シンポジウム14

末梢動脈疾患(PAD)に対するステント治療の進歩と課題

伊苅 裕二(東海大学医学部内科学系循環器内科)
中村 正人(東邦大学医療センター 大橋病院 循環器内科)
末梢動脈疾患は狭義には下肢の血管疾患を意味するが、広義には冠動脈、大動脈以外の血管領域の疾患を指す。したがって、多くの血管疾患が包括される。各々の血管に対する血行再建術の臨床的意義や適応は異なっているが、どの血管領域もステントの登場によって血行再建術としての血管内治療が著しく進歩した点は共通している。治療成績が改善されたことによって血管内治療の適応も次第に拡大されてきた。しかし、一方で薬物治療、外科治療の進歩も著しく、血管内治療の臨床的意義、適応は再考を要すべき時点であることも示唆されている。また、ステントの治療が普及し適応が拡大されたことによって、ステント治療自体の問題点も明らかになってきた。本シンポジウムでは広義の末梢動脈疾患に対するステント治療の成績について現状を総括し、今後の検討課題、方向性を明らかにしていきたい。成績改善のための新たな診断、治療の試みを含めた様々な角度からの演題を公募します。