日本心臓病学会・日本小児循環器学会ジョイントシンポジウム

成人先天性心疾患に伴う不整脈の特徴と最新の治療
Manifestations and Current Management of Arrhythmias in Adult Congenital Heart Disease

庄田 守男(東京女子医科大学循環器内科)
安河内 聡(長野県立こども病院 循環器小児科)
大人になった先天性心疾患は、種々の姑息的手術や心内修復術が施され、原疾患の心奇形に加えて術後の変化が複雑に入り組んだ病態を示す。実地臨床医にとっては心不全、チアノーゼ、肺高血圧、他臓器合併症の管理だけではなく、不整脈治療や突然死予防も重要なテーマである。患者が子供の頃からつき合いの長い小児科医は心疾患の病態に詳しく、心臓ペーシングデバイス治療やカテーテルアブレーションなどのダイナミックな治療は循環器内科医が慣れているが、その逆は必ずしも是ではない。従って、最良の医療を提供するためには小児科医と循環器内科医との連携が必須である。今回のジョイントシンポジウムはこの両者の協力体制を構築するための天恵の機会といえる。不整脈診療に造詣の深い小児科医、循環器内科医、外科医が一堂に会し、様々なシチュエーションにおける薬物治療、心臓ペーシングデバイス、カテーテルアブレーション、外科的治療をディスカッションすることにより、成人先天性心疾患の不整脈診療の現状と問題点を明らかにし、さらに将来の展望を諮ることを期待する。