臨床研究に関する厚労省調査委員会の経過報告

高血圧治療薬バルサルタンに関する５つの臨床試験（Jikei Heart Study、Kyoto Heart Study、SMART、VART、Nagoya Heart Study）全てにおいて何らかの研究不正の存在が明らかとなり、その結果、発表論文の撤回に至ったことは、我が国における研究の信頼性に関わる問題として大きく取り上げられており、現在も検察庁による調査が続いている。この事件について早くから問題点を指摘し、また、本件の調査のために厚生労働省に設置された「高血圧治療薬の臨床研究事案に関する検討委員会」の委員を勤めた桑島巌先生に、なぜこのようなことが起こったのか、その背景にある問題について報告していただく。