ビジュアルワークショップ3

血管内イメージングの最前線

小林 欣夫(千葉大学大学院医学研究院 循環器内科学)
新家 俊郎(神戸大学大学院 医学研究科 循環器内科学分野)
1970年代に虚血性心疾患に対する冠動脈造影法が臨床現場に導入され狭窄の程度とその分布を可視化することが可能となったが、プラーク量や分布、その性状を診断することはできなかった。血管の「壁の病気」を診断するために1980年代後半から血管内超音波法 (intravascular ultrasound: IVUS), 血管内視鏡 (coronary angioscopy) が導入され、最近では超音波RF信号解析、光干渉断層映像法 (optical coherence tomography: OCT) が臨床応用され、より微細な冠動脈壁構造を理解することが可能となった。またComputed tomography (CT) の技術革新の結果、心臓全体の解剖学的情報を含んで血管病変を詳細に理解できるようになった。これら血管内イメージングは病理標本と対比することで発展し、また同時に冠動脈インターベンション (PCI)ガイドとしての地位を築いてきた。今後は、疾患・病変の自然経過や予後をいかに予測し治療に繋げるかが課題となるであろう。本セッションでは、それぞれのmodalityの進歩について、最新の知見を共有して議論する場としたい。