日本心臓病学会・日本循環器心身医学会(国立循環器病研究センター、国立精神・神経医療研究センター)ジョイントシンポジウム
心臓専門医と精神科専門医の連携モデル
水野 杏一(公益財団法人 三越厚生事業団/日本医科大学)
伊藤 弘人 |
(国立精神・神経医療研究センター 精神保健研究所 社会精神保健研究部) |
本セッションは、日本心臓病学会・日本循環器心身医学会および心臓病と精神疾患を所管する国立高度専門医療研究センターのジョイントプログラムである。American Heart Associationが一貫して発表している声明のひとつに、うつ状態とうつ病の評価と治療体制の整備がある(Lichtman et al., 2008 & 2014)。心臓病とうつ病の合併症例に対して両専門医療チームが共同して治療にあたることで、うつ病の改善と心血管イベントの減少がみられるとする臨床研究が2010年から続いていることがその背景にある。
しかし、実際には両専門医療チームの共同治療体制の構築には困難が伴う。本セッションでは病院内連携および地域連携に関する先進事例を紹介するとともに、関係する循環器医および精神科医とのクロストークを行う。東京女子医科大学は、循環器内科と精神科との密接な院内連携が図られている。兵庫地域では、循環器内科医と精神科医および看護師・心理士等から構成される地域連携会議が2013年に設立されている。久留米大学では、循環器内科でのうつ病と睡眠障害の評価と支援が精神科が深く関与しながら進められていると同時に、睡眠障害に関してはかかりつけ医との連携事業が定着している。
本セッションに参加することで、循環器医と精神科医との共同治療体制に関するさまざまなスタイルと構築プロセスを理解することができる。