メディカルスタッフセッション5

心不全のチーム医療

吉田 俊子(宮城大学 看護学部)
伊東 春樹(榊原記念病院 循環器内科)
心不全は突然死と並んで循環器疾患の終末像のひとつであり、そこに至る経過は複雑かつ多様である。特に慢性心不全患者においては入退院を繰り返し、心機能のみならずADLやQOLの進行性の低下をきたす。同時に高齢かつ重複障害を有する例も多いことから、疾病管理には身体機能はもとより、心理、認知機能、社会的側面などを含めた多職種による包括的なアプローチが求められる。さらに心不全患者では、急性期診療施設から地域や在宅へと連携した介入を行っていくことも重要で、個々の病態の多様性ばかりでなく、経時的変化を考慮した対応が必要となる。慢性心不全患者に対し、包括的疾病管理プログラムや心不全外来、疾病管理としての心臓リハビリテーションの有効性が示されているが、いまだ我が国では十分な対応がとられているとは言えない。今回のセッションでは心不全を取り巻く現状を踏まえ、心不全患者への多職種連携による包括的なアプローチをどのように確立していくか検討していきたいと考える。