学部)
当院における,原発性アルドステロン症疑いで入院した患者の診断と治療について
演者
岡本 隆二(三重大学大学院医学系研究科 病態制御医学講座 循環器・腎臓内科学)
睡眠時無呼吸症候群合併高血圧患者におけるpulse-transit-time血圧測定の有用性に関する検討
演者
義久 精臣 (福島県立医科大学附属病院 循環器内科学心臓病先進治療学講座)
座長のことば
高血圧症患者の大部分は本態性高血圧症であるが、二次性高血圧症は従来考えられていたより高頻度に認められることが知られてきた。二次性高血圧症は適切な診断と治療により高血圧の治癒が期待できる場合もあり、良好な血圧コントロールが期待でき予後の改善にも貢献できる。一方、二次性高血圧を診断できずに見逃してしまうと本態性高血圧よりも臓器障害が進みやすいことが知られている。そのため、高血圧症の診療のためには二次性高血圧症に対する十分な知見をもち、二次性高血圧症を念頭に置いて診療することが大切である。二次性高血圧症の原因として、比較的頻度の高いものとして、原発性アルドステロン症、腎実質性高血圧症、腎血管性高血圧症、睡眠時無呼吸症候群などが知られているが、これ以外にも多くの原因となる疾患が知られており、興味深い臨床所見を示すものも多い。本シンポジウムでは二次性高血圧症の各症例を十分に考察し討論することで二次性高血圧症の病態を理解し、高血圧診療のレベルアップに貢献したい。また、近年二次性高血圧症については新たな診断法や治療法が進歩してきているが、本シンポジウムで各症例を深く探求することで新たな診断法や治療法に結びつく可能性を探りたい。興味深い二次性高血圧症の症例を経験された多くの先生方の積極的な参加をお願いしたい。

6. 非心臓手術周術期の心血管イベント

9月15日(日) 10:40~12:10 第6会場

座長
渡邊 博之 (秋田大学大学院医学系研究科医学専攻機能展開医学系 循環器内科)
亀井 政孝 (三重大学医学部附属病院 臨床麻酔部)
コメンテーター
和田 靖明 (山口大学 医学部附属病院 検査部)
中里 和彦 (福島県立医科大学 循環器内科学講座)
慢性血栓塞栓性肺高血圧症と婦人科手術:周術期管理の重要ポイント
演者
米倉 寛  (三重大学医学部附属病院 臨床麻酔部)
閉塞性肥大型心筋症合併例での全身麻酔下腹臥位腰椎手術時の循環器的対応 -麻酔科医との連携-
演者
田代 敦  (岩手医科大学附属病院 臨床検査医学・循環器医療センター)
急性大動脈解離を発症した妊婦
演者
佐藤 和奏 (秋田大学大学院医学系研究科 循環器内科学講座)
成人期のFontan手術後患者の周術期管理討
演者
清水 一好 (岡山大学病院 手術部)
座長のことば
従来の非心臓手術周術期心血管イベントは、心筋梗塞(1型&2型)と心筋傷害(急性&慢性)が話題の中心でした。しかし、最近は虚血性脳卒中、術前心不全分類(HFrEF;HFpEF;HFmrEF;HFrecEF)の影響、術前・術後新規発症心房細動の影響などに興味が移ってきています。これは、心筋梗塞・心筋傷害の発生率、死亡率が近年減少傾向にあり、血管外科、胸部外科、移植外科を除いた非心臓手術の周術期にはほとんど合併しなくなったことによると思われます。
本シンポジウムは、今後トピックとなることが予想される症例について深く学んでいただくことを目的とし、循環管理のエキスパートである循環器内科医の先生だけでなく、術中・術後集中治療における循環管理に精通する麻酔科医・集中治療医の先生をシンポジストとしてお招きいたしました。周術期心血管イベントのリスクが高い手術は、大手術だけではないことを再認識していただけるような症例(慢性血栓塞栓性肺高血圧症、閉塞性肥大型心筋症、急性大動脈解離の妊婦および成人先天性心疾患)を選んでおります。特に心血管イベント予防・対処法を中心に、術前・術後管理について多方面から議論を深めてまいりますので、若手からエキスパートの先生方まで存分にお楽しみいただけるものと思います。
会場でお会いすることを楽しみにしております。

7. IgG4関連疾患の心血管病変

9月15日(日) 13:50~15:20 第7会場

座長
石坂 信和 (大阪医科大学 循環器内科)
陣崎 雅弘 (慶應義塾大学医学部 放射線科(診断))
コメンテーター
水島 伊知郎(金沢大学附属病院 リウマチ・膠原病内科)
伊澤 淳  (信州大学医学部 保健学科)
IgG4関連疾患心血管病変における心膜腔
演者
網谷 英介 (東京大学医学部 循環器内科/重症心不全治療開発講座)
心血管系IgG4関連疾患のマネジメント -各種治療の遠隔成績をもとに-
演者
松本 康  (金沢医療センター 心臓血管外科)
IgG4関連疾患の画像診断
演者
小山 貴  (倉敷中央病院 放射線診断科)
冠動脈病変を合併したIgG4関連疾患のマルチモダリティイメージング
演者
細口 翔平 (旭川医科大学 内科学講座 循環・呼吸・神経病態内科学分野)
滲出性収縮性心膜炎を合併したIgG4関連疾患の一例
演者
森脇 啓至 (三重大学医学部附属病院 循環器内科)
IgG4関連冠動脈病変に経皮的冠動脈ステント留置術を施行した1例
演者
大下 晃  (愛媛県立今治病院 循環器内科)
座長のことば
IgG4関連疾患が本邦で発見されてから、およそ20年が経過した。当初、IgG4関連疾患は、慢性炎症性の膵障害、いわゆる自己免疫性膵炎の病像を呈することが報告されたが、その後、臨床的、病理組織的に類似する病態が、涙腺・唾液腺、腎、リンパ節、心血管などのさまざまな部位に生じることが明らかになった。自己免疫をベースとして発症してくる全身性疾患であると考えられているが、その病態形成の詳細は未解明である。
本疾患を疑わせる動脈周囲病変に、日常診療で遭遇することは稀ではない。他臓器のIgG4関連疾患症例の画像を検討すると、血管病変を3割程度合併していた、という報告もある。
臨床上、より問題となるのは、大動脈瘤の破裂や、冠動脈に多発性の瘤形成が次々に生じてくるケースなど、対応に苦慮するような重症例であろう。そのような重症例に対して、どのように治療をしていけばよいのか、よくわからないところもある。
今回のシンポジウムでは、演者の先生方に症例の提示をいただき、IgG4関連疾患の心血管病変の診断に至る契機や、選択された治療、その後の経過などについてイメージを共有し、また、本疾患のマネージメントのあり方についてディスカッションを行っていきたいと考えている。

8. CHADS2スコアには現れない血栓リスクとは?

9月15日(日) 13:50~15:20 第9会場

座長
髙橋 尚彦 (大分大学医学部 循環器内科・臨床検査診断学)
奥村 恭男 (日本大学医学部附属板橋病院 循環器内科)
コメンテーター
篠原 徹二 (大分大学医学部 循環器内科・臨床検査診断学)
永嶋 孝一 (日本大学医学部 内科学系循環器内科学 心臓血管研究所付属病院)
弓部大動脈の粥状動脈硬化病変が脳梗塞の原因と考えられた一例
演者
小嶋 啓介 (日本大学医学部附属板橋病院 内科学系 循環器内科分野)
僧帽弁置換術後慢性期に発症した生体弁血栓症
演者
杉浦 英美喜(三重大学 循環器内科)
心房細動の病型および発作性から慢性への進行と臨床イベントは相関する~伏見心房細動患者登録研究より~
演者
小川 尚  (国立病院機構 京都医療センター 循環器内科)
CHADS2スコア2点未満の非弁膜症性心房細動患者における左房内モヤモヤエコー発生リスクに関する検討
演者
伊藤 隆英 (大阪医科大学)
座長のことば
超高齢社会の到来とともに心房細動患者は増加の一途を辿っており、心房細動関連合併症である心原性脳梗塞や心不全の予防が、今後の臨床的な最重要課題となっている。現在、日本循環器学会のガイドラインでは、CHADS2スコアが抗凝固療法の適応に推奨され、臨床的に汎用されている。しかしながら、本邦の3大コホートの抗凝固薬無治療患者において糖尿病や心不全は、脳梗塞のリスク因子とはならず、また欧州で汎用されているCHA2DS2-VASCスコアの一因子である冠動脈疾患や女性も、本邦の脳梗塞リスク因子にはなっていない。さらに、CHADS2スコアを有しない65歳未満でも実臨床で脳梗塞を経験することもあり、人種間や地域間の相違から、本邦では特にCHADS2スコアのみでは脳梗塞リスクの層別化に不十分であると考えられる。現在、知られているその他のリスク層別化因子として、左房径、腎機能、持続性心房細動などは広く報告されており、また、超高齢社会で特異の病態であるフレイルやサルコペニアなどはそのリスクになる可能性もある。加えて、心房細動アブレーションが脳梗塞のリスクを低下させる可能性も報告され始めている。本シンポジウムではこのようなCHADS2スコアでは語り切れない個々の症例につき議論を深めることで、さらなる脳塞栓予防の治療戦略を探求していきたいと考えている。

9. 超高齢社会における循環器疾患の包括的治療

9月15日(日) 13:50~15:20 第11会場

座長
竹内 素志 (医療法人社団 竹内内科・循環器科)
大島 一太 (大島医院)
コメンテーター
田中 秀和 (神戸大学大学院医学研究科循環器内科学分野)
横山 広行 (横山内科循環器科医院)
高齢心不全患者の心エコー図指標で注意すべきこと
keynote lecture
田中 秀和 (神戸大学大学院 循環器内科学分野)
高齢心不全患者の自宅看取り
演者
小出 雅雄 (ゆみのハートクリニック渋谷)
高齢者の抗凝固・抗血小板療法はいつまで必要か?
演者
井守 洋一 (医療法人二俣川内科・循環器内科クリニック)
多剤服薬(ポリファーマシー)に立ち向かう~いかに減薬していくか~
演者
池上 晴彦 (医療法人社団桜晴会池上内科循環器内科クリニック)
心不全標準治療薬減薬によりADL改善を目指した高齢心不全患者の一例
演者
大西 勝也 (大西内科ハートクリニック)
座長のことば
近年、わが国における高齢者は急増し、専門性の高い診療を行う基幹病院だけでなく、多岐にわたる疾患に広く迅速に対応できる“かかりつけ医”の役割が重要となっている。 高齢者に対する診療は併存疾患も多く、循環器疾患の治療だけに専念できるわけではない。例えば高齢者の心不全においてACE阻害薬、β遮断薬、抗アルドステロン薬、利尿薬による標準的治療を行うと、うっ血を改善することができるが、一方で低心拍出状態になると、活動性は著しく低下してしまう。高齢者がフレイルになると、新たな循環器疾患が増加することも報告されており、心不全に対する標準的治療を優先とするか?または活動性を優先とするか?一定の見解を得ることは難しい。また高齢者の虚血性心疾患や心房細動に対する抗血栓薬の使い方についても、議論の分かれるところである。このように高齢者は、腎機能障害、出血性疾患、呼吸機能障害、貧血、悪性疾患、感染症、認知症など多くのの併存疾患を有するため、循環器疾患に対する標準的治療を増量すべきか?減量すべきか?中止すべきか?については、ガイドラインや教科書だけでは明らかとならず、個々の症例に応じた適切な治療戦略が求められる。今回、高齢者に対する日常診療のケースから、経験値だけでなく、どのような理由、どのような方法、どのようなタイミングで標準的治療を変更、中止すべきか?本セッションにて皆様とのdiscussionを通して学びを深めたい。

シンポジウム

1.日・米・欧のガイドライン改訂がもたらす高血圧治療のニューパラダイム

9月13日(金) 8:30~10:00 第2会場

座長
長谷部 直幸(旭川医科大学 内科学講座 循環・呼吸・神経病態内科学分野)
楽木 宏実 (大阪大学大学院医学系研究科 老年・総合内科学)
日・米・欧のガ高血圧イドライン その基本と相違
演者
平和 伸仁 (横浜市立大学 附属市民総合医療センター 腎臓・高血圧内科)
降圧目標のシステマティックレビューの科学性と限界
演者
崎間 敦  (琉球大学 グローバル教育支援機構 保健管理部門)
高血圧症診断基準140/90mmHgと130/80mmHgとの違いにおける,日本人の高血圧症有病率の検討
演者
桑原 政成 (虎の門病院 集中治療科 兼 循環器センター内科)
心疾患における厳格な血圧管理とは?
演者
甲斐 久史 (久留米大学医療センター 循環器内科)
座長のことば
2017年に米国、2018年に欧州、2019年に日本の高血圧治療に関するガイドラインが改訂となった。すべてのガイドラインがそれ以前と比較して降圧目標を厳格化する方向となったが、目標値の記載はそれぞれに特色がある。特に、米国ガイドラインでは高血圧症診断基準を130/80mmHg以上に変更した。診断において診察室外血圧を重視するようになったことも大きな変化である。また、すべてのガイドラインで、降圧目標達成に向けて何をすべきなのかについて多くの記載がなされている。これまでのガイドライン整備、優れた降圧薬の出現にもかかわらず、管理率が不十分な現状を指摘するもので、Inertia(惰性)という用語を改めて紹介して、医師の考え方の問題にまで言及するようになった。これらの改訂事項はいずれも高血圧治療が次の段階に入るべきであることを示唆する。また、個々の疾患を合併した場合の降圧治療方針についても、それぞれの分野での治療の変化やエビデンスの積み重ねによって、推奨がより明確化されるようになってきた。心臓病学会におけるセッションということで、特に虚血性心疾患や心不全、心房細動の合併患者は大きな関心事である。さらに、超高齢者の増加に伴う生活機能や認知機能に配慮した降圧治療も新たな局面を迎えた。本セッションでは、ニューパラダイムを理解した降圧治療のあり方と臨床現場での課題への対処について討論する。

2. 左心耳閉鎖デバイスの有用性:抗凝固療法との比較

9月13日(金) 8:30~10:00 第7会場

座長
池田 隆徳 (東邦大学大学院医学研究科 循環器内科学)
石川 利之 (横浜市立大学附属病院 循環器内科)
心原性脳梗塞に対する抗凝固療法の有用性と問題
演者
細田 順也 (公立大学法人 横浜市立大学附属病院 循環器内科)
左心耳閉鎖デバイスの概要
演者
中島 祥文 (岩手医科大学 内科学講座 循環器内科分野)
左心耳閉鎖デバイスの手術手技
演者
合屋 雅彦 (東京医科歯科大学不整脈センター)
左心耳閉鎖デバイスの問題点と今後の展望
演者
宮本 康二 (国立循環器病研究センター 心臓血管内科部門不整脈科)
座長のことば
心房細動の存在により脳梗塞の発生頻度が約5倍上昇することが知られている。心原性脳梗塞は梗塞量が大きく、高率に出血性脳梗塞をきたし、生命予後が不良であるばかりではなく社会復帰率も低い。従来、心原性脳梗塞の予防には抗凝固療法が行われて来たが、出血性合併症が問題となっていた。心原性脳梗塞の予防効果と出血性合併症のデメリットを天秤にかける必要があった。ワルファリンしかなかった時代から新規経口抗凝固薬の出現により、頭蓋内出血の頻度は減り比較的容易に治療が可能になったが、大出血は依然として無視できない頻度で発生する。心房細動による心原性脳梗塞の塞栓形成部位の多くは左心耳である。そこで、デバイスにより左心耳を閉鎖することにより心原性脳梗塞が予防できることが期待される。欧米では既に承認されている左心耳閉鎖デバイスが我が国においては使用できない状態が続いていた。左心耳閉鎖デバイスの有用性としては抗凝固療法による煩わしさと出血性合併症の減少と長期的医療費の節約が期待される一方、デバイスおよび植込み手技に伴う合併症が危惧される。左心耳以外に形成された塞栓には無効であることも考える必要がある。また、治験では抗血小板薬が継続使用されており、出血の問題が残る。本シンポジウムでは、抗凝固療法と比較して、左心耳閉鎖デバイスの有用性について検討し、今後の展望について議論したい。

3. 新たな恒久ペーシング法:リードレスペーシングとヒス束ペーシング

9月13日(金) 10:10~11:40 第7会場

座長
夛田 浩  (福井大学医学部 病態制御医学講座 循環器内科学)
草野 研吾 (国立研究開発法人国立循環器病研究センター 心臓血管内科)
新たなペースメーカーリード留置法ーカテーテル デリバリーシステムを用いたペーシングシステムの可能性ー
演者
山形 研一郎(国立循環器病研究センター)
生理的ペーシング(physiological pacing): 歴史・適応・展望
演者
佐藤 俊明 (杏林大学医学部 不整脈先進治療学研究講座)
ヒス束ペーシング: 植込みの実際とこつ,合併症,トラブルシューティング
演者
三戸 森児 (土谷総合病院)
リードレスペースメーカ:適応・現状・合併症対策
演者
草野 研吾 (国立研究開発法人 国立循環器病研究センター 心臓血管内科)
リードレスペースメーカ:将来展望
演者
浅野 拓  (昭和大学 藤が丘病院 循環器内科)
座長のことば
徐脈性不整脈に対する治療としてペースメーカは確立した治療である。このペースメーカ治療に、近年2つの大きな治療法が加わった。
1つはリードレスペースメーカである。長期にわたる経静脈リードのトラブル(リード不全、リコールリード、リード感染など)は大きな医療上の問題であったが、これらの問題を払拭してくれたリードレスペースメーカは、大きな話題となっている。現機種にはVVIモードしかないため、血行動態の面からは従来のDDDペースメーカに劣ることや、心臓損傷・心タンポナーデなどの重大な合併症をきたす可能性があるが、植込みの成功率は99%と高く、その将来性に大きな期待が寄せられている。
もう1つは、ヒス束ペーシングである。従来の右室心尖部ペーシングによる左室非同期発生という問題が解決できるため、従来問題となっていた右室心尖部ペーシングがもたらす血行動態の悪化を防ぐことが期待されている。従来の右室ペーシングに比して閾値が高いこと、ならびに房室伝導障害のない症例でのヒス束ペーシングは伝導障害を引き起こす可能性がある事が報告されている。
今回のシンポジウムでは、これら2つの新しいペースメーカを取り上げ、現在の問題点や将来性についてディスカッションを行う予定である。

4. 糖尿病患者の心血管イベント予防

9月13日(金) 10:10~11:40 第8会場

座長
足立 健  (防衛医科大学校 循環器内科)
平山 篤志 (大阪警察病院 心臓センター)
心臓カテーテル検査器具から得られた血管内皮細胞のインスリン抵抗性と糖尿病性血管障害との関連
演者
眞﨑 暢之 (防衛医科大学校病院 集中治療部)
糖尿病合併急性冠症候群のLDLコレステロール管理は70 mg/dL未満で十分かー多施設介入研究(PRECISE-IVUS)の結果からー
演者
藤末 昂一郎(熊本大学病院 循環器内科)
Prognostic Impact of Baseline Glycohemoglobin Level in Peripheral Artery DiseasePatients with and without Hemodialysis
演者
重城 健太郎 (東京女子医科大学 循環器内科)
糖尿病患者のSGLT2阻害薬による心血管イベント予防
演者
佐野 元昭 (慶應義塾大学 医学部循環器内科)
2型糖尿病を合併した心不全患者におけるSGLT2阻害薬の利尿機序の解明
演者
福岡 秀介 (三重大学医学部附属病院 循環器内科)
座長のことば
糖尿病患者の心血管系合併症対策は生命予後につながる重要課題である。2000年代に発表された、(UKPDS, ACCORD, ADVANCE)などの血糖降下強化療法では低血糖の弊害もあり心血管イベントの減少は短期的に認めなかった。ロシグリタゾンの臨床研究ではHbA1c低下にも関わらず、イベントの増加が危惧された。このことから、HbA1c低下とは独立に薬物安全性非劣性の検証と、心血管イベント評価が必要となった。
近年に入り、DPP-4阻害剤の臨床研究(TECOS、CARMELINA試験)では安全性は証明されたが、短期的なイベント減少効果は認められなかった。SGLT-2阻害剤の臨床研究(EMPA-REG, CANVAS, DECLARE試験)では心不全の入院と腎症の悪化抑制効果が認められたが血管イベント抑制については結論が得られていない。GLP-1製剤の臨床研究(LEADER, SUSTAIN-6,試験)でも心血管イベント低下が報告されたが、一定の見解は得ていない。
これらの結果を踏まえて、糖尿病の心血管イベント予防には血糖降下のみならず、患者背景や薬剤の作用機序に立ち返り選択する必要がある。糖尿病を高血糖のみならず、インスリン抵抗性や脂質代謝異常、炎症や酸化ストレスを介した臓器連関の問題も考慮する必要がある。本シンポジウムでは糖尿病合併症の治療を病態生理から考え、今後の心血管イベント予防につながる臨床研究・トランスレーショナルリサーチを紹介する。

5. TAVIハイリスク患者への治療戦略を検証する

9月13日(金) 8:30~10:00 第11会場

座長
明石 嘉浩 (聖マリアンナ医科大学 循環器内科)
桃原 哲也 (川崎幸病院)
TAVIハイリスクをCT画像から考える
演者
井口 信雄 (公益財団法人日本心臓血圧研究振興会附属榊原記念病院 循環器内科)
心エコーから診るTAVIとSAVR
演者
出雲 昌樹 (聖マリアンナ医科大学 循環器内科)
Balloon-expandable valveを用いた治療戦略
演者
多田 憲生 (仙台厚生病院 心臓血管センター 循環器内科)
Minimum Invasive TAVI -the skhcvc's way-
演者
坂本 知浩 (済生会熊本病院心臓血管センター 循環器内科)
座長のことば
大動脈弁狭窄症(AS)に対する経カテーテル大動脈弁植え込み術(TAVI)が2013年10月に保険償還され5年が経過しました。これまでに国内で約1万8千人がTAVIを受けています。2018年3月までのデータでは約1万1千人がTAVIを受け、その平均年齢は85歳で30日死亡率が1.3%、生活の質を脅かす程度の脳梗塞は1.4%であったと報告されています。
TAVIの適応に関しては、欧米ではSTS scoreで約4%の中間リスクが対象で行われた研究で外科的弁置換術(SAVR)と同等との評価でした。また、STS scoreで4%以下の低リスクが対象で行われた研究が進行中で、近いうちにその成績が公表されます。このように、当初のハイリスク症例を対象に始まったTAVIですが、将来的には重症ASの第一選択の治療になる可能性を秘めています。
しかし、重症ASに対してTAVIのみですべが解決するわけではありません。TAVIを始めたことによって、より高齢で重篤な症例が紹介されてくることも多くなっているのも現状でしょう。その際に治療を行わないという選択肢も消極的にみえますが治療選択のひとつになると考えられます。また、TAVIが解剖学的な理由などからリスクが高いと考えられた場合はSAVRを検討しそれを行うことも必要になっていると考えられます。
TAVIが成熟期に入ったと思われるこのような時期にセッション名でもあります“TAVIハイリスク患者への治療戦略を検証する”をその分野の専門家と一緒に議論できることは非常にタイムリーで有意義であると考えています。
各々の意見をぶつけ合い、熱い議論を期待しています。

6. 末期重症心不全に対する治療戦略

9月13日(金) 14:50~16:20 第2会場

座長
澤 芳樹  (大阪大学大学院医学系研究科 心臓血管外科学)
山口 修  (愛媛大学大学院医学系研究科 循環器・呼吸器・腎高血圧内科)
末期重症心不全におけるIntermacs Profile別治療戦略
演者
波多野 将 (東京大学大学院医学系研究科 重症心不全治療開発講座)
LVAD治療に難渋する重症心不全の臨床的特徴と治療戦略
演者
世良 英子 (大阪大学大学院医学系研究科 循環器内科学)
EF<35%の末期非虚血性機能的僧帽弁閉鎖不全症に対する外科治療戦略:僧帽弁手術 or LVAD-DT ?
演者
戸田 宏一 (大阪大学 心臓血管外科)
在宅医療を治療戦略のひとつへ
演者
弓野 大  (医療法人社団ゆみの)
座長のことば
心不全パンデミックと称される中、我が国では世界に先駆けての高齢化率上昇に伴う心不全患者数の増加が進行している。新たな薬物や補助循環装置の開発により、心不全の治療戦略は変わりつつある。我々はこうした内科的治療や外科的治療を集約し治療に当たる必要がある。重症症例に対する薬物療法は残念ながら限界を迎えており、新たな創薬標的に対する治療開発が世界的にも待ち望まれている。重症症例を前にした場合、まずは心機能低下を来した原因の鑑別診断について、特異的治療が存在する疾患の見落としが無いように厳密に行われる必要がある。また現在の薬物療法の適正化が十分に行われているかどうかの検証も必須である。十分な検討を経た後の末期重症心不全が真の意味でのStage Dであり、心臓移植や補助人工心臓、緩和医療が選択肢となる。心臓移植実施件数は法改正により増加したとはいえ、年間50〜60例にとどまっており、心臓移植待機患者数は増加の一途を辿っている。今後我が国でもDestination Therapy(DT)が保険償還される見込みであるが、60歳以上で心臓移植適応と判断され補助人工心臓装着された移植待機患者は実質的にDTの状況にある。新たな補助人工心臓による良好な臨床成績が報告されているが、致命的な合併症をなくすことは出来ない。再生医療を含めた新たな取り組みも次々と行われている中で、今後我が国が向かうべき治療戦略の新たな水平線について議論いただきたい。

7. 遺伝性循環器疾患に対する遺伝子解析の実践

9月13日(金) 14:50~16:20 第8会場

座長
塩島 一朗 (関西医科大学 内科学第二講座)
大野 聖子 (国立循環器病研究センター 分子生物学部)
肥大型心筋症における遺伝子解析への期待と課題
演者
久保 亨  (高知大学医学部 老年病・循環器内科学)
致死性遺伝性不整脈に対する遺伝子診断 -当院における現状と課題-
演者
加藤 浩一 (滋賀医科大学 循環器内科)
家族性高コレステロール血症の遺伝子解析とその有用性
演者
堀 美香  (国立循環器病研究センター研究所 病態代謝部)
遺伝性大動脈疾患の遺伝子解析
演者
森崎 裕子 (榊原記念病院 総合診療部臨床遺伝科)
全ゲノム解析による疾患研究の現状と展望
演者
髙橋 篤  (国立循環器病研究センター 研究所病態ゲノム医学部)
座長のことば
多くの循環器疾患は、高血圧や糖尿病等の生活習慣病、つまり後天性の疾患と考えられている。ところが遺伝性の循環器疾患も存在し、その代表格が心筋症である。肥大型心筋症は罹患頻度が500人に1人程度であり、遺伝性循環器疾患の中で最も多い疾患である。また、先天性QT延長症候群などの遺伝性不整脈や、Marfan症候群などの遺伝性大動脈疾患は、突然死の原因として重要な疾患である。一方、生活習慣病と考えられている高コレステロール血症においても、一部の症例は家族性であり、著明な動脈硬化と若年での冠動脈疾患発症を来すことから、早期診断と治療開始が不可欠である。このような遺伝性疾患については、遺伝学的検査によって早期の診断が可能になる。さらに近年、生活習慣病についてもゲノムワイド関連解析の手法を用いることにより、遺伝的リスクが明らかにされてきている。
遺伝子解析技術の飛躍的な発展で、多くの疾患に対する遺伝子解析が可能になってきている。ところが保険診療として遺伝学的検査が承認されている循環器疾患は、ごく一部に限定されており、研究レベルで遺伝子解析が実施されているに過ぎない。また生活習慣病の遺伝的リスクの臨床活用へは、多くの課題が残されている。本セッションでは、実際に遺伝性循環器疾患の遺伝子解析を実施されている先生方にご登壇いただき、今後の臨床への活用について討議してみたい。

8. 心不全合併心房細動に対する非薬物療法:新しい治療ツールの使い分け

9月14日(土) 8:00~9:30 第2会場

座長
夛田 浩  (福井大学医学部 病態制御医学講座 循環器内科学)
坂田 泰史 (大阪大学大学院 医学系研究科 循環器内科学)
心不全合併心房細動に対するカテーテルアブレーション
演者
宮崎 晋介 (福井大学医学部 循環器内科)
心不全合併心房細動に対するカテーテルアブレーションは運動耐容能を改善する
追加発言
柴田 敦  (大阪市立大学大学院医学研究科 循環器内科学)
心房抗頻拍ペーシング(ATP)の有用性と問題点
演者
南口 仁  (大阪大学大学院医学系研究科 循環器内科学)
心房細動合併心不全における心臓再同期療法
演者
中井 俊子 (日本大学医学部 内科学系循環器内科学分野)
遠隔モニタリング:有用性と問題点
演者
西井 伸洋 (岡山大学大学院医歯薬学総合研究科 先端循環器治療学講座部)
座長のことば
心房細動(AF)は心不全患者に併発することが多く、心機能や血行動態に悪影響を及ぼし、さらに心不全を悪化させる。近年、心房細動、および心不全に対する多くの非薬物療法が発展・普及している。
カテーテルアブレーションはAFの根治療法(リズムコントロール)であり、心不全合併AF例においてアブレーション施行により死亡率と心不全増悪による入院が薬物療法のみによる治療よりも有意に低下することが報告された。
心不全を合併した持続性・永続性AF症例において、心臓再同期療法(CRT)は、房室結節伝導を抑制して両心室ペーシング率を高めた場合、薬物療法群に比して有意に死亡を減少させる。また、CRTによる心不全の改善は新規AFの発症を予防する。
デバイスによる心房ペーシング、あるいは心房抗頻拍ペーシング(ATP)はAF発症を防ぐ可能性がある。特殊なアルゴリズムのATPにより、持続性AFの発症やAFに伴う入院を有意に抑制されることが示されている。さらに、植込型デバイスによる遠隔モニタリングはAF、および心不全(増悪)の早期発見に有用である。
本シンポジウムでは心不全合併心房細動に対する非薬物療法に焦点をあて、現状と問題点、および今後の展望に関して論じたいと考えている。

9. 急性大動脈解離の治療と今後の展望

9月14日(土) 8:00~9:30 第3会場

座長
荻野 均  (東京医科大学 心臓血管外科)
小松 誠  (大阪暁明館病院 心臓血管病センター)
急性大動脈解離に対する内科的診断及び治療
演者
飯田 修  (関西ろうさい病院 循環器内科)
急性大動脈症候群における先制診断のための汎用性血管内視鏡によるアプローチ
演者
高橋 覚  (大阪暁明館病院 心臓血管病センター)
急性大動脈解離診療への内科医の参画・新たな展開:診断・内科治療・サーベイランス・住民コホートデータ・ガイドライン
演者
圷 宏一  (川崎幸病院 川崎大動脈センター 大動脈外科 血管内科部門)
急性大動脈解離の診断と治療:放射線科医の立場から
演者
加藤 憲幸 (三重大学 放射線科)
急性大動脈解離に対する新しい外科治療体系の展開:Open repairとEndovascular repair
演者
松田 均  (国立循環器病研究センター 心臓血管外科)
座長のことば
急性大動脈解離は、突然に発症し死亡に至らしめる極めて重篤な疾患である。したがって、その診断、治療、予後の改善、予防においては多くが注目するところである。従来より、主に心臓血管外科医が単独で診療を担当してきたが、近年の診断や治療は、遺伝性結合織疾患などの基礎疾患検索のための遺伝子診断、エコー・CT/MRIの画像診断、発症前後および遠隔期での内科的治療(薬物治療)、さらに従来から標準的治療であった外科手術に加え、最近になり著しい進歩・発展をみせるステントグラフト内挿術を含めた血管内治療が急速に展開されてきている。このように専門分野も多岐にわたり、急性大動脈解離に対してもチーム医療としての集学的なアプローチがますます重要となってきている。さらに、患者搬送のための病病連携・救急診療体制の構築が極めて重要であり、社会全体の認識が求められている。
本シンポジウムにおいては、急性大動脈解離の診療において、血管内視鏡による早期・先制診断を含めた診断法の新しい展開、内科医の積極的診療参画とその効果、外科治療の成績向上と血管内治療を含めた新たな外科治療法の展開、など各部門のエキスパートによる講演を含め、「急性大動脈解離診療と今後の展開」に関する活発な議論の展開を期待する。

10. TAVI、SAVR術後心機能評価と最新のエビデンス

9月14日(土) 10:20~11:50 第3会場

座長
林田 健太郎(慶應義塾大学医学部 循環器内科)
金 一   (岩手医科大学 心臓血管外科学講座)
大動脈弁狭窄症に対する治療選択 現在のガイドラインと最新のエビデンス
演者
鶴田 ひかる(慶應義塾大学 循環器内科)
TAVI, SAVRにおけるpatient prosthesis mismatch(PPM)その頻度と予後に与える影響
演者
多田 憲生 (仙台厚生病院 循環器内科)
ストーンヘンジテクニックを用いた右腋窩小切開大動脈弁置換術の有用性 -適応の拡大と安全性の検討-
演者
山﨑 真敬 (慶應義塾大学病院 心臓血管外科)
TAVI, SAVRにおける生体弁の耐久性とleaflet thrombosis
演者
山本 真功 (豊橋ハートセンター 循環器内科)
伝導障害と心機能から考える5年後の大動脈弁狭窄症治療~新規デバイスと今後の展望
演者
大野 洋平 (東海大学医学部内科学系循環器内科学)
座長のことば
大動脈弁狭窄症の治療として従来から行われてきたSAVRに加え、新しくTAVIが登場してきた。近年のエビデンスに伴いその適応は年々拡大している。それぞれの治療法や現在における諸問題について知識を深めることはより最適な治療法を選択する上で重要と考えられる。
本セッションでは、術後新機能評価と最新のエビデンスに基づき、現時点での最適な治療法選択に役立つような情報の共有をめざしている。

11. Brugada症候群の新知見

9月14日(土) 10:20~11:50 第4会場

座長
清水 渉  (日本医科大学大学院医学研究科 循環器内科分野)
草野 研吾 (国立研究開発法人国立循環器病研究センター 心臓血管内科)
Brugada症候群におけるtype 1心電図の波高と致死性不整脈発生との関連
演者
永瀬 聡  (国立循環器病研究センター 心臓血管内科)
Brugada症候群の心臓突然死リスク予測モデルを用いたリスク階層化
演者
中野 由紀子(広島大学病院 循環器内科)
上海スコアシステムによるBrugada症候群の診断とリスク評価
演者
森田 宏  (岡山大学大学院医歯薬学総合研究科 先端循環器治療学)
Brugada症候群におけるSCN5A変異によるリスク階層化 ~日本国内多施設登録研究から
演者
清水 渉  (日本医科大学大学院医学研究科 循環器内科学分野)
Brugada症候群の予後予測に対する分子生理学的アプローチ
演者
石川 泰輔 (国立循環器病研究センター 創薬オミックス解析センター)
座長のことば
1992年に発表されたBrugada症候群は、青壮年期の突然死の原因として大変重要である。すでに20年以上が経過しているが、当初から指摘されている右側胸部誘導に生じる特徴的な心電波形の成因、また心室細動発生のメカニズムは完全には明らかになっていない。心室細動既往例に対する2次予防として植込み型除細動器治療は確立しているが、1次予防に関しては、失神の有無、自然発生タイプ1波形が重要とされているものの、その他の因子については、遺伝子変異、ハイリスク心電図、自律神経の関与、電気生理学的検査による心室細動誘発性など様々なものが発表されているが、未だに定まったものはなく現場のリスク評価を困難にしている。また治療に関しては、従来の抗不整脈薬に加え、心外膜アプローチによるカテーテルアブレーションや皮下植込み型除細動器(S-ICD)も登場し治療選択枝が増えてきている。
今回のシンポジウムでは、Brugada症候群の新知見を広く募集し、この謎の多い疾患に対する診断・治療の適切なアプローチについて議論したい。

12. 肺高血圧症の最新治療

9月14日(土) 10:20~11:50 第11会場

座長
佐藤 徹  (杏林大学医学部 循環器内科)
福本 義弘 (久留米大学医学部 内科学講座 心臓・血管内科部門)
横浜市立大学における慢性血栓塞栓性肺高血圧症(CTEPH)に対するバルーン肺動脈形成術(BPA)の効果とLearning Curveの検討
演者
小村 直弘 (横浜市立大学附属病院 循環器内科)
BPA後のCTEPH患者におけるリオシグアトの有用性
演者
青木 竜男 (東北大学 循環器内科学)
最新のカテーテル技術を応用したバルーン肺動脈形成術と薬物によるCTEPHへのhybrid treatment -The lower, the betterの実現へ-
演者
池田 長生 (東邦大学医療センター大橋病院 循環器内科)
肺高血圧治療の現状・未来
演者
田原 宣広 (久留米大学医学部 内科学講座 心臓・血管内科部門)
IPAHはどこまで肺動脈圧が下がれば安心か-運動負荷試験による検討,薬物療法および活動量制限の効果-
演者
菊池 華子 (杏林大学医学部 循環器内科)
Japan PH RegistryにおけるFrench Risk Stratification Scoreの解析
演者
田村 雄一 (国際医療福祉大学医学部 循環器内科科)
座長のことば
肺高血圧症は、安静時平均肺動脈圧が25mmHg以上と定義され(2013年ニース会議)、進行性の肺血管抵抗上昇および肺動脈圧上昇が特徴で、最終的には右心不全を呈する難治性疾患である。現在の分類では障害部位に基づいて大きく5つに分類されている。
今から20年前、わが国にフローランが導入され、その後さまざまな肺血管拡張薬が開発されてきた。現在、特発性・遺伝性肺動脈性肺高血圧症では、プロスタサイクリン経路、一酸化窒素合成経路、エンドセリン経路の薬剤で加療されており、膠原病性肺動脈性肺高血圧症では、それらに加え、免疫抑制療法などが施行されている。慢性血栓塞栓性肺高血圧症に対しては薬物療法と外科的治療が前提ではあるものの、わが国においてはバルーン拡張による肺動脈インターベンションも施行されており、良好な成績を収めている。
以前は極めて予後不良疾患であったが、治療の進歩に加えて、疾患の認知度が向上してきており、早期発見早期治療が行われるようになった。その結果、生命予後が改善してきていると考えられる。
わが国の肺高血圧症治療は世界の最先端を走っている。このような状況を鑑み、本シンポジウムでは、わが国の肺高血圧症治療が、現在どのように行われており、今後どの方向を向いて進んでいくのか、ディスカッションしたい。

13. CKDと心不全についての最近の知見を踏まえて

9月14日(土) 13:30~15:00 第6会場

座長
斎藤 能彦 (奈良県立医科大学 循環器内科)
葭山 稔  (大阪市立大学大学院医学研究科 循環器内科学)
低心機能を有する心不全患者における心機能改善と腎機能障害─HIJ-HF IIコホート研究から─
演者
鈴木 敦  (東京女子医科大学 循環器内科)
CKD合併心不全に対する治療戦略を骨格筋から考える
演者
泉家 康宏 (大阪市立大学医学部附属病院 循環器内科)
CKD合併心不全患者の血中ヘモグロビン値を考える
演者
内藤 由朗 (兵庫医科大学 内科学 循環器内科・冠疾患科)
心腎連関 ~心臓と腎臓,それぞれの視点から~
演者
上田 友哉 (奈良県立医科大学 循環器内科)
座長のことば
心不全症例の60−75%にはCKDの合併が認められる。これは、心不全とCKDが極めて強く関連していることを意味しており、心腎連関と呼ばれ、広く周知されている。
心腎連関に関しては、今回の学会でも「心・腎・貧血連関の解明はどこまで進んだのか?」が会長特別企画として予定されているが、座長の言葉からもわかるようにこの連関の機序に重きを置かれた企画となっている。本シンポジウムでは、臨床的知見に少し焦点を当てて、CKD合併心不全の、病態・診断・治療のトピックをディスカッションしてみたい。
例えば、急性心不全に合併するAKIは可逆性なのか?腎機能を温存する治療法が急性心不全、慢性心不全とも双方で必要なのか?CKD合併慢性心不全の治療戦略はどうするのか?利尿薬の上手な使い方はどうすれば良いのか?RAS阻害薬の最善の用量はどこにあるのか?CKD合併の虚血性心疾患へのインターベンションのタイミングは何時がベストなのか?等、次々に込み上げてくるclinical questionsに対して最近の知見を広く公募し、明日の臨床に役立つディスカッションを行いたい。ふるってご応募お願いいたします。

14. 負荷心エコーの展望

9月14日(土) 14:10~15:40 第7会場

座長
田邊 一明 (島根大学医学部 循環器内科)
平野 豊  (近畿大学医学部附属病院 中央臨床検査部)
弁膜症における負荷心エコーの現状と課題
演者
出雲 昌樹 (聖マリアンナ医科大学 循環器内科)
運動誘発性肺高血圧の臨床的意義と未来
演者
楠瀬 賢也 (徳島大学 徳島大学病院 循環器内科)
僧帽弁閉鎖不全症における運動負荷心エコーの役割とその評価方法
演者
杉本 匡史 (三重大学医学部附属病院 中央検査部)
HFpEF診断のためのDiastolic stress echocardiography
演者
小保方 優 (群馬大学医学部附属病院 循環器内科)
負荷心エコー図法の活かし方
演者
土岐 美沙子(心臓病センター榊原病院 臨床検査科)
座長のことば
負荷心エコー図法は近年、心筋虚血だけではなく、弁膜症、心筋症、あるいは心不全にも利用されており、有用性が高まっている。しかし、運動負荷心エコー図法では現在でも心筋虚血の評価は半定量的な評価方法が用いられる事が多く、ストレインや3Dエコーを用いた評価に至っていない。弁膜症についても運動中の弁逆流の定量評価の妥当性について詳細は明らかではない。拡張心不全心の早期診断に負荷心エコー図法が有用と報告されているが、精度良く診断できるエビデンスは十分とは言えない。運動誘発肺高血圧の検出は、病態把握をする上で有用であるが、出現する理由や意義は、実は個々の心血管疾患において異なっている。本セッションでは前述のような負荷心エコー図検査において現時点ではまだ解決されていない問題点や疑問点について議論する。そして、負荷心エコー図法の重要性と臨床的意義について明らかにしたい。さらには負荷心エコー図法の将来の展望について、会場の先生方と経験豊かな講演者とともに、今後行われる研究の方向性も含めて議論していきたい。

15. 高齢者冠動脈疾患と多臓器連関

9月14日(土) 15:50~17:20 第10会場

座長
原田 和昌 (東京都健康長寿医療センター 循環器内科)
的場 聖明 (京都府立医科大学大学院医学研究科 循環器内科)
高齢化社会における冠動脈疾患およびその併存症の現状と課題
演者
山口 真一郎(近江八幡市立総合医療センター)
冠動脈疾患の各ステージにおける心・骨格筋・脂肪関連
演者
佐藤 亮佑 (横浜市立大学附属市民総合医療センター心臓血管センター内科)
高齢者における大動脈動脈硬化の進行と末梢臓器障害へ影響
演者
小嶋 啓介 (日本大学医学部附属板橋病院 内科学系 循環器内科分野)
高齢者冠動脈疾患における変動性も含めた血圧管理
演者
青山 里恵 (東京都健康長寿医療センター 循環器内科)
TAVI患者における冠動脈疾患の合併頻度と,治療手技・予後に与える影響についての検討
演者
角谷 慶人 (京都府立医科大学附属病院 循環器内科)
座長のことば
65歳以上の高齢者の総人口に占める割合は、平成28年時点において既に27.3%で、80歳以上の高齢者は総人口の8.2%であり、今後も増加の一途である。PCIの進歩はめざましいが、今後も80歳以上の超高齢者に対するPCIには、多くの課題があると考えられる。高齢者は心臓虚血時に自覚症状が乏しく、診断時には既に高度多枝病変であることが、珍しくない。多臓器障害や全身の動脈硬化に基づく合併症が多く、腎障害や閉塞性動脈硬化症の存在もカテーテル治療を困難にする。冠動脈疾患は多枝病変、石灰化病変が多く、心機能低下や冠動脈バイパス既往例が多いことは、PCI症例の難度を高める。
また、2000年初頭まで低下していた本邦の急性心筋梗塞の死亡率低下も、より高齢の患者さんが心筋梗塞になることを背景に、死亡率低下の下げ止まりや再上昇がみられることも事実である。世界の中で最も高齢化の進んだ高齢先進国である日本で心血管疾患を担う循環器内科医が、結集して、高齢者冠動脈疾患の治療や臓器合併症を減らすことが、我々の使命でもあると考えられる。本セッションでは、迫り来る超高齢化社会において各人がどのような工夫やデータを用いて立ち向かうかの気迫を紹介させていただきたい。

16. 循環器疾患における緩和ケアの展望(メディカルスタッフ・チーム)

9月15日(日) 8:00~9:30 第7会場

座長
安斉 俊久 (北海道大学大学院医学研究院 循環病態内科学)
水野 篤  ((財)聖路加国際病院心血管センター 循環器内科)
Impella離脱困難な終末期重症心不全における課題
演者
中川 頌子 (国立循環器病研究センター心臓血管内科)
当院の心不全緩和ケアチームとカンファレンスを通して意思決定支援を行った1事例
演者
熊澤 佐友里 (聖路加国際病院 心血管センター)
ACP支援ツールを用いたACPの取り組みと活動成果~緩和ケアチームを軸とした医療ケアチームとの連携・協働的アプローチを行って~
演者
高田 弥寿子 (国立循環器病研究センター 看護部)
"心不全緩和ケアカンファレンス"の場を用いた,「看-看連携」の取り組み
演者
若林 留美 (東京女子医科大学病院 看護部)
心不全ACP外来におけるプロトコールの開発と実践
演者
東辻 朝彦 (千葉大学大学院 看護学研究科)
座長のことば
世界保健機構の報告によれば、終末期に緩和ケアを必要とする疾患の中で、心血管疾患は最も多くを占めるといわれている。心血管疾患の中でも心不全領域における緩和ケアは、最近改訂された日本循環器学会/日本心不全学会による急性・慢性心不全診療ガイドラインにおいて、新たな項目として記載され、本邦における認知度も年々向上しつつある。しかしながら、緩和ケアといってもどのようなことをするものなのか、未だ明確にはされておらず、それぞれの施設で試行錯誤を重ねながら質の高い診療を目指しているのが現状である。こうした中、緩和ケアチームの運営方法や緩和ケアに対する考え方などを施設間で幅広く共有することは非常に重要と考えられる。本セッションでは、「是非、我がチームの工夫を聞いてほしい!」、「緩和ケアとはこういうものだ!」といったチームにおける考え方や実践のほか、具体的な症例や緩和ケアの中に明確な指針を示すための客観的データ・エビデンスなどについても積極的に発表していただき、循環器疾患における緩和ケアの更なる発展に繋げられるようにしたいと考えている。

17. 循環器疾患の終末期と緩和医療

9月15日(日) 9:40~11:10 第7会場

座長
野々木 宏 (静岡県立病院機構 静岡県立総合病院 集中治療センター)
木原 康樹 (広島大学大学院医歯薬保健学研究科 循環器内科学)
末期心不全と緩和ケア
基調講演
安斉 俊久 (北海道大学大学院医学研究院 循環病態内科学教室)
終末期重症心不全の多様性を考慮した緩和ケア実践の検討
演者
中澤 まゆい(東京女子医科大学 循環器内科)
心不全緩和ケアにおける診療の質評価指標(Quality indicator)の策定と実践
演者
濱谷 康弘 (国立循環器病研究センター 心臓血管内科)
緩和ケアチームと心不全チームの協働の試み
演者
中 麻規子 (広島大学病院 心不全センター)
地方大学病院における心不全緩和ケアの現状
演者
琴岡 憲彦 (佐賀大学医学部 循環器内科・先進心不全医療学講座)
座長のことば
心臓移植などの適応から外れた慢性心不全患者の予後は不良であり、進行がんのそれに匹敵する。2017年改訂版急性・慢性心不全治療ガイドライン(日本循環器学会/日本心不全学会)においては、ステージD(治療抵抗性)心不全患者における治療目標は、再入院予防と終末期ケアのみであることが明記された。厚生労働省「がん等における緩和ケアの更なる推進に関する検討会」でも、非がん領域疾患に対してがんと同様の緩和医療を施すことの必要性が明示され、重傷末期心不全患者に対する緩和診療報酬も昨年一部の償還が承認された。一方、これら終末期医療を求める循環器患者に対して、いつ、どの職種が、どのような体制で、どう緩和医療を実施するべきなのかについては、単に議論が始まったに過ぎない。先行するがん緩和医療や緩和チームから何を学ぶのか、どう協調するのか、がんと非がんの緩和では何が異なるのかなどを含め、全ての具体化はこれからの課題である。本シンポジウムではそれらの問題にいち早く取り組みつつある先駆者に集合いただき、その方向性や展望を広く共有したい。

18. 心筋虚血をどう診断するか

9月15日(日) 10:40~12:10 第8会場

座長
平田 健一 (神戸大学大学院医学研究科 循環器内科学)
天野 哲也 (愛知医科大学 循環器内科)
虚血診断の State of the Art と我が国の課題
演者
香坂 俊  (慶應義塾大学医学部 循環器内科)
虚血診断に基づく安定狭心症に対するPCI
演者
横井 宏佳 (福岡山王病院 循環器センター)
FFR-guided PCIに残された課題
演者
安藤 博彦 (愛知医科大学 循環器内科)
心臓MRIを用いた心筋虚血・冠動脈血流予備能の診断
演者
加藤 真吾 (神奈川県立循環器呼吸器病センター)
冠血行再建適応基準となるFFRCTの使い方
演者
依田 俊一 (日本大学医学部 内科学系循環器内科学分野)
座長のことば
心筋虚血の評価は、虚血性心疾患患者の予後を推定しうるとともに、その治療法の一つである冠動脈インターベンション(PCI)の適応決定においても重要である。とりわけ安定型狭心症においては、2007年のCOURAGE試験の発表以降米国においてAUC appropriate use criteriaの概念が導入され、我が国においても昨年診療改定によりPCI前の虚血の同定が基本的に義務付けられた。これらは、医療資源の適正配分に資するための国の施策の一環と考えられる。このように虚血どう診断するかを問う以前にその意義を再考することが重要と考えられる。平成28年度厚生労働科学特別研究事業報告によれば、安定型狭心症に対するPCI施行全の虚血検査の実施状況は冠動脈血流予備能測定、負荷心電図、負荷エコー、トレッドミル負荷試験、SPECT(心臓核医学検査)を含めて対象施設全体の38%にすぎず、昨年度診療改正のバックグラウンドとなっていると思われる。本シンポジウムでは、虚血診断の重要性を踏まえたうえで、各虚血診断モダリティの光と影について認識を深めたい。

19. A.Iでどこまで心臓病診療は進むか?

9月15日(日) 8:00~9:30 第9会場

座長
坂田 泰史 (大阪大学大学院医学系研究科 循環器内科学)
辻田 賢一 (熊本大学大学院生命科学研究部 循環器内科学)
心電図からカテーテル治療の要否を判断するAIの開発
演者
佐野 元昭 (慶應義塾大学医学部 循環器内科)
心エコー図法における人工知能技術活用の今
演者
楠瀬 賢也 (徳島大学 徳島大学病院 循環器内科)
米国におけるロボットPCIの現在と今後の展望
演者
平井 大士 (University of Missouri, School of Medicine, Columbia, MO)
AIによる画像,自然言語処理,予測モデルの構築
演者
西村 邦宏 (国立循環器病研究センター 予防医学疫学情報部)
座長のことば
心臓病学における「人工知能(AI: Artificial Intelligence)」活用の最大のメリットは何であろうか?「ディープラーニング」(深層学習:deep learning)によって飛躍的な進歩を遂げた「機械学習」がいま脚光を集め、AIが医療の質の向上、不足する医療資源の補填、個別化医療の推進に寄与すると大いに期待されている。厚生労働省は、AI開発を進めるべき6つの重点領域として、①ゲノム医療、②画像診断支援、③診断・治療支援、④医薬品開発、⑤介護・認知症、⑥手術支援を明示している。我が国には、“宝の山”とも言うべき、国民皆保険制度の中で生み出されてきた膨大な保健医療データが存在し、特に心臓病学の領域では、いわゆるビッグデータがあふれているが、過去には様々な縦割り構造のもと、各種データが分散し、相互につながらない形で進められてきた。これらの反省を踏まえ、近年、各種ビッグデータの統合解析が進み、心臓病学における診断支援、治療・手術支援、個別化医療へのAI活用が急ピッチで進んでいる。AIは決して医師業務を肩代わりする単なるコンピューターではなく、医師による適切な診断や治療を支援し、心臓病学の質の向上を増幅・加速させるものであるはずである。このセッションでは、臨床心臓病学における最新のAI活用事例をエキスパートに紹介頂き、AI活用の将来展望を共有したい。幅広い領域からの積極的な応募と活発な議論で未来の至適なAI活用を模索したい。

20. リスクファクター管理における多職種連携のITの未来

9月15日(日) 13:50~15:20 第4会場

座長
苅尾 七臣 (自治医科大学 内科学講座 循環器内科学部門)
吉田 俊子 (聖路加国際大学大学院 看護学研究科)
IoTによる多職種連携生活習慣病管理システムの臨床応用
演者
木村 穣  (関西医科大学附属病院 健康科学センター)
被災地におけるITを用いた血圧管理
演者
西澤 匡史 (南三陸病院)
ICTを活用した遠隔心臓リハビリテーションの実際
演者
谷口 達典 (大阪大学大学院医学系研究科 循環器内科学/バイオデザイン学共同研究講座)
セルフモニタリングと遠隔看護
演者
川口 孝泰 (東京情報大学 看護学部・遠隔看護実践研究センター)
座長のことば
循環器疾患の終末像である心不全患者は、2040年には140万人に達することが予測されており、医療費削減の観点からも継続したリスクコントロールが重要課題となっている。リスクコントロールには、身体活動性の維持、食事療法、薬物療法等への継続した介入が重要であり、認知・精神機能や生活調整を含めた多職種連携による支援が求められる。さらに、低リスク者や健常者においても、予防期からの健康への教育機会を設けていくことが重要である。循環器治療においては、低侵襲化や在院日数の短縮が図られているが、継続的な介入や教育が十分に行われていない現状にあり、リスクコントロールの継続支援にむけた多職種連携による新たな方法を開発していくことが求められる。
近年、医療現場においてはICTの活用が図られており、多様な医療現場での可能性が示されている。本セッションでは、「リスクファクター管理における多職種連携のITの未来」をテーマに、急性期医療から在宅・地域へと継続した介入の現状や課題、可能性や活用方法についてディスカッションを行い、ICTを活用した多職種連携によるシームレスなリスクファクター管理を実施していくための方策を検討していきたい。

ジョイントシンポジウム

日本小児循環器学会・日本心臓病学会ジョイントシンポジウム

成人先天性心疾患に見られる全身合併症

9月15日(日) 8:00~9:30 第12会場

座長
八尾 厚史 (東京大学医学部附属病院 循環器内科)
赤木 禎治 (岡山大学医学部・歯学部附属病院 循環器内科)
成人先天性心疾患に見られる脳神経の合併症
演者
稲井 慶  (東京女子医科大学 循環器小児・成人先天性心疾患科)
成人先天性心疾患に見られる呼吸機能障害(肺高血圧症を除く)
演者
相馬 桂  (東京大学医学部附属病院 循環器内科)
成人先天性心疾患と性差
演者
大内 秀雄 (国立循環器病研究センター 小児循環器、先人先天性心疾患)
成人先天性心疾患に見られる悪性腫瘍(肝癌以外も含めて)
演者
杜 徳尚  (岡山大学医学部 循環器内科)
成人先天性心疾患に見られる精神疾患
演者
森島 宏子 (千葉県循環器病センター 小児科・成人先天性心疾患診療部)

日本心臓リハビリテーション学会・日本心臓病学会ジョイントシンポジウム

進化する心臓リハビリテーションの役割 ~心不全再発・重症化やフレイル予防~

9月14日(土) 13:30~15:00 第11会場

座長
明石 嘉浩 (聖マリアンナ医科大学 循環器内科)
三浦 伸一郎(福岡大学病院 循環器内科)
こころからの疾患予防
演者
長谷川恵美子(聖学院大学 人間福祉学科)
栄養管理のポイント
演者
鈴木 規雄 (聖マリアンナ医科大学横浜市西部病院 循環器内科)
フレイル心不全患者に対する機能的運動療法の実際
演者
高橋 哲也 (順天堂大学 保健医療学部)
IoT技術を用いた在宅管理型心臓リハビリテーション
演者
谷口 達典 (大阪大学大学院医学系研究科 循環器内科学/
バイオデザイン学共同研究講座)

日本心臓核医学会・日本心臓病学会ジョイントシンポジウム

不安定プラークの多角的イメージングと未来

9月14日(土) 15:50~17:20 第9会場

座長
竹石 恭知 (福島県立医科大学 循環器内科学講座)
松尾 仁司 (岐阜ハートセンター 循環器内科)
不安定プラークとは『ACSにおけるプラーク,びらんの意義』
演者
深町 大介 (日本大学医学部内科学系循環器内科 循環器内科)
冠動脈プラークにおける血行力学的因子解析の可能性
演者
大竹 寛雅 (神戸大学医学部附属病院 循環器内科)
冠動脈一次予防戦略に用いる冠動脈MRIプラークイメージング
演者
野口 暉夫 (国立循環器病研究センター)
CTによる不安定プラークイメージング(臨床応用における注意点)
演者
皿井 正義 (藤田医科大学 循環器内科)
PETによる不安定プラークイメージング
演者
田原 宣広 (久留米大学医学部 内科学講座 心臓・血管内科部門)

日本心臓血管外科学会・日本心臓病学会ジョイントシンポジウム

心房性機能性僧帽弁・三尖弁逆流(atrial functional MR/TR)の治療を考える

9月14日(土) 8:00~9:30 第7会場

座長
柴田 利彦 (大阪市立大学医学部附属病院 心臓血管外科)
尾辻 豊  (産業医科大学 第2内科学)
心房性機能性僧帽弁逆流の機序:左室拡大や後尖のhamstringing現象の関与について
演者
阿部 幸雄 (大阪市立総合医療センター)
慢性心房細動に起因する機能性TRのメカニズム:三次元心エコー図検査を用いた検討
演者
宇都宮 裕人(広島大学病院 循環器内科)
慢性心房細動に起因するAtrial functional MR-TRに対する僧帽弁形成術の中期成績-Dual valve diseaseを手術する-
演者
高橋 洋介 (大阪市立大学 心臓血管外科)
Atrial Functional MRに対する中長期手術成績の報告
演者
福嶌 五月 (国立循環器病研究センター 心臓外科)
Mitral annuloplasty for atrial functional mitral regurgitation in patients with chronic atrial fibrillation
演者
坂口 太一 (兵庫医科大学 心臓血管外科)

心筋生検研究会・日本心臓病学会ジョイントシンポジウム

心筋病理に立脚した心臓アミロイドーシス診断update

9月14日(土) 8:00~9:30 第4会場

座長
河村 俊治 (東京女子医科大学東医療センター 病理診断科)
猪又 孝元 (北里大学北里研究所病院 循環器内科)
心臓アミロイドーシスの診断―何が問題か
オープニング
猪又 孝元 (北里大学北里研究所病院 循環器内科)
心臓アミロイドーシスの病理診断~どう辿り着けるか
演者
中村 一文 (岡山大学大学院医歯薬学総合研究科 循環器内科学)
心筋生検による心臓アミロイドーシスの見方 ~ 光顕と免疫染色
演者
河村 俊治 (東京女子医科大学東医療センター 病理診断科)
心筋生検における心臓アミロイドーシスの見方~電顕
演者
竹村 元三 (朝日大学 内科学分野)
心臓イメージングによる心臓アミロイドーシス診断~現状と課題
演者
久保田 徹 (福岡県済生会福岡総合病院 循環器内科)
他臓器アミロイドーシスでの病理診断~神経病変に学ぶ
演者
小池 春樹 (名古屋大学大学院医学系研究科 神経内科学)

日本循環器心身医学会・日本心臓病学会ジョイントシンポジウム

脳卒中・循環器病における緩和ケアを拡げよう

9月15日(日) 13:50~15:20 第2会場

座長
木原 康樹 (広島大学 循環器内科学)
斎藤 正樹 (札幌医科大学 神経内科学)
脳卒中・循環器病対策基本法とこれからの緩和ケア
演者
伊藤 弘人 (独立行政法人 労働者健康安全機構)
循環器疾患における末期医療に関する提言の改訂について
演者
安斉 俊久 (北海道大学大学院医学研究院 循環病態内科学教室)
脳卒中の緩和ケア
演者
斎藤 正樹 (札幌医科大学 神経内科 医療人育成センター)
循環器病の緩和ケアを拡げよう
演者
大石 醒悟 (兵庫県立姫路循環器病センター 循環器内科)
心不全緩和ケアにおける看護師の役割と育成のあり方
演者
山田 佐登美(川崎医科大学総合医療センター 看護部)

KSCMS-JCCジョイントシンポジウム

State-of-Art: Control of Dyslipidemia and Hypertension

9月14日(土) 10:20~11:50 第10会場

座長
Kwang Kon KOH
(Cardiology, Gachon University Gil Medical Center, Korea)
Keiichi Fukuda
(Department of Cardiology, Keio University School of Medicine)
Strategies to Overcome Residual Risks During Statins Era
演者
Kwang Kon KOH
(Cardiology, Gachon University Gil Medical Center, Korea)
Clinical Perspectives of Triglyceride Deposit Cardiomyovasculopathy (TGCV)
-Disease Discovered in Japan and the Role of Nuclear Cardiology-
演者
Hideyuki Miyauchi
(Department of Cardiovascular Medicine, Chiba University Graduate School of Medicine)
Reappraisal: Importance of Left Ventricular Hypertrophy in Hypertension Evaluation and Control
演者
Seong-Mi PARK
(Division of Cardiology, Anam Hospital Korea University College of Medicine, Korea)
A close relationship between atrial fibrillation and sleep apnea
演者
Yoshihisa Naruse
(Division of Cardiology, Internal Medicine III, Hamamatsu University School of Medicine)

JCCケースカンファレンス
【地域医療/実地医家活動委員会企画】

1. 中国チーム(肺高血圧)

9月13日(金) 14:50~15:50 第4会場

座長
中村 一文 (岡山大学大学院医歯薬学総合研究科 循環器内科学)
土肥 由裕 (呉共済病院 循環器内科学)
コメンテーター
江尻 健太郎(岡山大学病院 循環器内科)
内藤 貴教 (国立病院機構 岡山医療センター 循環器内科)
檜垣 忠直 (広島市立広島市民病院 循環器内科)
重篤化した青黛(せいたい)誘発性肺動脈性肺高血圧症
症例発表
土肥 由裕 (国家公務員共済組合連合会呉共済病院 循環器内科)
ミニレクチャー
赤木 達  (岡山大学大学院医歯薬学総合研究科 循環器内科学)

2. 東北チーム(虚血性心疾患)

9月13日(金) 17:00~18:00 第9会場

座長
伊藤 智範 (山形大学医学部 内科学第一講座)
渡邉 哲  (岩手医科大学内科学講座 循環器内科分野/医学教育学講座 地域医療学分野)
コメンテーター
大瀧 陽一郎(山形大学附属病院 第一内科)
進藤 智彦 (東北大学病院 循環器内科)
横田 貴志 (弘前大学大学院医学研究科 循環器腎臓内科学講座)
冠動脈バイパスグラフトに対するPCI症例
症例発表
加藤 宗  (秋田大学大学院医学系研究科 循環器内科学講座)
ミニレクチャー
中里 和彦 (福島県立医科大学 循環器内科学講座)

3. 四国チーム(心筋症)

9月14日(土) 9:40~10:40 第2会場

座長
久保 亨  (高知大学医学部 老年病・循環器内科学)
大木元 明義(市立宇和島病院 循環器内科)
コメンテーター
添木 武  (徳島大学大学院医歯薬学研究部 循環器内科学)
野間 貴久 (香川大学医学部 循環器・腎臓・脳卒中内科学)
西村 和久 (愛媛大学大学院 循環器・呼吸器・腎高血圧内科学)
マネジメントに難渋した閉塞性肥大型心筋症の1例
症例発表
杉浦 健太 (高知大学医学部老年病・循環器内科学)
ミニレクチャー
久保 亨  (高知大学医学部 老年病・循環器内科学)

4. 北陸チーム(大動脈疾患)

9月14日(土) 8:00~9:00 第9会場

座長
川尻 剛照 (金沢大学附属病院 循環器内科)
宇隨 弘泰 (福井大学医学部附属病院 循環器内科)
コメンテーター
酒巻 一平 (富山大学大学院医学薬学研究部 感染予防医学講座)
福田 信之 (富山大学 第二内科)
若狭 稔  (金沢医科大学 循環器内科学)
発熱を主訴とした胸部大動脈ステントグラフト留置後の一剖検例
症例発表
山上 幹  (国民健康保険 小松市民病院 内科)
ミニレクチャー
西田 聡  (福井県立病院 心臓血管外科)

5. 東海チーム(不整脈)

9月14日(土) 16:20~17:20 第2会場

座長
藤井 英太郎(名張市立病院 循環器内科)
因田 恭也 (名古屋大学 循環器内科)
コメンテーター
森島 逸郎 (大垣市民病院 循環器内科)
長内 宏之 (公立陶生病院 循環器内科)
原田 将英 (藤田医科大学 循環器内科)
アブレーションにより心機能の改善が図れたPCV induced cardiomyopathyの一例
症例発表
藤田 聡  (三重大学医学部附属病院 循環器内科)
ミニレクチャー
夛田 浩  (福井大学医学部 病態制御医学講座 循環器内科学)

6. 北海道チーム(重症心不全)

9月14日(土) 14:40~15:40 第8会場

座長
永井 利幸 (北海道大学大学院医学研究院 循環病態内科学)
永野 伸卓 (札幌医科大学 循環器・腎臓・代謝内分泌内科学講座)
コメンテーター
神津 英至 (札幌医科大学附属病院 循環器・腎臓・代謝内分泌内科学)
坂本 央  (旭川医科大学 内科学講座 循環・呼吸・神経病態内科学分野)
佐藤 宏行 (手稲渓仁会病院 循環器内科)
短期間で心不全入院を繰り返した若年重症心不全の一例
症例発表
西川 諒  (札幌医科大学附属病院 循環器・腎臓・代謝内分泌内科学)
ミニレクチャー
佐藤 琢真 (北海道大学大学院医学研究院 循環病態内科学)

7. 九州/沖縄チーム(高血圧症)

9月14日(土) 16:20~17:20 第12会場

座長
宮田 昌明 (鹿児島市立病院 循環器内科)
三浦 伸一郎(福岡大学病院 循環器内科)
コメンテーター
大屋 祐輔 (琉球大学循環器・腎臓・神経内科学)
甲斐 久史 (久留米大学医療センター 循環器内科)
芦澤 直人 (日本赤十字社長崎原爆病院 循環器内科)
カテーテルでの高血圧診療(内科医によるAVS)
症例発表
岡村 圭祐 (福岡大学筑紫病院 循環器内科)
ミニレクチャー
大石 充  (鹿児島大学大学院 心臓血管・高血圧内科学)

8. 関西チーム(弁膜症)

9月15日(日) 9:35~10:35 第9会場

座長
泉 知里  (国立循環器病研究センター 心臓血管内科)
田中 秀和 (神戸大学大学院 循環器内科学分野)
コメンテーター
望月 泰秀 (昭和大学医学部 内科学講座 循環器内科学)
岡田 厚  (国立循環器病研究センター 心臓血管内科)
岡本 一真 (明石医療センター 心臓血管低侵襲治療センター)
治療方針に悩んだ大動脈弁狭窄症の一例
症例発表
山崎 誠太 (天理よろづ相談所病院 循環器内科)
ミニレクチャー
田中 秀和 (神戸大学大学院医学研究科循環器内科学分野)

9. 関東チーム(成人先天性心疾患)

9月15日(日) 9:35~10:35 第12会場

座長
松本 直也 (日本大学病院 循環器内科)
石津 智子 (筑波大学 臨床検査医学)
コメンテーター
仁田 学  (横浜市立大学 循環器内科)
相馬 桂  (東京大学医学部 循環器内科)
小板橋 紀通(群馬大学医学部附属病院 循環器内科)
運動時VTを起こした一例
症例発表
田村 雄一 (国際医療福祉大学三田病院 心臓血管センター)
ミニレクチャー
今井 靖  (自治医科大学循環器内科学部門・臨床薬理学部門)

Physical Examinationを学ぶ【教育委員会企画】

1.[臨床編]Physical examinationを使う

9月14日(土) 8:00~9:10 第6会場

座長
佐藤 徹  (杏林大学医学部 循環器内科)
心不全の身体所見
演者
中岡 洋子 (社会医療法人 近森会 近森病院 循環器内科)
弁膜症の身体所見
演者
林田 晃寛 (心臓病センター榊原病院)
心筋症の身体所見
演者
川﨑 達也 (松下記念病院 循環器内科)

2. [実践編]physical examinationを活かす

9月14日(土) 9:20~10:30 第6会場

座長
大倉 宏之 (岐阜大学大学院医学系研究科 循環病態学)
感染症診療に活かす
演者
藤本 卓司 (耳原総合病院 救急総合診療科)
プライマリケア外来で活かす身体診察
演者
板金 広  (いたがねファミリークリニック/21 世紀 適々斎塾)
画像診断に活かす:physical examinationを心エコー図検査と上手く組み合わせる
演者
阿部 幸雄 (大阪市立総合医療センター 循環器内科)

3. [応用編]エキスパートのphysical examination

9月14日(土) 10:40~11:50 第6会場

座長
室生 卓  ((医)倫生会 みどり病院 心臓弁膜症センター内科)
手からの診察 - 爪でここまでわかる
演者
須藤 博  (大船中央病院 内科)
心音でここまでわかる
演者
山崎 直仁 (高知大学医学部 老年病・循環器内科学)
頚静脈でここまでわかる
演者
山本 正治 (山本内科循環器科)

チーム医療委員会セッション

循環器疾患を患う認知症患者の現状とケアの実際

9月13日(金) 14:50~16:20 第12会場

座長
池亀 俊美 (日本心臓血圧研究振興会附属 榊原記念病院 看護部)
高橋 哲也 (順天堂大学 保健医療学部)
循環器疾患における認知症リスク及びそのケアを考える
基調講演
荒井 秀典 (国立長寿医療研究センター)
循環器疾患を患う認知症患者に対する精神科リエゾンチーム活動の実際
演者
玉田 田夜子(兵庫県立姫路循環器病センター 看護部)
心臓弁膜症術後,認知機能低下のリスク因子と予防についての検討
演者
内藤 喜隆 (心臓病センター榊原病院 リハビリテーション室)
臨床心理士の立場から「認知症をどう受け止めるのか」
演者
長谷川恵美子(聖学院大学 人間福祉学科)
ミニメンタルステート検査(MMSE)による認知機能評価に基づいた服薬管理の導入と成果
演者
芦川 直也 (豊橋ハートセンター 薬局)

成人先天性心疾患問題検討委員会セッション

成人先天性心疾患における終末期医療と緩和ケア

9月13日(金) 16:30~18:00 第3会場

座長
稲井 慶  (東京女子医科大学心臓病センター 循環器小児科)
水野 篤  ((財)聖路加国際病院心血管センター 循環器内科)
コメンテーター
武田 充人 (北海道大学病院 小児科)
立野 滋  (千葉県循環器病センター 小児科)
仁田 学  (横浜市立大学附属病院 循環器・腎臓高血圧内科)
藤井 隆成 (昭和大学病院 小児循環器・成人先天性心疾患センター)
宮﨑 文  (天理よろづ相談所病院 小児科)
成人先天性心疾患患者における緩和ケアとアドバンスドケアプランニング
基調講演1
福田 旭伸 (聖路加国際病院 循環器内科/UCLA Ahmanson/Adult Congenital Heart Disease Center)
心不全の在宅緩和ケア
基調講演2
弓野 大  (医療法人社団ゆみの)
チアノーゼ性成人先天性心疾患の終末期医療における緩和ケアの経験
症例検討1
朝貝 省史 (東京女子医科大学病院 循環器小児科・成人先天性心疾患科)
成人先天性心疾患の末期心不全患者への緩和ケアの経験
症例検討2
西畑 庸介 ((財)聖路加国際病院 循環器内科)
終末期の成人先天性心疾患患者と家族の意思決定支援
症例検討3
水野 芳子 (東京情報大学 看護学部)

男女共同参画委員会セッション

9月13日(金) 16:30~18:00 第12会場

質の高い循環器医療を確保していくための働き方改革とは

座長
瀧原 圭子 (大阪大学キャンパスライフ健康支援センター)
吉田 俊子 (聖路加国際大学大学院看護学研究科)
医師の働き方改革:経緯と展望
基調講演
福井 次矢 (聖路加国際大学 学長、聖路加国際大学 院長)
循環器医療での働き方:現状と課題
演者
山本 一博 (鳥取大学医学部 病態情報内科)
持続可能な医療を目指した医師の働き方を一考する
演者
樗木 晶子 (九州大学大学院医学研究院 保健学部門)

日本心臓病学会 Journal of Cardiology編集委員会「Journal of Cardiologyセッション」

9月14日(土) 13:30~14:30 第9会場

座長
伊藤 浩  (Editor-in-Chief、
岡山大学大学院医歯薬総合研究科 循環器内科学)
中村 一文 (Executive Editor、
岡山大学大学院医歯薬学総合研究科 循環器内科学)
JC刊行状況
演者
伊藤 浩  (Editor-in-Chief、
岡山大学大学院医歯薬総合研究科 循環器内科学)
臨床研究プランニングのコツ
演者
大倉 宏之 (Associate Editor、岐阜大学大学院医学系研究科 循環病態学)
論文の統計データはこう読む
演者
森本 剛  (Statistical Editor、兵庫医科大学 臨床疫学)

心臓病医のための集中講義

1. 静脈血栓塞栓症の診断と治療(リスク評価・発症後のマネージメント)

9月13日(金) 8:30~9:20 第4会場

座長
石橋 宏之 (愛知医科大学 外科学講座血管外科)
山田 典一 (桑名市総合医療センター 循環器内科)
静脈血栓塞栓症の診断
演者
杉村 宏一郎(東北大学病院循環器内科)
静脈血栓塞栓症の治療
演者
山本 剛  (日本医科大学付属病院 心臓血管集中治療科)

2. 虚血性心疾患に対する抗凝固薬・抗血小板薬の使い方(使用方法・中断基準)

9月13日(金) 10:05~10:55 第11会場

座長
小林 欣夫 (千葉大学大学院医学研究院 循環器内科学)
併存症に応じた抗凝固薬・抗血小板薬の使い方
演者
七里 守  (榊原記念病院 循環器内科)
非心臓手術や内視鏡治療時の休薬に関する考えかた
演者
田邉 健吾 (三井記念病院)

3. 成人先天性心疾患診療ガイドラインから基本を学ぶ(内科管理・外科治療)

9月13日(金) 10:55~11:45 第11会場

座長
稲井 慶  (東京女子医科大学心臓病センター 循環器小児科)
八尾 厚史 (東京大学医学部附属病院 循環器内科)
成人ファロー四徴症診療(内科管理)
演者
立野 滋  (千葉県循環器病センター 成人先天性心疾患診療部)
成人先天性心疾患:修復後成人ファロー四徴症患者の再手術 総合的に再手術適応を考慮する
演者
市川 肇  (国立循環器病研究センター 小児心臓外科)

4. 肥大心の鑑別と治療

9月14日(土) 14:00~14:50 第3会場

座長
北岡 裕章 (高知大学医学部 老年病・循環器内科学)
檜垣 實男 (南松山病院 内科)
肥大心の鑑別と治療(治療パート)
演者
久保 亨  (高知大学 医学部 老年病・循環器内科学)
"Looking for Zebra(シマウマ探し)"に陥らない肥大心鑑別の系統的アプローチ
演者
奥村 貴裕 (名古屋大学医学部附属病院 重症心不全治療センター/
名古屋大学大学院医学系研究科 循環器内科学)

5. 最新のエビデンスに基づく心房細動診療(疫学・治療)

9月14日(土) 14:50~15:40 第3会場

座長
熊谷 浩一郎(福岡山王病院 ハートリズムセンター)
平尾 見三 (AOI国際病院 不整脈先端治療センター)
心房細動の疫学データから標準的診療アプローチを読み解く
演者
佐々木 真吾(弘前大学大学院医学研究科 循環器腎臓内科学講座)
最新のエビデンスに基づく心房細動治療
演者
里見 和浩 (東京医科大学病院 不整脈センター)

6. 最新の急性・慢性心不全診療(急性期・慢性期)

9月15日(日) 11:20~12:10 第2会場

座長
百村 伸一 (自治医科大学附属さいたま医療センター 循環器内科)
佐藤 直樹 (日本医科大学武蔵小杉病院 内科・循環器内科・集中治療室)
今どきの慢性心不全診療
演者
猪又 孝元 (北里大学北里研究所病院 循環器内科)
知らないと損! 最新の急性心不全診療のポイント
演者
衣笠 良治 (鳥取大学医学部附属病院 循環器科)

7. 非糖尿病専門医がすべき糖尿病診療(リスク評価・血糖コントロール)

9月15日(日) 9:40~10:30 第4会場

座長
湊口 信也 (岐阜市民病院 心不全センター)
新家 俊郎 (昭和大学病院 循環器内科)
糖尿病患者の腎・心保護
演者
佐野 元昭 (慶應義塾大学医学部 循環器内科)
非糖尿病専門医の循環器内科医がすべき糖尿病診療
演者
吉町 文暢 (東海大学医学部付属八王子病院 循環器内科)

8. 血管機能検査を心臓病診療に活用する

9月15日(日) 8:00~8:50 第5会場

座長
山科 章  (東京医科大学 医学教育推進センター)
佐田 政隆 (徳島大学大学院医歯薬学研究部 循環器内科学)
血管機能検査を心臓病診療に活用する:FMD
演者
東 幸仁  (広島大学)
血管機能検査を心臓病診療に活用する:Endo-PAT検査を中心に,FMD検査との比較をまじえて
演者
竹本 恭彦 (大阪市立大学大学院医学研究科 総合医学教育学総合診療センター/循環器内科学)

9. 生涯治療戦略としての複雑病変に対するPCIとCABG:内科の立場、外科の立場

9月15日(日) 9:40~10:30 第6会場

座長
夜久 均  (京都府立医科大学大学院医学研究科 心臓血管外科学)
横井 宏佳 (福岡山王病院 循環器センター)
内科の立場
演者
横井 宏佳 (福岡山王病院 循環器センター)
CABG治療効果の大きさから年代別に生涯治療戦略を再構築する
演者
大野 貴之 (三井記念病院 心臓血管外科)

JCC Network Session

9月15日(日) 9:05~10:35 第11会場

座長
弓野 大  (医療法人社団ゆみの)
勝谷 友宏 (勝谷医院)
病棟勤務医と訪問診療医兼務の課題
演者
嘉数 朗  (おもろまちメディカルセンター 循環器内科)
脳心血管画像クリニックにて未病を可視化~2万人の画像データからの提言~
演者
知久 正明 (メディカルチェックスタジオ東京銀座クリニック)
地域診療所におけるペーシングデバイス遠隔モニタリングの有用性
演者
真中 哲之 (浅草ハートクリニック)
ハートクリニック外来への高精度体成分分析装置(InBody770 )の応用
演者
蓼原 太  (たではらクリニック)
循環器疾患の予防と未病を意識した循環器クリニックとしての試み
演者
今井 道生 (いまい内科ハートクリニック)
在宅療養支援病院が行う地域急性期循環器病院在宅訪問心不全診療のスタートアップ支援
演者
廣瀬 憲一 (医療法人社団守成会 広瀬病院)
座長のことば
少子高齢化に伴う独居高齢者の増加、疾患の複雑化・慢性化など疾病構造の大きな変化が問題となっている。一方で、病床の減少、入院期間の短縮など も求められていることから、自分らしい暮らしを最期まで続けられるような地域包括ケアシステムの構築が急ピッチで進んできている。このような地域 包括ケアにおいて、“心臓病=命に直結”という強いイメージから、地域の医療介護においては、苦手意識が浸透しており、循環器医療を地域から支え る循環器専門クリニックの担う役割は非常に大きい。
本セッションにおいては、JCC Network Sessionと題して、循環器医療を地域から支える循環器専門クリニックの様々な取り組みをご紹介頂き、循環器領域における地域包括ケアの充実とともに、時代に合った臨床心臓病学の発展につながることが期待される。

YIA(Young Investigator's Award)最終選考会

9月13日(金) 9:00~10:00 第10会場

選考委員
阿古 潤哉 (選考委員長)
萩原 誠久 (代表理事)
石津 智子、今井 靖、大倉 宏之、草野 研吾、辻田 賢一
(50音順・敬称略)
Quantification of DNA Damage in Heart Tissue as A Novel Prediction Tool for Therapeutic Prognosis
演者
候 聡志  (東京大学大学院医学系研究科 重症心不全治療開発講座)
Substantial Cardiovascular Risks in Double-heterozygotes for LDLR and PCSK9 Gene Variants
演者
土井 貴仁 (国立循環器病研究センター 心臓血管内科)
Reverse Remodeling of the Mitral Valve Complex After Radiofrequency Catheter Ablation for Atrial Fibrillation: Serial Three-dimensional Echocardiographic Study
演者
西野 峻  (宮崎市郡医師会病院 心臓病センター 循環器内科)
Poor Outcomes in Carriers of the RNF213 Variant (p.Arg4810Lys) with Pulmonary Arterial Hypertension: as a Member of RNF213-associated Vascular Diseases
演者
平出 貴裕 (慶應義塾大学医学部 循環器内科)

ランチョンセミナー

1. ミネラルコルチコイド受容体拮抗薬(MRB)を知る、活かす

9月13日(金) 12:00~13:00 第2会場

座長
伊藤 正明 (三重大学大学院医学系研究科 循環器・腎臓内科学)
演者
伊藤 浩  (岡山大学大学院医歯薬学総合研究科 循環器内科学)
共催
第一三共株式会社

2. 心臓突然死に対する最新のICD治療戦略

9月13日(金) 12:00~13:00 第3会場

座長
萩原 誠久 (東京女子医科大学 循環器内科)
演者
鎌倉 令  (国立循環器病研究センター 不整脈科)
共催
日本メドトロニック株式会社

3. Managing PAH together

9月13日(金) 12:00~13:00 第4会場

座長
福本 義弘 (久留米大学医学部 内科学講座 心臓・血管内科部門)
演者
Luke Howard
(Hammersmith Hospital, London)
Wendy Gin-Sing
(Hammersmith Hospital, London)
共催
アクテリオン ファーマシューティカルズ ジャパン株式会社/日本新薬株式会社

4.

9月13日(金) 12:00~13:00 第5会場

座長
阿古 潤哉 (北里大学医学部 循環器内科学)
予後改善のための包括的脂質異常症治療
- 動脈硬化性疾患に対する炎症抑制作用の意義 -
演者
岩田 洋  (順天堂大学大学院医学研究科 循環器内科学)
冠動脈疾患における包括的脂質管理
演者
辻田 賢一 (熊本大学大学院 生命科学研究部 循環器内科学)
共催
持田製薬株式会社

5. 冠動脈疾患患者へのICD植込みと最新の心内心電図モニタリング機能

9月13日(金) 12:00~13:00 第6会場

座長
吉田 幸彦 (名古屋第二赤十字病院)
演者
渡部 徹也 (大阪急性期・総合医療センター 心臓内科)
共催
アボットメディカルジャパン株式会社

6. CAD合併心房細動患者に対する抗血栓療法のパラダイムシフト

9月13日(金) 12:00~13:00 第7会場

座長
中村 正人 (東邦大学医療センター大橋病院 循環器内科)
演者
的場 哲哉 (九州大学病院 循環器内科)
共催
バイエル薬品株式会社

7. 2型糖尿病のより良い治療を目指して

9月13日(金) 12:00~13:00 第8会場

座長
室原 豊明 (名古屋大学大学院医学系研究科 循環器内科学)
DKDを合併した糖尿病患者に対する新たな治療戦略
演者
佐野 元昭 (慶應義塾大学医学部 循環器内科)
CGMが解き明かすDPP-4阻害薬とSGLT2阻害薬併用の臨床的意義
演者
森 豊   (東京慈恵会医科大学 内科学講座 糖尿病・代謝・内分泌内科/
東京慈恵会医科大学附属第三病院 糖尿病・代謝・内分泌内科)
共催
MSD 株式会社

8. 循環器疾患の発症や進展予防に活かす脂肪酸関連のトピックス

9月13日(金) 12:00~13:00 第9+10会場

座長
平田 健一 (神戸大学大学院医学研究科 循環器内科学分野)
演者
島田 和典 (順天堂大学医学部 循環器内科学講座)
共催
武田薬品工業株式会社

9. 行動経済学の視点から:
どうすれば高齢患者の合理的な治療選択を支援できるか-TAVIのケース-

9月13日(金) 12:00~13:00 第11会場

座長
中尾 浩一 (社会福祉法人 恩賜財団 済生会熊本病院)
演者
平井 啓  (大阪大学大学院人間科学研究科)
坂巻 弘之 (神奈川県立保健福祉大学大学院)
共催
エドワーズライフサイエンス株式会社

10. 心不全診療のトピックス ~糖尿病治療戦略を踏まえて~

9月13日(金) 12:00~13:00 第12会場

座長
野出 孝一 (佐賀大学医学部 内科学講座)
演者
絹川 弘一郎(富山大学大学院医学薬学研究部(医学)内科学(第二)講座)
共催
小野薬品工業株式会社/アストラゼネカ株式会社

11. 日本人高齢者におけるアピキサバンの有効性と安全性
~大規模研究からの最新知見

9月14日(土) 12:10~13:10 第2会場

座長
清水 渉  (日本医科大学大学院医学研究科 循環器内科学分野)
演者
赤尾 昌治 (独立行政法人国立病院機構 京都医療センター 循環器内科)
共催
ブリストル・マイヤーズ スクイブ株式会社/ファイザー株式会社

12. 心拍数と心不全

9月14日(土) 12:10~13:10 第3会場

座長
百村 伸一 (自治医科大学附属さいたま医療センター)
演者
安斉 俊久 (北海道大学大学院医学研究院 循環病態内科学)
共催
小野薬品工業株式会社

13. 心室不整脈の治療戦略 ~心臓突然死を減らすために~

9月14日(土) 12:10~13:10 第4会場

座長
伊苅 裕二 (東海大学医学部内科学系 循環器内科)
演者
原田 将英 (藤田医科大学 循環器内科)
共催
ボストン・サイエンティフィック ジャパン株式会社

14. 冠動脈疾患に対する抗血栓療法の最新情報

9月14日(土) 12:10~13:10 第5会場

座長
大倉 宏之 (岐阜大学大学院医学系研究科 循環・呼吸病態学)
演者
上妻 謙  (帝京大学医学部 内科学講座 循環器内科)
共催
第一三共株式会社

15.

9月14日(土) 12:10~13:10 第6会場

座長
木原 康樹 (広島大学大学院医系科学研究科 循環器内科学)
心不全バイオマーカー:ナトリウム利尿ペプチドと心筋トロポニン
演者
佐藤 幸人 (兵庫県立尼崎総合医療センター 循環器内科)
左室駆出率から心不全を再考する
演者
奥村 貴裕 (名古屋大学附属病院 重症心不全治療センター)
共催
ノバルティス ファーマ株式会社 メディカル本部

16. 循環器診療における放射線被ばくと術者負担の軽減
~ Zero-Gravity®使用経験~

9月14日(土) 12:10~13:10 第7会場

座長
Takumi Yamada
(University of Alabama at Birmingham Division of Cardiovascular Disease, USA)
演者
佐藤 公洋 (名古屋ハートセンター 循環器内科)
共催
バイオトロニックジャパン株式会社

17. 患者主体の心房細動治療について考える
~経皮吸収型β1 遮断薬の活用法~

9月14日(土) 12:10~13:10 第8会場

座長
池田 隆徳 (東邦大学大学院医学研究科 循環器内科学)
演者
髙橋 尚彦 (大分大学医学部 循環器内科・臨床検査診断学講座)
共催
トーアエイヨー株式会社

18. 冠動脈疾患二次予防における残された課題

9月14日(土) 12:10~13:10 第9+10会場

座長
代田 浩之 (順天堂大学大学院医学研究科循環器内科学/
順天堂大学保健医療学部)
冠動脈CTによるプラーク評価の有用性
演者
志賀 悠平 (福岡大学医学部 心臓・血管内科学講座)
長期成績向上のための至適薬物療法
~ハイリスク患者におけるVulnerable Plaqueの管理により次のACSの再発を防ぐ~
演者
川﨑 友裕 (新古賀病院 心臓血管センター)
共催
アステラス製薬株式会社/アステラス・アムジェン・バイオファーマ株式会社

19. 肺高血圧症の早期診断と内服治療

9月14日(土) 12:10~13:10 第11会場

座長
福田 恵一 (慶應義塾大学医学部 循環器内科)
演者
橋本 暁佳 (札幌医科大学医学部 病院管理学 兼 循環器・腎臓・代謝内分泌内科学講座)
共催
日本新薬株式会社/アクテリオン ファーマシューティカルズ ジャパン株式会社

20. 高血圧からみた心房細動
‐ アップストリーム治療はもはや存在しないのか?

9月14日(土) 12:10~13:10 第12会場

座長
萩原 誠久 (東京女子医科大学 循環器内科)
演者
堀尾 武史 (石切生喜病院 高血圧総合内科)
共催
武田薬品工業株式会社

21. サムスカで変わった心不全の体液管理
ーガイドラインを踏まえー

9月15日(日) 12:30~13:30 第2会場

座長
竹石 恭知 (福島県立医科大学 循環器内科学講座)
演者
桑原 宏一郎(信州大学医学部 循環器内科学教室)
共催
大塚製薬株式会社

22. トランスサイレチン型心アミロイドーシスの的確な診断と最新の治療

9月15日(日) 12:30~13:30 第4会場

座長
伊藤 浩  (岡山大学大学院医歯薬学総合研究科 循環器内科学 )
演者
泉家 康宏 (大阪市立大学 循環器内科学)
共催
ファイザー株式会社

23. PCIの光と影

9月15日(日) 12:30~13:30 第5会場

座長
辻田 賢一 (熊本大学大学院生命科学研究部 循環器内科学)
演者
中村 淳  (新東京病院)
共催
第一三共株式会社

24. 心不全を併存する糖尿病治療~心血行動態からの考察~

9月15日(日) 12:30~13:30 第6会場

座長
弓野 大  (医療法人社団ゆみの)
演者
大西 勝也 (大西内科ハートクリニック)
共催
日本ベーリンガーインゲルハイム株式会社/日本イーライリリー株式会社

25. 心腎連関を考慮した糖尿病治療

9月15日(日) 12:30~13:30 第7会場

座長
室原 豊明 (名古屋大学大学院医学系研究科 循環器内科学)
演者
阿古 潤哉 (北里大学医学部 循環器内科学)
共催
田辺三菱製薬株式会社

26. 近代見直されている積極的脂質低下療法

9月15日(日) 12:30~13:30 第8会場

座長
島田 和典 (順天堂大学 医学部 内科学教室 循環器内科学講座)
演者
石井 秀樹 (名古屋大学医学部附属病院 循環器内科)
共催
MSD 株式会社/バイエル薬品株式会社

27. エビデンスに基づく心不全診療
~CHART研究から読み解く心不全と心拍数~

9月15日(日) 12:30~13:30 第9+10会場

座長
木原 康樹 (広島大学大学院 医系科学研究科 循環器内科学)
演者
坂田 泰彦 (東北大学大学院医学系研究科 循環器内科学分野)
共催
小野薬品工業株式会社

28. New treatment of Fabry Cardiomyopathy: Pharmacological Chaperone

9月15日(日) 12:30~13:30 第11会場

座長
長谷部 直幸(旭川医科大学 内科学講座 循環・呼吸・神経病態内科学分野)
演者
Frank Weidemann
(Medizinischen Klinik I, Klinikum Vest GmbH, German)
共催
アミカス・セラピューティクス株式会社

モーニングセミナー

1. 抗血栓療法のCutting Edge

9月14日(土) 7:30~8:20 第5会場

座長
石黒 久晶 (医療法人社団誠馨会新東京病院 心臓内科)
演者
平山 篤志 (大阪警察病院 循環器内科)
共催
バイエル薬品株式会社

2. 皆で共有すべき急性心不全治療の基本

9月15日(日) 7:30~8:20 第2会場

座長
安田 聡  (国立循環器病研究センター)
演者
佐藤 直樹 (かわぐち心臓呼吸器病院 循環器内科)
共催
大塚製薬株式会社

3. ACS患者における厳格脂質管理-ガイドライン改定も含めて-

9月15日(日) 7:30~8:20 第8会場

座長
的場 聖明 (京都府立医科大学大学院医学研究科 循環器内科学)
演者
阿古 潤哉 (北里大学医学部 循環器内科学)
共催
サノフィ株式会社

ファイアーサイドシンポジウム

9月13日(金) 18:10~19:10 第8会場

座長
久留 一郎 (鳥取大学大学院医学系研究科 再生医療学)
iPS細胞を用いた循環器疾患研究
演者
湯浅 慎介 (慶應義塾大学医学部 循環器内科)
共催
ファイザー株式会社