JCC-JECCS 共同プログラム セッション3
「臨床における3 つの言葉を学ぶ心臓病患者シミュレータ」
心臓診察における身体所見のとり方:
心臓病患者シミュレータ(イチロー)を使用した実践的トレーニング
天野 利男(天野内科循環器科/公益社団法人臨床心臓病学教育研究会)
「聴診器で診察してもらったことがない」という訴えを患者さんからよく聞きます。先生はコンピュータの画面ばかりみている。話をきいてくれない。心臓の音も聴いてくれない。これは心エコー、CT、MRI検査による診断に頼り切っている証拠です。患者さんから信頼されるためには、視診、触診、聴診によって患者を診るというベッドサイド診察手技を重視することが大切です。しかし心臓病患者さんを前に診察手技のトレーニングを繰り返して行うことは困難です。本セッションは心臓病患者シミュレータ「イチロー」を用いてベッドサイドの診察手技を繰り返し納得できるまで学んでいただく実習プログラムです。
実習では視診、触診、聴診の順に、視診では頸静脈波形を観察、触診では頸動脈、心尖拍動の触知、聴診では正常心音S1、S2から過剰心音S3、S4までを理解し、雑音の聴取では収縮期早期、中期、後期の聴きわけが出来るようになることが目標です。