コントロバーシー4
虚血性心臓病診断はFFR測定で十分か?
住吉 徹哉 |
(公益財団法人 日本心臓血圧研究振興会附属 榊原記念病院 循環器内科) |
虚血性心臓病の重症度を適確に判定し長期成績を見据えた治療方針を決めるためには、冠動脈造影による解剖学的診断だけではなく心筋虚血を精度高く評価することが必須である。非侵襲的な虚血評価法として負荷心筋シンチグラムは診療ガイドラインでも推奨され、治療効果の評価や長期予後の予測にも有用であることが示されているが、相対的な血流評価であるため多枝病変例での診断精度にはなお課題が残る。
冠動脈カテーテル検査の際にプレッシャーワイヤーを用いて測定するFractional Flow Reserve(FFR:冠血流予備量比)は、多枝病変例においても狭窄ごとの血流評価が可能であり、侵襲的ではあるが虚血の責任病変を確認するための検査法として臨床の場で活用されている。
本セッションでは、心筋虚血の診断を確定しPCIやCABGなど侵襲的治療の適応を判断するにあたり、FFRの測定は必要なのか、あるいは治療の根拠とするに十分なのか・・・・・、臨床経験豊富な二人の演者により異なる立場で論じていただき、その議論の中から本検査法の有用性についての理解を深めたい。