シンポジウム12

心不全患者に対する多面的アプローチ

筒井 裕之 (北海道大学大学院医学研究科 循環病態内科学)
絹川 弘一郎(東京大学大学院医学系研究科 重症心不全治療開発講座)
心不全治療の幅が広いことは言うまでもないことで、基礎疾患、病型分類、重症度、comorbidity、adherenceなどにより、介入方法も異なるし、また介入後の予後も違ってくる。このシンポジウムでは心不全に対する多面的アプローチと言う大きな枠組みを設定し、それぞれ異なる視点から最新の知見を議論していただきたいと考えている。我が国における心不全患者の実態をレジストリに基づいて検討することでどのような患者がいかに介入され、その予後がどうであるかを知ることができるであろう。介入方法として標準的薬物治療がいかに最適化され、さらに新しい機序の薬剤をいかに使用するかについても議論されることを期待したい。薬物治療で十分でない重症度を有する患者群に対して非薬物治療が適用されるが、デバイス治療、呼吸補助療法さらに運動療法、和温療法などの最新の話題で議論をさらに進めたい。特に重症度の高いステージD心不全においては、主として外科治療がメインとなるが、ぜひ外科と内科のハイブリッドがいかになされるべきかを論じていただきたい。多面的という中には多職種協同という側面も見逃せない。高齢化社会を迎え、在宅医療の重要性が高まっており、コメディカルの関わり方、モニタリングのあり方などもぜひ論じていただきたい。