メディカルスタッフセッション3
エビデンスについて学ぶ
上嶋 健治(京都大学医学部附属病院臨床研究総合センター EBM推進部)
山崎 力 (東京大学医学部附属病院 臨床研究支援センター)
疫学や医療統計学を臨床に応用する学問として発展してきた臨床疫学の考え方に、EBMという言葉が用いられて広く浸透するようになってきた。しかし、EBMの実践とは、完全無欠の臨床研究を実施して誰からも非難されないエビデンスを作ることではない。利用可能な最良のエビデンスを吟味して用い、自分の経験や価値観や使える医療資源と、患者および家族の希望を考え合わせながら意志決定する行動指針を意味する。このときに判断根拠となるエビデンスを提供するものが、臨床研究の成果である。エビデンスについて学ぶことは数多くある。エビデンスを創る過程で、伝える過程で、使う過程で、エビデンスの質を評価し、正しいメッセージを伝え、受け取らねばならない。本セッションでは、メディカルスタッフが、各々の職種・職域で学ぶべきことを考えたい。