特別企画6

肺高血圧診療の進歩

伊藤 正明(三重大学大学院医学系研究科 循環器・腎臓内科学)
佐藤 徹 (杏林大学医学部 循環器内科)
我々座長が中堅医師であった2000年頃には、肺高血圧症は不治の病で、原因は全くの闇、治療方法は対症療法だけであった。そしてこの25年間の肺高血圧症診療の進歩は怒濤の如きで、進歩の著しい循環器領域にあっても特に目覚ましいものであった。この特別企画は、それらの進歩を肺高血圧症の各分野の専門家に短時間でまとめて概括して紹介して頂くため、会長の特別の配慮で実現した。従って、普段、肺高血圧症の患者さんを診療している循環器専門医のみならず、あまり接する機会がない先生方にとっても、肺高血圧症においてどのような進歩が成し遂げられてきたかを短時間で会得することが可能と考える。演者の6人の先生方は実際に各分野で診療を前進させた立役者で、かつ前進の歴史をすべて見守って来られており、「肺高血圧の診療の進歩」が要領よく総括されております。